小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第三章 コバルトブルーレイク直轄領

第百八十一話 害獣駆除の依頼

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 こうして、クリスちゃんが王都に帰ってからの僕の一週間のスケジュールが固まりました。
 週二回は魔導具修理工房で、後は薬草採取とポーション作りをします。
 たまに治療の依頼を受ける事もあるけど、こんな感じでやっていきます。
 ナナさんの魔法の修行も順調で、初級の闇魔法は一通り使える様になりました。
 そんな感じで一ヶ月が過ぎたある日、僕達が冒険者ギルドに行くとマナさんからとある依頼を受けました。

「害獣駆除、ですか?」
「ええ、割と急ぎの依頼なのよ」

 たまたまユリアさん達も二日間別荘の仕事がない日で、僕もポーションを納品するだけでした。

「依頼は近郊の小さな村からで、村の男手では駆除しきれない動物が畑を荒らしているそうよ。たまたまパーティで動ける冒険者が、全部別の仕事をしているのよ」
「それで、私達に声をかけてきた訳ね」
「ええ、ユリアとイリアにレオ君もいるから戦力的には問題ないと思うわ。新人の三人も、真面目に仕事をしているから大丈夫だと判断したわ」

 困っている人がいるなら、直ぐに助けてあげないと。
 ユリアさんとイリアさんが僕達に視線を送ったので、僕達は了解と頷きました。

「手続きをお願いします」
「助かったわ。村までは、二時間後に馬車乗り場から馬車便が出るわ。ただ、宿泊施設がないので、野営の準備が必要よ」
「野営は大丈夫よ。宿に戻れば道具も揃っているし」

 一旦宿に戻りながら、必要な物を揃える事にしました。

「野菜とか肉などを購入して、レオ君の魔法袋に入れておきましょう。それとは別に、各自で乾パンとかを用意しないとね」
「水を飲む為のボトルなども、買っていきましょう」

 次々にユリアさんとイリアさんが指示を出して、市場で必要な物を購入していきます。
 僕は魔法袋を持っていて沢山の荷物を運べるけど、僕に頼らない様に荷造りをするみたいです。

「私とイリアが持っているテントが五人用だから、レオ君が入っても大丈夫でしょう」
「寝袋と毛布は用意しましょう」

 宿に帰っても、ユリアさんとイリアさんが指示を出します。
 ナナさん達は初めての遠征だから、荷造りが大変みたいです。
 準備が出来たら、馬車乗り場に移動して馬車を待ちます。

「今回はパーティで動くから荷物を分担して運べるけど、一人で動く時はこれだけの荷物を一人で持たないといけないのよ」
「街で活動すれば荷物は最小限で済むけど、討伐関連は最低でも一泊はする事を前提にしないとね」
「「「はい」」」

 流石は先輩冒険者だけあって、ユリアさんとイリアさんは色々な事を知っているね。
 僕もシロちゃんも、とっても勉強になりました。
 馬車便も来たので、乗り込んでいざ出発です。

 カラカラカラ。

「ユリアさん、イリアさん。討伐対象は、普通の害獣ですよね?」
「そうよ、シカとかイノシシにタヌキとかね」

 僕の質問にユリアさんさんが答えてくれたけど、何か引っかかるんだよね。

「レオ君、何か考え事?」
「うーん、そんなに急に害獣って増えるのかなって、そう思ったんです」
「確かにね。それに、村の男で手に負えないのはちょっと気になるわね」

 僕の疑問に、イリアさんも同意していました。
 考えても仕方ないので、現地に着いてから確認する事になりました。

「三人とも強くなっているから、そんなに心配しなくても良いわ」
「私達にレオ君もいるし、三人は先ずは自分の仕事をきっちりやる事が優先ね」
「「「頑張ります」」」

 害獣駆除とはいえ、初めて戦闘を行うのだからナナさん達はとっても緊張するよね。
 僕もシロちゃんも、ゴブリンと戦っていなかったら対応できないかもね。
 そんな事を思っていたら、僕達を乗せた馬車は順調に村に到着しました。

「うーん、村は特に変わった所はないね」
「でも、人通りが少ないのが気になるわね」

 ユリアさんとイリアさんも、街の様子が気になっていました。
 確かに、歩いている人の数が少ないよね。
 僕達は村の中をキョロキョロしながら、村で一番大きい村長さんの家を目指しました。

「ここだね、すみません」
「依頼で来ました冒険者です」
「ハイハイ、ちょっとお待ち下さいな」

 玄関のドアが開くと、年配の女性が顔を出しました。
 この人が、村長さんの奥さんだね。

「あら、女性のパーティなんですね。応接室に案内しますわ」

 村長さんの奥さんは僕達を応接室に案内してくれたけど、もしかして僕の事も女の子って思っちゃったのかな?
 そんな疑問を浮かべながら、僕は村長さんを待ちました。
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