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第三章 コバルトブルーレイク直轄領
第百六十八話 授与式会場の代官邸に到着です
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カラカラカラ。
馬車は街を進んで行きます。
そして、十分もあれば代官邸に到着します。
「わあ、今日は多くの馬車が代官邸に来ているんですね」
「今日は軍の関係者だけでなく、コバルトブルーレイク直轄領に来ている貴族も呼び寄せたのだ。街を救った英雄と、縁を繋ぎたいのもあるだろうね」
えー!
代官邸には、どう見ても二十台を超える馬車があるよ。
そんなに多くの貴族が来るなんて。
ど、どうしよう、緊張してきたよ……
「ははは、集まった貴族は皆良い貴族だ。緊張するかもしれないが、悪い事は無いから安心してくれ」
チャーリーさんが苦笑しながら話しかけてきたけど、偉い人が沢山いるのは事実だし流石に落ち着かないよ。
ぎゅ。
「おにーさま、てをつなげばだいじょーぶ」
と、ここでクリスちゃんが僕の手をギュッと握ってニコッとしました。
クリスちゃんは、僕よりも小さいのに僕の事を気遣ってくれて凄いなあ。
僕もしっかりとしないと。
そんな事を思ったら、僕は自然と落ち着きを取り戻していました。
「クリスも立派になったわね」
なでなで
「えへへ」
そんなちょっとお姉さんっぽいクリスちゃんを、ターニャさんもニコニコしながら頭を撫でていました。
僕達は、一旦応接室に案内されました。
「あれ? 他の貴族の人は応接室にいないんですね」
「この代官邸には、貴族が集まるスペースが他にもある。他の貴族には、今日はそこに集まって貰っているのだよ」
きっとチャーリーさんの事だから、僕に気を使ってくれたのかもしれないね。
そして、応接室にシェファードさんと師団長さんが入ってきました。
「シェファード様、この度は娘の事で大変お世話になりました」
「こちらこそ、クリスティーヌ様を危険な目にあわせてしまい大変申し訳無い。謝罪致します」
おお、ターニャさんとシェファードさんが、お互いに頭をペコペコしているよ。
シェファードさんも不良品のポーションの事件を追っていたし、何もしていなかった訳じゃないもんね。
「それにしても、今日のレオ君はニコニコしているね。何か良い事があったのかな?」
「僕が先生をしているお姉さんが、上手に魔法を放ったんです。初めての先生なので、上手くいってとても嬉しいんです」
師団長さんが僕の機嫌の良さを見抜いてくれたけど、僕が話した内容を聞いて、ちょっと考え込んじゃいました。
「レオ君がそのお姉さんに魔法を教えたのって、いつからかな?」
「えっと、二週間は経ってないです」
「うん、そっか、そうなのか……」
僕がいつもの朝の訓練について話をしたら、師団長さんは更に考え込んじゃったよ。
僕が何かしちゃったのかな?
「レオ君が悪いんじゃないよ。実はね軍でもたまに現れる魔法使いへの訓練をしているのだけど、魔法発動まで一ヶ月はざらにかかるんだ」
えっ!
そんなに魔法発動まで時間がかかるの?
軍なら、僕よりももっと良い訓練がありそうだよ。
「えーっと、僕はいきなり魔法が使えたので、保護されて直ぐに守備隊員の治療をしていました。ナナさんも、凄い魔法使いになれるから魔法発動まで早いのだと思っていました」
「いやいや、レオ君基準で物事を考えると我々の常識が崩れてしまう。確かにその女性は魔法使いの資質があるのかもしれないが、資質を引き出したのは間違いなくレオ君だよ」
な、何だか凄い話になってきちゃったよ。
僕は、あくまでもナナさんが凄い訳で僕が凄い訳では無いと思っていたよ。
「その話は授賞式の後に簡単な立食パーティーが行われるから、その時にまた話を聞くとしよう」
僕がどうしようかとわたわたしちゃっていたら、師団長さんが苦笑しながら後に回してくれました。
思わずシロちゃんと一緒に、ホッと胸を撫で下ろしちゃったよ。
「では、我々は準備があるので、先に行かせて貰おう。おお、そうだ。シロちゃんはレオ君と一緒にはいられないから、クリスが一緒にいてやってくれ」
「はーい」
えー!
応接室に僕一人だけ残るの!
チャーリーさんは僕にニコリとしたけど、僕はとてもビックリしちゃった。
シロちゃんはクリスちゃんと一緒に元気よく触手を上げていたけど、これは絶対に授賞式の主役にならなくて良かったとおもっているなあ。
「おにーさま、がんばってー!」
「うん、頑張るよ……」
クリスちゃんとクリスちゃんに抱かれているシロちゃんが僕に手と触手をふりふりしていたけど、僕の心の中はどんよりです。
結局応接室には、侍従の人と僕の二人だけになっちゃいました。
馬車は街を進んで行きます。
そして、十分もあれば代官邸に到着します。
「わあ、今日は多くの馬車が代官邸に来ているんですね」
「今日は軍の関係者だけでなく、コバルトブルーレイク直轄領に来ている貴族も呼び寄せたのだ。街を救った英雄と、縁を繋ぎたいのもあるだろうね」
えー!
