86 / 584
第三章 コバルトブルーレイク直轄領
第百八十一話 害獣駆除の依頼
しおりを挟む
こうして、クリスちゃんが王都に帰ってからの僕の一週間のスケジュールが固まりました。
週二回は魔導具修理工房で、後は薬草採取とポーション作りをします。
たまに治療の依頼を受ける事もあるけど、こんな感じでやっていきます。
ナナさんの魔法の修行も順調で、初級の闇魔法は一通り使える様になりました。
そんな感じで一ヶ月が過ぎたある日、僕達が冒険者ギルドに行くとマナさんからとある依頼を受けました。
「害獣駆除、ですか?」
「ええ、割と急ぎの依頼なのよ」
たまたまユリアさん達も二日間別荘の仕事がない日で、僕もポーションを納品するだけでした。
「依頼は近郊の小さな村からで、村の男手では駆除しきれない動物が畑を荒らしているそうよ。たまたまパーティで動ける冒険者が、全部別の仕事をしているのよ」
「それで、私達に声をかけてきた訳ね」
「ええ、ユリアとイリアにレオ君もいるから戦力的には問題ないと思うわ。新人の三人も、真面目に仕事をしているから大丈夫だと判断したわ」
困っている人がいるなら、直ぐに助けてあげないと。
ユリアさんとイリアさんが僕達に視線を送ったので、僕達は了解と頷きました。
「手続きをお願いします」
「助かったわ。村までは、二時間後に馬車乗り場から馬車便が出るわ。ただ、宿泊施設がないので、野営の準備が必要よ」
「野営は大丈夫よ。宿に戻れば道具も揃っているし」
一旦宿に戻りながら、必要な物を揃える事にしました。
「野菜とか肉などを購入して、レオ君の魔法袋に入れておきましょう。それとは別に、各自で乾パンとかを用意しないとね」
「水を飲む為のボトルなども、買っていきましょう」
次々にユリアさんとイリアさんが指示を出して、市場で必要な物を購入していきます。
僕は魔法袋を持っていて沢山の荷物を運べるけど、僕に頼らない様に荷造りをするみたいです。
「私とイリアが持っているテントが五人用だから、レオ君が入っても大丈夫でしょう」
「寝袋と毛布は用意しましょう」
宿に帰っても、ユリアさんとイリアさんが指示を出します。
ナナさん達は初めての遠征だから、荷造りが大変みたいです。
準備が出来たら、馬車乗り場に移動して馬車を待ちます。
「今回はパーティで動くから荷物を分担して運べるけど、一人で動く時はこれだけの荷物を一人で持たないといけないのよ」
「街で活動すれば荷物は最小限で済むけど、討伐関連は最低でも一泊はする事を前提にしないとね」
「「「はい」」」
流石は先輩冒険者だけあって、ユリアさんとイリアさんは色々な事を知っているね。
僕もシロちゃんも、とっても勉強になりました。
馬車便も来たので、乗り込んでいざ出発です。
カラカラカラ。
「ユリアさん、イリアさん。討伐対象は、普通の害獣ですよね?」
「そうよ、シカとかイノシシにタヌキとかね」
僕の質問にユリアさんさんが答えてくれたけど、何か引っかかるんだよね。
「レオ君、何か考え事?」
「うーん、そんなに急に害獣って増えるのかなって、そう思ったんです」
「確かにね。それに、村の男で手に負えないのはちょっと気になるわね」
僕の疑問に、イリアさんも同意していました。
考えても仕方ないので、現地に着いてから確認する事になりました。
「三人とも強くなっているから、そんなに心配しなくても良いわ」
「私達にレオ君もいるし、三人は先ずは自分の仕事をきっちりやる事が優先ね」
「「「頑張ります」」」
害獣駆除とはいえ、初めて戦闘を行うのだからナナさん達はとっても緊張するよね。
僕もシロちゃんも、ゴブリンと戦っていなかったら対応できないかもね。
そんな事を思っていたら、僕達を乗せた馬車は順調に村に到着しました。
「うーん、村は特に変わった所はないね」
「でも、人通りが少ないのが気になるわね」
ユリアさんとイリアさんも、街の様子が気になっていました。
確かに、歩いている人の数が少ないよね。
僕達は村の中をキョロキョロしながら、村で一番大きい村長さんの家を目指しました。
「ここだね、すみません」
「依頼で来ました冒険者です」
「ハイハイ、ちょっとお待ち下さいな」
玄関のドアが開くと、年配の女性が顔を出しました。
この人が、村長さんの奥さんだね。
「あら、女性のパーティなんですね。応接室に案内しますわ」
村長さんの奥さんは僕達を応接室に案内してくれたけど、もしかして僕の事も女の子って思っちゃったのかな?
