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第四章 サンダーランド辺境伯領
第二百十二話 食い逃げ犯を捕まえたよ
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サンダーランド辺境伯領への旅も、いよいよ後半戦の六日目になりました。
昨晩は教会の施設を借りて、ゆっくりと寝る事が出来ました。
着替えも済ませて、準備完了です。
「一晩ありがとうございました」
「こちらこそ、黒髪の天使様をお迎えでき光栄でしたよ」
「レオ君、気をつけてね」
「本当に、色々ありがとうね」
僕とシロちゃんは、教会の人に挨拶をして馬車乗り場に向かいました。
今日はちょっと曇っているから、寒くならない様に厚着をしないとね。
シロちゃんも、今日は僕の頭の上じゃなくて胸元に入ってきました。
トコトコトコ。
僕とシロちゃんは、無事に馬車便に乗って街道を進んでいます。
「この先は、どんな所があるんですか?」
「この先は、小さな男爵領が続くぞ。まあ、森沿いを通る訳じゃないし、ゆっくりのんびりとした旅路だな」
御者さんがこの先の事を教えてくれたけど、ここ数日はトラブルもあったからのんびりした方が良いよね。
馬車も今日は旅行客っぽい男女六人が乗っていて、お互いにお喋りとかしていました。
僕も、ゆっくりと本を読もうっと。
魔法袋からポーション作りの本を取り出して、シロちゃんと一緒に読み始めます。
ぺらぺら。
今日は少し寒いだけで、本当に平和だね。
探索魔法を使っても周囲に全く反応しないし、全くトラブルも起きません。
お陰様で、集中して本を読む事が出来ました。
「うーん、ずっと本を読んでいたから、ちょっと疲れちゃったね」
僕は背伸びをしながら、シロちゃんに話しかけました。
馬車は相変わらず何も問題なく街道を進んで行き、夕方前には目的地の男爵領の領都に到着しました。
今日は、道中とても平和だったね。
僕は街中を移動して、宿を探す事にしました。
「えーっと、宿はどこにあるかな?」
僕は街中を歩きながら、宿を探しました。
すると、食堂の隣に宿を発見しました。
そして、僕とシロちゃんが宿に入ろうとした時でした。
ドン!
「わあ、あてて……」
急に誰かが食堂から飛び出したので、僕は突き飛ばされてしまいました。
「まてー、この食い逃げが!」
「ぐっ……」
尻もちを付きながら突き飛ばした人を見ると、中年男性が店員さんに追っかけられていました。
僕も突き飛ばされちゃったし、そもそも食い逃げは良くないよね。
僕は、手に魔力を溜めました。
「えーい!」
キラーン、ガシン!
「な、な、何だこれは?」
「はあはあはあ、これは魔法の檻?」
僕は尻もちをつきながらダークケージを放って、僕を突き飛ばした人を閉じ込めました。
僕を突き飛ばした人はダークケージを掴んで逃げ出そうとしたけど、逃げる事は出来ませんでした。
追いかけていた人も、とっても不思議そうな表情をしていました。
僕はおしりについた汚れをはたいて、二人に近づきました。
「君は、確かこいつに突き飛ばされた子どもだね。君が魔法を使ったのですか?」
「はい、僕が使いました。この人が食い逃げという事もありますが、僕も突き飛ばされたので」
「おい、俺をここから出せ!」
「そうか、何にせよ助かったよ」
「俺を放しやがれ!」
檻に閉じ込められた食い逃げ犯がギャーギャー騒いでいるけど、ここは無視をしよう。
その内にこの街の兵がやってきたので、僕は兵が食い逃げ犯を捕まえた所でダークケージを解除しました。
「コイツは、たらふく食べた所で俺はあの黒髪の魔術師の一行だから、黒髪の魔術師に食事代を請求しろと言ったんだ。おかしいと思ったのでその黒髪の魔術師は何処にいると聞いたら、突然逃げ出したんだ」
「有名人の関係者を名乗る、典型的な詐欺の手口だな」
食堂の人が兵に事情を話していたけど、またもや僕の名前を使った詐欺だったんだ。
うーん、何だかモヤモヤしちゃうなあ。
「君はどうしたんだ?」
「僕は、この食堂の隣にある宿に入ろうとしたんです。そうしたら、食堂からこの人が飛び出してきて僕を突き飛ばしました」
「それで、魔法で捕まえたのだな。小さいのに大した腕前……うん?」
僕も兵に事情を話すと、兵が僕の顔をジロジロと見てきました。
何かあったのかな?
