80 / 584
第三章 コバルトブルーレイク直轄領
第百七十五話 頑張って皆に魔法を教えます
しおりを挟む
ここで事の成り行きを見守っていたチャーリーさんが、師団長さんの所に歩み寄りました。
「ナンシー侯爵家か、それは面倒くさい貴族の子弟がおったのだな」
「マリアージュ侯爵様、部下のコントロールが出来ず申し訳ありません」
「いやいや、あの貴族家の選民意識は私も良く理解している。しかし、今回の件はナンシー侯爵家に一言言わないとならないな」
二人の話を聞く限り、とっても面倒くさい貴族の出身なんだね。
僕も面倒くさい貴族と関係した事があるから、二人の何となく気持ちは分かるなあ。
「レオ君、本当に申し訳無い。あいつは大した能力も実力も無いのに、侯爵家の威光を頼りに大威張りしていてな、私も対処に苦慮していたんだ」
「僕もゴルゴン男爵やバーサス子爵を知っていますから、何となく気持ちは分かります」
「そういえばそうだったね。あいつは、懲罰委員会の結果が出るまでは拘束される。他にも問題をおこしていたから、帝国との国境境にある最前線に送られるだろう」
まあ、あれだけ苛烈な性格だし、どう考えても普通じゃないよね。
どこにいってもどんな職業に就いても、あの性格だと大失敗をしそうな気がするよ。
「じゃあ、魔法の訓練を始めましょうか。時間も経っちゃいましたからね」
「済まんな、じゃあ頼むぞ」
僕は師団長さんに話しかけてから、朝も来た魔法使いの人の所に向かいました。
「レオ君、本当に凄かったわ。あいつ、実力ないくせに威張っていて、本当に迷惑だったのよ」
「セクハラ行為もしてくるし、本当に嫌になっちゃうわ」
「レオ君にぶっ飛ばされた所を見て、清々したわ」
うわあ、話しかけた途端に愚痴が止まらないよ。
それだけ、あの大柄な男性から嫌な目にあっていたんだね。
嫌な事を忘れる為に、早速訓練を始めます。
「実は、朝もレオ君から教えて貰った訓練を皆に伝えたのよ。とても好評だったし、早速訓練に取り入れたわ」
「皆さんに気に入って貰って、とても良かったです」
「レオ君がどうやったら上手に魔法を使えるか、良く考えているからね。だから、これからも自信を持ってナナさんに教えてあげてね」
軍の魔法使いの人にも太鼓判を押されたから、僕もちょっと自信がついちゃったよ。
そして軍の人とお話していたら、ちょっと戸惑いながら訓練をしていたお姉さんがいたよ。
何かあったのかな?
「お姉さん、どうかしましたか?」
「レオ君の活躍を見たら、少し自信無くしちゃいまして……」
えー!
お姉さんの調子が良くないのは、僕のせいなの?
ど、どうしよう……
そう思ったら、宿に来たお姉さんが僕に話しかけてきました。
「レオ君、実はこの子ね回復魔法専門なんだけど、あのバカに回復魔法しか使えないクズだって言われていたのよ」
「えー、それは酷いです。回復魔法も凄いのに」
まさかの根本原因が、あの大柄な男性だったとは。
このままだと良くないし、ここは僕が回復魔法も凄いって教えてあげないとね。
俄然やる気が出てきたよ。
「今日は、お姉さんに回復魔法は凄いって教えます! 宜しくお願いします」
「よ、宜しくお願いします……」
お姉さんは僕のやる気にびっくりしちゃったけど、お姉さんには元気になって貰わないとね。
早速僕はお姉さんと手を繋いで、お姉さんに魔力を流し始めました。
「わあ、お姉さん魔力がいっぱいありますね! 凄いです!」
「そ、そうでしょうか?」
お姉さんはキョトンとした表情になったけど、ナナさん程じゃないけどいっぱい魔力を持っているよ。
あの大柄な男性の比じゃないよ。
続いて、魔力循環と魔力制御もやって貰ったけど、お姉さんはとっても上手に出来ています。
「お姉さん、凄いですよ! 魔力制御も完璧です!」
「そ、そうですか? ずっと訓練してましたから……」
お姉さんは顔をちょっと赤らめながらも、良い笑顔でした。
ここまで完璧だと、もしかしたら治療のやり方が悪いのかもしれないね。
「お姉さん、回復魔法っていつもどうやっていますか?」
「えーっと、痛いと言われた所に魔法をかけます」
あっ、やっぱりだ。
相手に軽く魔力を流して、どこが悪いかを確認していなかったんだ。
そうすれば、直ぐに治療が上手くなるよ。
「すみません、どなたか健康な人をお願いできますか? お姉さんに、治療のやり方を教えてあげたいのですが」
「よし、俺がやろう」
「モーリス……」
僕が周りにいる人に声をかけたら、スキンヘッドの大きな男性が真っ先に手を上げたよ。
お姉さんが何か呟いたけど、もしかしてお姉さんの知り合いかな?