代官邸には、どう見ても二十台を超える馬車があるよ。
そんなに多くの貴族が来るなんて。
ど、どうしよう、緊張してきたよ……
「ははは、集まった貴族は皆良い貴族だ。緊張するかもしれないが、悪い事は無いから安心してくれ」
チャーリーさんが苦笑しながら話しかけてきたけど、偉い人が沢山いるのは事実だし流石に落ち着かないよ。
ぎゅ。
「おにーさま、てをつなげばだいじょーぶ」
と、ここでクリスちゃんが僕の手をギュッと握ってニコッとしました。
クリスちゃんは、僕よりも小さいのに僕の事を気遣ってくれて凄いなあ。
僕もしっかりとしないと。
そんな事を思ったら、僕は自然と落ち着きを取り戻していました。
「クリスも立派になったわね」
なでなで
「えへへ」
そんなちょっとお姉さんっぽいクリスちゃんを、ターニャさんもニコニコしながら頭を撫でていました。
僕達は、一旦応接室に案内されました。
「あれ? 他の貴族の人は応接室にいないんですね」
「この代官邸には、貴族が集まるスペースが他にもある。他の貴族には、今日はそこに集まって貰っているのだよ」
きっとチャーリーさんの事だから、僕に気を使ってくれたのかもしれないね。
そして、応接室にシェファードさんと師団長さんが入ってきました。
「シェファード様、この度は娘の事で大変お世話になりました」
「こちらこそ、クリスティーヌ様を危険な目にあわせてしまい大変申し訳無い。謝罪致します」
おお、ターニャさんとシェファードさんが、お互いに頭をペコペコしているよ。
シェファードさんも不良品のポーションの事件を追っていたし、何もしていなかった訳じゃないもんね。
「それにしても、今日のレオ君はニコニコしているね。何か良い事があったのかな?」
「僕が先生をしているお姉さんが、上手に魔法を放ったんです。初めての先生なので、上手くいってとても嬉しいんです」
師団長さんが僕の機嫌の良さを見抜いてくれたけど、僕が話した内容を聞いて、ちょっと考え込んじゃいました。
「レオ君がそのお姉さんに魔法を教えたのって、いつからかな?」
「えっと、二週間は経ってないです」
「うん、そっか、そうなのか……」
僕がいつもの朝の訓練について話をしたら、師団長さんは更に考え込んじゃったよ。
僕が何かしちゃったのかな?
「レオ君が悪いんじゃないよ。実はね軍でもたまに現れる魔法使いへの訓練をしているのだけど、魔法発動まで一ヶ月はざらにかかるんだ」
えっ!
そんなに魔法発動まで時間がかかるの?
軍なら、僕よりももっと良い訓練がありそうだよ。
「えーっと、僕はいきなり魔法が使えたので、保護されて直ぐに守備隊員の治療をしていました。ナナさんも、凄い魔法使いになれるから魔法発動まで早いのだと思っていました」
「いやいや、レオ君基準で物事を考えると我々の常識が崩れてしまう。確かにその女性は魔法使いの資質があるのかもしれないが、資質を引き出したのは間違いなくレオ君だよ」
な、何だか凄い話になってきちゃったよ。
僕は、あくまでもナナさんが凄い訳で僕が凄い訳では無いと思っていたよ。
「その話は授賞式の後に簡単な立食パーティーが行われるから、その時にまた話を聞くとしよう」
僕がどうしようかとわたわたしちゃっていたら、師団長さんが苦笑しながら後に回してくれました。
思わずシロちゃんと一緒に、ホッと胸を撫で下ろしちゃったよ。
「では、我々は準備があるので、先に行かせて貰おう。おお、そうだ。シロちゃんはレオ君と一緒にはいられないから、クリスが一緒にいてやってくれ」
「はーい」
えー!
応接室に僕一人だけ残るの!
チャーリーさんは僕にニコリとしたけど、僕はとてもビックリしちゃった。
シロちゃんはクリスちゃんと一緒に元気よく触手を上げていたけど、これは絶対に授賞式の主役にならなくて良かったとおもっているなあ。
「おにーさま、がんばってー!」
「うん、頑張るよ……」
クリスちゃんとクリスちゃんに抱かれているシロちゃんが僕に手と触手をふりふりしていたけど、僕の心の中はどんよりです。
結局応接室には、侍従の人と僕の二人だけになっちゃいました。
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