「黒髪の小さな魔法使いで、スライム連れ。君はもしかして、レオ君かな? あの黒髪の魔術師の」
「あっ、はい。僕はレオです。何か、そんな二つ名で呼ばれています」
「「本物の黒髪の魔術師!?」」
どうも兵は、僕の特徴を知っていたみたいです。
そして、納得した様に拘束された食い逃げ犯を見下ろしました。
「はは、悪事はするもんじゃないな。これだけの魔法を使うのだからどこの大魔法使いかと思ったが、レオ君なら納得だ」
「というと、コイツは嘘をついた相手にあっさりと捕まってしまったのか。こいつは傑作だ!」
「うぐぐ、くそ……」
あわわわわ、何だか大騒ぎになっちゃったよ。
食堂からも人が出てきて、何が起きたかと僕達を見ているよ。
ど、どうしようかな……
「あ、あの、まだ宿の予約をしていないので、僕はこれで良いですか?」
「ああ、大丈夫だ。メインは食い逃げだからな。レオ君、犯人確保の協力に感謝する」
「「「うおー!」」」
な、何とかこの場から脱出する事が出来たけど、食堂から様子を見に来た酔っ払った人が大盛りあがりです。
この分だと、今夜は食堂を使えないね。
僕はトホホと思いながら、宿に向かって歩いて行きました。
昨晩は教会の施設を借りて、ゆっくりと寝る事が出来ました。
着替えも済ませて、準備完了です。
「一晩ありがとうございました」
「こちらこそ、黒髪の天使様をお迎えでき光栄でしたよ」
「レオ君、気をつけてね」
「本当に、色々ありがとうね」
僕とシロちゃんは、教会の人に挨拶をして馬車乗り場に向かいました。
今日はちょっと曇っているから、寒くならない様に厚着をしないとね。
シロちゃんも、今日は僕の頭の上じゃなくて胸元に入ってきました。
トコトコトコ。
僕とシロちゃんは、無事に馬車便に乗って街道を進んでいます。
「この先は、どんな所があるんですか?」
「この先は、小さな男爵領が続くぞ。まあ、森沿いを通る訳じゃないし、ゆっくりのんびりとした旅路だな」
御者さんがこの先の事を教えてくれたけど、ここ数日はトラブルもあったからのんびりした方が良いよね。
馬車も今日は旅行客っぽい男女六人が乗っていて、お互いにお喋りとかしていました。
僕も、ゆっくりと本を読もうっと。
魔法袋からポーション作りの本を取り出して、シロちゃんと一緒に読み始めます。
ぺらぺら。
今日は少し寒いだけで、本当に平和だね。
探索魔法を使っても周囲に全く反応しないし、全くトラブルも起きません。
お陰様で、集中して本を読む事が出来ました。
「うーん、ずっと本を読んでいたから、ちょっと疲れちゃったね」
僕は背伸びをしながら、シロちゃんに話しかけました。
馬車は相変わらず何も問題なく街道を進んで行き、夕方前には目的地の男爵領の領都に到着しました。
今日は、道中とても平和だったね。
僕は街中を移動して、宿を探す事にしました。
「えーっと、宿はどこにあるかな?」
僕は街中を歩きながら、宿を探しました。
すると、食堂の隣に宿を発見しました。
そして、僕とシロちゃんが宿に入ろうとした時でした。
ドン!
「わあ、あてて……」
急に誰かが食堂から飛び出したので、僕は突き飛ばされてしまいました。
「まてー、この食い逃げが!」
「ぐっ……」
尻もちを付きながら突き飛ばした人を見ると、中年男性が店員さんに追っかけられていました。
僕も突き飛ばされちゃったし、そもそも食い逃げは良くないよね。
僕は、手に魔力を溜めました。
「えーい!」
キラーン、ガシン!
「な、な、何だこれは?」
「はあはあはあ、これは魔法の檻?」
僕は尻もちをつきながらダークケージを放って、僕を突き飛ばした人を閉じ込めました。
僕を突き飛ばした人はダークケージを掴んで逃げ出そうとしたけど、逃げる事は出来ませんでした。
追いかけていた人も、とっても不思議そうな表情をしていました。
僕はおしりについた汚れをはたいて、二人に近づきました。
「君は、確かこいつに突き飛ばされた子どもだね。君が魔法を使ったのですか?」
「はい、僕が使いました。この人が食い逃げという事もありますが、僕も突き飛ばされたので」
「おい、俺をここから出せ!」
「そうか、何にせよ助かったよ」
「俺を放しやがれ!」
檻に閉じ込められた食い逃げ犯がギャーギャー騒いでいるけど、ここは無視をしよう。
その内にこの街の兵がやってきたので、僕は兵が食い逃げ犯を捕まえた所でダークケージを解除しました。
「コイツは、たらふく食べた所で俺はあの黒髪の魔術師の一行だから、黒髪の魔術師に食事代を請求しろと言ったんだ。おかしいと思ったのでその黒髪の魔術師は何処にいると聞いたら、突然逃げ出したんだ」
「有名人の関係者を名乗る、典型的な詐欺の手口だな」
食堂の人が兵に事情を話していたけど、またもや僕の名前を使った詐欺だったんだ。
うーん、何だかモヤモヤしちゃうなあ。
「君はどうしたんだ?」
「僕は、この食堂の隣にある宿に入ろうとしたんです。そうしたら、食堂からこの人が飛び出してきて僕を突き飛ばしました」
「それで、魔法で捕まえたのだな。小さいのに大した腕前……うん?」
僕も兵に事情を話すと、兵が僕の顔をジロジロと見てきました。
何かあったのかな?
「黒髪の小さな魔法使いで、スライム連れ。君はもしかして、レオ君かな? あの黒髪の魔術師の」
「あっ、はい。僕はレオです。何か、そんな二つ名で呼ばれています」
「「本物の黒髪の魔術師!?」」
どうも兵は、僕の特徴を知っていたみたいです。
そして、納得した様に拘束された食い逃げ犯を見下ろしました。
「はは、悪事はするもんじゃないな。これだけの魔法を使うのだからどこの大魔法使いかと思ったが、レオ君なら納得だ」
「というと、コイツは嘘をついた相手にあっさりと捕まってしまったのか。こいつは傑作だ!」
「うぐぐ、くそ……」
あわわわわ、何だか大騒ぎになっちゃったよ。
食堂からも人が出てきて、何が起きたかと僕達を見ているよ。
ど、どうしようかな……
「あ、あの、まだ宿の予約をしていないので、僕はこれで良いですか?」
「ああ、大丈夫だ。メインは食い逃げだからな。レオ君、犯人確保の協力に感謝する」
「「「うおー!」」」
な、何とかこの場から脱出する事が出来たけど、食堂から様子を見に来た酔っ払った人が大盛りあがりです。
この分だと、今夜は食堂を使えないね。
僕はトホホと思いながら、宿に向かって歩いて行きました。
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