周りの人もチャーリーさんもターニャさんもシロちゃんを抱いたクリスちゃんも、皆んなで興味深そうに僕達の周りに集まってきたよ。
「回復魔法をやる前に相手に軽く魔力を流すと、相手の体の悪い所が淀みのイメージで返ってきます。お兄さんは健康体だというので、何も無ければ綺麗なイメージが帰ってきます」
「よし、スカラやってくれ」
「はい」
お姉さんは目を閉じて、お兄さんに魔力を流し始めました。
すると、お姉さんがびっくりした表情に変わりました。
「あの、モーリスの足先から淀みが返ってきました……」
「えっ、僕も確認します。あっ、本当だ。シロちゃんも確認して」
お姉さんの一言に加えて僕もおかしいと言ったので、周りがざわざわし始めました。
そして、クリスちゃんの腕の中から飛び出して確認をしていたシロちゃんも同じ結果でした。
でも、この感覚ってどこかで感じた気がするよ。
「あの、お兄さんの指先が全て悪いみたいです。でも、骨折とかじゃなくて爪とかですね」
「水虫だな」
「水虫だろう」
「水虫で間違いないな」
「水虫ね」
「水虫だわ」
「お前ら、揃いも揃って水虫水虫言うな!」
良かった、もっと重病だったらどうしようかと思ったよ。
でも、ここまでいけばもう大丈夫ですね。
「じゃあお姉さん、今度は淀みが良くなるように頭の中で思い描きながら魔法を流して下さい」
「頑張ります」
おお、お姉さんはとても良い顔になったよ。
そして、真剣な表情でお兄さんに回復魔法をかけました。
きっと上手くいくと思ったら、お姉さんの顔が曇っちゃったよ。
「すみません、私の力では治せません……」
「えー! そんなはずはないよ。シロちゃん、お願いね」
ちょっと項垂れているお姉さんに代わって、今度はシロちゃんがお兄さんに聖魔法をかけます。
でも、上手くいかなかったみたいで、シロちゃんもしょんぼりしちゃいました。
「シロちゃんの聖魔法でも駄目だったなんて。よーし、じゃあ回復魔法と聖魔法の合体魔法を使います!」
「「「おおー!」」」
きっとこれなら大丈夫!