そんな疑問を浮かべながら、僕は村長さんを待ちました。
週二回は魔導具修理工房で、後は薬草採取とポーション作りをします。
たまに治療の依頼を受ける事もあるけど、こんな感じでやっていきます。
ナナさんの魔法の修行も順調で、初級の闇魔法は一通り使える様になりました。
そんな感じで一ヶ月が過ぎたある日、僕達が冒険者ギルドに行くとマナさんからとある依頼を受けました。
「害獣駆除、ですか?」
「ええ、割と急ぎの依頼なのよ」
たまたまユリアさん達も二日間別荘の仕事がない日で、僕もポーションを納品するだけでした。
「依頼は近郊の小さな村からで、村の男手では駆除しきれない動物が畑を荒らしているそうよ。たまたまパーティで動ける冒険者が、全部別の仕事をしているのよ」
「それで、私達に声をかけてきた訳ね」
「ええ、ユリアとイリアにレオ君もいるから戦力的には問題ないと思うわ。新人の三人も、真面目に仕事をしているから大丈夫だと判断したわ」
困っている人がいるなら、直ぐに助けてあげないと。
ユリアさんとイリアさんが僕達に視線を送ったので、僕達は了解と頷きました。
「手続きをお願いします」
「助かったわ。村までは、二時間後に馬車乗り場から馬車便が出るわ。ただ、宿泊施設がないので、野営の準備が必要よ」
「野営は大丈夫よ。宿に戻れば道具も揃っているし」
一旦宿に戻りながら、必要な物を揃える事にしました。
「野菜とか肉などを購入して、レオ君の魔法袋に入れておきましょう。それとは別に、各自で乾パンとかを用意しないとね」
「水を飲む為のボトルなども、買っていきましょう」
次々にユリアさんとイリアさんが指示を出して、市場で必要な物を購入していきます。
僕は魔法袋を持っていて沢山の荷物を運べるけど、僕に頼らない様に荷造りをするみたいです。
「私とイリアが持っているテントが五人用だから、レオ君が入っても大丈夫でしょう」
「寝袋と毛布は用意しましょう」
宿に帰っても、ユリアさんとイリアさんが指示を出します。
ナナさん達は初めての遠征だから、荷造りが大変みたいです。
準備が出来たら、馬車乗り場に移動して馬車を待ちます。
「今回はパーティで動くから荷物を分担して運べるけど、一人で動く時はこれだけの荷物を一人で持たないといけないのよ」
「街で活動すれば荷物は最小限で済むけど、討伐関連は最低でも一泊はする事を前提にしないとね」
「「「はい」」」
流石は先輩冒険者だけあって、ユリアさんとイリアさんは色々な事を知っているね。
僕もシロちゃんも、とっても勉強になりました。
馬車便も来たので、乗り込んでいざ出発です。
カラカラカラ。
「ユリアさん、イリアさん。討伐対象は、普通の害獣ですよね?」
「そうよ、シカとかイノシシにタヌキとかね」
僕の質問にユリアさんさんが答えてくれたけど、何か引っかかるんだよね。
「レオ君、何か考え事?」
「うーん、そんなに急に害獣って増えるのかなって、そう思ったんです」
「確かにね。それに、村の男で手に負えないのはちょっと気になるわね」
僕の疑問に、イリアさんも同意していました。
考えても仕方ないので、現地に着いてから確認する事になりました。
「三人とも強くなっているから、そんなに心配しなくても良いわ」
「私達にレオ君もいるし、三人は先ずは自分の仕事をきっちりやる事が優先ね」
「「「頑張ります」」」
害獣駆除とはいえ、初めて戦闘を行うのだからナナさん達はとっても緊張するよね。
僕もシロちゃんも、ゴブリンと戦っていなかったら対応できないかもね。
そんな事を思っていたら、僕達を乗せた馬車は順調に村に到着しました。
「うーん、村は特に変わった所はないね」
「でも、人通りが少ないのが気になるわね」
ユリアさんとイリアさんも、街の様子が気になっていました。
確かに、歩いている人の数が少ないよね。
僕達は村の中をキョロキョロしながら、村で一番大きい村長さんの家を目指しました。
「ここだね、すみません」
「依頼で来ました冒険者です」
「ハイハイ、ちょっとお待ち下さいな」
玄関のドアが開くと、年配の女性が顔を出しました。
この人が、村長さんの奥さんだね。
「あら、女性のパーティなんですね。応接室に案内しますわ」
村長さんの奥さんは僕達を応接室に案内してくれたけど、もしかして僕の事も女の子って思っちゃったのかな?
そんな疑問を浮かべながら、僕は村長さんを待ちました。
785
お気に入りに追加
5,426
あなたにおすすめの小説
結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」
「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」
「ま、まってくださ……!」
「誰が待つかよバーーーーーカ!」
「そっちは危な……っあ」

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。


聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます
藤なごみ
ファンタジー
※2025年2月中旬にアルファポリス様より第四巻が刊行予定です
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
ある少年は、母親よりネグレクトを受けていた上に住んでいたアパートを追い出されてしまった。
高校進学も出来ずにいたとあるバイト帰りに、酔っ払いに駅のホームから突き飛ばされてしまい、電車にひかれて死んでしまった。
しかしながら再び目を覚ました少年は、見た事もない異世界で赤子として新たに生をうけていた。
だが、赤子ながらに周囲の話を聞く内に、この世界の自分も幼い内に追い出されてしまう事に気づいてしまった。
そんな中、突然見知らぬ金髪の幼女が連れてこられ、一緒に部屋で育てられる事に。
幼女の事を妹として接しながら、この子も一緒に追い出されてしまうことが分かった。
幼い二人で来たる追い出される日に備えます。
基本はお兄ちゃんと妹ちゃんを中心としたストーリーです
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しています
2023/08/30
題名を以下に変更しました
「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきたいと思います」→「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます」
書籍化が決定しました
2023/09/01
アルファポリス社様より9月中旬に刊行予定となります
2023/09/06
アルファポリス様より、9月19日に出荷されます
呱々唄七つ先生の素晴らしいイラストとなっております
2024/3/21
アルファポリス様より第二巻が発売されました
2024/4/24
コミカライズスタートしました
2024/8/12
アルファポリス様から第三巻が八月中旬に刊行予定です
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。