小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第三章 コバルトブルーレイク直轄領

第百五十六話 チャーリーさんの別荘に到着です

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 僕は、朝食後にチャーリーさんの別荘に向かいました。
 クリスちゃんは元気になったかな?
 そんな事を思いながら、僕は別荘に到着します。

「おはようございます」
「レオ君、おはよう。話は聞いているから、中に入ってね」

 別荘の門兵にも挨拶をして、僕は別荘の中に入っていきます。

 ととととと。
 ぽす。

「おっと」
「おにーさま!」

 玄関に入ったら、クリスちゃんが元気良く僕に抱きついてきました。
 今日は寝間着じゃなくて、キチンとしたドレスを着ています。

「クリスちゃん、元気になったね」
「うん!」

 とっても良い笑顔を浮かべるクリスちゃんの頭を撫で撫でしてあげたら、チャーリーさんも顔を見せてきました。

「チャーリーさん、おはようございます」
「レオ君、おはよう。クリスもこの通り元気になったよ」

 チャーリーさんも、クリスちゃんが元気になってとても機嫌が良いみたいです。
 そのまま、僕は応接室に案内されました。

「念の為にクリスちゃんの様子を診てみましたが、もう治療の必要はなさそうです」
「そうか、それは良かった」

 クリスちゃんは、ニコニコとしながらチャーリーさんの隣に座っています。
 さっきクリスちゃんを診たけど、もう何も問題ありません。

「今は急ぎの依頼を受けていませんので、暫くクリスちゃんの様子を見に毎朝伺います」
「そうしてくれると助かる。出来れば、この子の家族が王都から来るまではお願いしたい」

 確か王都からコバルトブルーレイクの街までは、一週間以上はかかるんだよね。
 きっとクリスちゃんも気弱になっているだろうから、僕も顔を出すようにしないと。

「レオ君は、やはりポーション関連の依頼をするつもりかい?」
「はい、暫くはポーションの生産に注力したいと思います。昨日も、出来る限りのポーションを納品しました」
「そっか、それは助かる。周辺の街から過剰分のポーションを仕入れようとしているのだが、どこの街も冒険者の活動が活発になっていて、ポーションの需要が高まっているのだよ」

 寒い冬が終わって、野外で活動する冒険者も増えるもんね。
 こればっかりはどうしようもないし、ポーション作りなら僕が何とかできるもんね。

「しかし、昨日の冒険者ギルドでレオ君が不良冒険者を倒した事が、もう広く広まっているぞ」
「えっ!」
「クリスも、おはなしききたーい!」

 えー!
 もう、昨日の冒険者ギルドでの話が広まっているんですか?
 しかも当事者であるシロちゃんも、ちゃっかりとクリスちゃんに抱かれながら早く話してと触手を叩いているし。

「えーっと、僕が泊まる宿で一緒になった冒険者のお姉さん達がいるんですけど、そのうちの一人に闇属性の魔法の適性があったんです」
「うんうん」
「そうしたら、新人冒険者が闇魔法なんて大した事ないって言ってきたので、僕も怒っちゃいまして。それで、僕とシロちゃんが冒険者二人と模擬戦をする事になったんです」
「そーなんだ!」

 クリスちゃんが目をキラキラと輝かせながら、僕の話を聞いています。
 魔法使いの戦いってだけで、小さな女の子でも興味津々なんだね。

「僕は馬鹿にされた闇魔法で冒険者を翻弄して、最後は激昂した冒険者がシロちゃんに倒されたんだよ。だから、実際に冒険者を倒したのはシロちゃんなんだ」
「そーなんだ、シロちゃんすごいね!」

 クリスちゃんに撫で撫でされて、シロちゃんもご機嫌です。
 そう思っていたら、チャーリーさんが僕に話しかけてきました。

「それで、その冒険者がバーサス子爵に繋がっていたと言うわけか」
「はい、僕に脅しをかける意味で自らバラしていましたが、逆にギルドマスターに拘束されました」
「悪党としては三流以下だな。どうせ構成員としても、下っ端だろうな」

 チャーリーさんも思わず呆れているけど、確かにあの不良冒険者は見た目だけだったね。
 多分だけど、ユリアさんとイリアさんでも圧勝したと思うよ。

「それで、その闇魔法が使える冒険者はどうなったんだ?」
「今朝から、僕と一緒に魔法の訓練を始めました。多分だけど、凄い魔法使いになりますよ」
「おお、そうかそうか。黒髪の魔術師の最初の弟子は、将来有望だな」

 チャーリーさんが嬉しそうに話しているけど、ナナさんは絶対に凄い魔法使いになるよ。
 因みにシロちゃんは友達だから、弟子とは違うんだよ。

「クリスがまほーつかえたら、おにーさまにおしえてもらったのに……」

 クリスちゃんはちょっと不満そうにほっぺを膨らませていたけど、魔法が使える人はとてもすくないから、こればっかりはしょうがないですね。
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