だと思ったんですけど……
「すみません、合体魔法でもお兄さんの水虫を治せませんでした。他に悪い所はありません……」
「そ、そうか……」
僕も水虫を治せなくて、お兄さんは微妙な表情をしていました。
うう、やっぱり僕はまだ水虫を治せないんだ……
「ナンシー侯爵家か、それは面倒くさい貴族の子弟がおったのだな」
「マリアージュ侯爵様、部下のコントロールが出来ず申し訳ありません」
「いやいや、あの貴族家の選民意識は私も良く理解している。しかし、今回の件はナンシー侯爵家に一言言わないとならないな」
二人の話を聞く限り、とっても面倒くさい貴族の出身なんだね。
僕も面倒くさい貴族と関係した事があるから、二人の何となく気持ちは分かるなあ。
「レオ君、本当に申し訳無い。あいつは大した能力も実力も無いのに、侯爵家の威光を頼りに大威張りしていてな、私も対処に苦慮していたんだ」
「僕もゴルゴン男爵やバーサス子爵を知っていますから、何となく気持ちは分かります」
「そういえばそうだったね。あいつは、懲罰委員会の結果が出るまでは拘束される。他にも問題をおこしていたから、帝国との国境境にある最前線に送られるだろう」
まあ、あれだけ苛烈な性格だし、どう考えても普通じゃないよね。
どこにいってもどんな職業に就いても、あの性格だと大失敗をしそうな気がするよ。
「じゃあ、魔法の訓練を始めましょうか。時間も経っちゃいましたからね」
「済まんな、じゃあ頼むぞ」
僕は師団長さんに話しかけてから、朝も来た魔法使いの人の所に向かいました。
「レオ君、本当に凄かったわ。あいつ、実力ないくせに威張っていて、本当に迷惑だったのよ」
「セクハラ行為もしてくるし、本当に嫌になっちゃうわ」
「レオ君にぶっ飛ばされた所を見て、清々したわ」
うわあ、話しかけた途端に愚痴が止まらないよ。
それだけ、あの大柄な男性から嫌な目にあっていたんだね。
嫌な事を忘れる為に、早速訓練を始めます。
「実は、朝もレオ君から教えて貰った訓練を皆に伝えたのよ。とても好評だったし、早速訓練に取り入れたわ」
「皆さんに気に入って貰って、とても良かったです」
「レオ君がどうやったら上手に魔法を使えるか、良く考えているからね。だから、これからも自信を持ってナナさんに教えてあげてね」
軍の魔法使いの人にも太鼓判を押されたから、僕もちょっと自信がついちゃったよ。
そして軍の人とお話していたら、ちょっと戸惑いながら訓練をしていたお姉さんがいたよ。
何かあったのかな?
「お姉さん、どうかしましたか?」
「レオ君の活躍を見たら、少し自信無くしちゃいまして……」
えー!
お姉さんの調子が良くないのは、僕のせいなの?
ど、どうしよう……
そう思ったら、宿に来たお姉さんが僕に話しかけてきました。
「レオ君、実はこの子ね回復魔法専門なんだけど、あのバカに回復魔法しか使えないクズだって言われていたのよ」
「えー、それは酷いです。回復魔法も凄いのに」
まさかの根本原因が、あの大柄な男性だったとは。
このままだと良くないし、ここは僕が回復魔法も凄いって教えてあげないとね。
俄然やる気が出てきたよ。
「今日は、お姉さんに回復魔法は凄いって教えます! 宜しくお願いします」
「よ、宜しくお願いします……」
お姉さんは僕のやる気にびっくりしちゃったけど、お姉さんには元気になって貰わないとね。
早速僕はお姉さんと手を繋いで、お姉さんに魔力を流し始めました。
「わあ、お姉さん魔力がいっぱいありますね! 凄いです!」
「そ、そうでしょうか?」
お姉さんはキョトンとした表情になったけど、ナナさん程じゃないけどいっぱい魔力を持っているよ。
あの大柄な男性の比じゃないよ。
続いて、魔力循環と魔力制御もやって貰ったけど、お姉さんはとっても上手に出来ています。
「お姉さん、凄いですよ! 魔力制御も完璧です!」
「そ、そうですか? ずっと訓練してましたから……」
お姉さんは顔をちょっと赤らめながらも、良い笑顔でした。
ここまで完璧だと、もしかしたら治療のやり方が悪いのかもしれないね。
「お姉さん、回復魔法っていつもどうやっていますか?」
「えーっと、痛いと言われた所に魔法をかけます」
あっ、やっぱりだ。
相手に軽く魔力を流して、どこが悪いかを確認していなかったんだ。
そうすれば、直ぐに治療が上手くなるよ。
「すみません、どなたか健康な人をお願いできますか? お姉さんに、治療のやり方を教えてあげたいのですが」
「よし、俺がやろう」
「モーリス……」
僕が周りにいる人に声をかけたら、スキンヘッドの大きな男性が真っ先に手を上げたよ。
お姉さんが何か呟いたけど、もしかしてお姉さんの知り合いかな?
周りの人もチャーリーさんもターニャさんもシロちゃんを抱いたクリスちゃんも、皆んなで興味深そうに僕達の周りに集まってきたよ。
「回復魔法をやる前に相手に軽く魔力を流すと、相手の体の悪い所が淀みのイメージで返ってきます。お兄さんは健康体だというので、何も無ければ綺麗なイメージが帰ってきます」
「よし、スカラやってくれ」
「はい」
お姉さんは目を閉じて、お兄さんに魔力を流し始めました。
すると、お姉さんがびっくりした表情に変わりました。
「あの、モーリスの足先から淀みが返ってきました……」
「えっ、僕も確認します。あっ、本当だ。シロちゃんも確認して」
お姉さんの一言に加えて僕もおかしいと言ったので、周りがざわざわし始めました。
そして、クリスちゃんの腕の中から飛び出して確認をしていたシロちゃんも同じ結果でした。
でも、この感覚ってどこかで感じた気がするよ。
「あの、お兄さんの指先が全て悪いみたいです。でも、骨折とかじゃなくて爪とかですね」
「水虫だな」
「水虫だろう」
「水虫で間違いないな」
「水虫ね」
「水虫だわ」
「お前ら、揃いも揃って水虫水虫言うな!」
良かった、もっと重病だったらどうしようかと思ったよ。
でも、ここまでいけばもう大丈夫ですね。
「じゃあお姉さん、今度は淀みが良くなるように頭の中で思い描きながら魔法を流して下さい」
「頑張ります」
おお、お姉さんはとても良い顔になったよ。
そして、真剣な表情でお兄さんに回復魔法をかけました。
きっと上手くいくと思ったら、お姉さんの顔が曇っちゃったよ。
「すみません、私の力では治せません……」
「えー! そんなはずはないよ。シロちゃん、お願いね」
ちょっと項垂れているお姉さんに代わって、今度はシロちゃんがお兄さんに聖魔法をかけます。
でも、上手くいかなかったみたいで、シロちゃんもしょんぼりしちゃいました。
「シロちゃんの聖魔法でも駄目だったなんて。よーし、じゃあ回復魔法と聖魔法の合体魔法を使います!」
「「「おおー!」」」
きっとこれなら大丈夫!
だと思ったんですけど……
「すみません、合体魔法でもお兄さんの水虫を治せませんでした。他に悪い所はありません……」
「そ、そうか……」
僕も水虫を治せなくて、お兄さんは微妙な表情をしていました。
うう、やっぱり僕はまだ水虫を治せないんだ……
875
お気に入りに追加
5,426
あなたにおすすめの小説

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」
「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」
「ま、まってくださ……!」
「誰が待つかよバーーーーーカ!」
「そっちは危な……っあ」


聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます
藤なごみ
ファンタジー
※2025年2月中旬にアルファポリス様より第四巻が刊行予定です
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
ある少年は、母親よりネグレクトを受けていた上に住んでいたアパートを追い出されてしまった。
高校進学も出来ずにいたとあるバイト帰りに、酔っ払いに駅のホームから突き飛ばされてしまい、電車にひかれて死んでしまった。
しかしながら再び目を覚ました少年は、見た事もない異世界で赤子として新たに生をうけていた。
だが、赤子ながらに周囲の話を聞く内に、この世界の自分も幼い内に追い出されてしまう事に気づいてしまった。
そんな中、突然見知らぬ金髪の幼女が連れてこられ、一緒に部屋で育てられる事に。
幼女の事を妹として接しながら、この子も一緒に追い出されてしまうことが分かった。
幼い二人で来たる追い出される日に備えます。
基本はお兄ちゃんと妹ちゃんを中心としたストーリーです
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しています
2023/08/30
題名を以下に変更しました
「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきたいと思います」→「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます」
書籍化が決定しました
2023/09/01
アルファポリス社様より9月中旬に刊行予定となります
2023/09/06
アルファポリス様より、9月19日に出荷されます
呱々唄七つ先生の素晴らしいイラストとなっております
2024/3/21
アルファポリス様より第二巻が発売されました
2024/4/24
コミカライズスタートしました
2024/8/12
アルファポリス様から第三巻が八月中旬に刊行予定です
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。