51 / 515
第三章 コバルトブルーレイク直轄領
第百四十六話 コバルトブルーレイク直轄領の代官
しおりを挟む
カラカラカラ。
僕達を乗せた馬車は、急いで代官邸に向かっています。
「今回の件で、代官が何かしたって可能性があるんでしょうか?」
「いや、それはないだろう。この街の代官は、非常に優秀だ。恐らくこの毒が混入したポーションの件で、何かを掴んでいたのだろう」
馬車の中で腕組みをしながら考えているチャーリーさんに話しかけたけど、セルカーク直轄領みたいな代官とは違うんだね。
うーん、何があったか分からないから、実際に代官に会って聞いてみた方が良いですね。
という事で、僕達は代官邸に到着しました。
「マリアージュ侯爵様、お待ちしておりました。執務室にご案内いたします」
代官邸に着くと、直ぐに代官邸で働く職員が出迎えてくれました。
応接室じゃなくて執務室に案内されるって事は、それだけ重要な話なんだね。
コンコン。
「失礼します、マリアージュ侯爵様と黒髪の魔術師殿がお見えになりました」
「入ってくれ」
部屋の中から、渋い声が聞こえてきたよ。
そして、部屋に入るとソファーの所に守備隊長さんとギルドマスターが立っていて、執務机の前には白髪の頭をビシッとオールバックにしたダンディーな初老の男性が立っていました。
「マリアージュ侯爵様、お忙しい中お越しいただき申し訳ありません。また、クリスティーヌ様にもご迷惑をおかけしました」
「いやいや、代官にも苦労をかけるな」
チャーリーさんは、代官さんと笑顔で握手しています。
確かにこの代官さんは、とっても良い感じがするよ。
「初めまして、レオです」
「君が、あの有名な黒髪の魔術師のレオ君だね。私は、このコバルトブルーレイク直轄領の代官をしているシェファードだ。村をゴブリンから救ってくれて、本当にありがとう。いずれ、レオ君とも話をしようと思っていたんだよ」
代官のシェファードさんは、ニコリとしながら僕と握手をしてくれました。
そして、僕達もソファーに座りました。
「実は、薬屋が不正に安くポーションを製造して販売しているという件を把握しておりまして、秘密裏に調査をしておりました。そして、丁度本日私どもも守備隊に本格的な調査を依頼した所でした」
シェファードさんがチャーリーさんに申し訳なく話をしていたけど、あの女の子がポーションを飲んだのは本当にタイミングが悪かったんですね。
次に、守備隊長さんが話を始めました。
「薬屋を強制捜査した所、薬草に適当な草を混ぜてポーションを製造していました。更には、何回も薬草を使い回していたのも確認しました。そして、本日店頭に並んだポーションに毒草が製造過程で混ざっていました。大人なら影響は少ないのですが、クリスティーヌ様の様な子どもが摂取するととても影響が大きくなります」
「そんな、そんな酷い方法でポーションを作っているなんて……」
「レオ君の言う通りです。既に、店主以下従業員も拘束している。クリスティーヌ様の殺人未遂についても、過失が疑われています」
そんな良い加減なポーションを作るなんて、薬屋として失格ですね。
僕の憤りに、守備隊長さんが同意してくれました。
「レオ君が、毒消しポーションで治療できると解明してくれて助かったわ。あの後、冒険者ギルドにもあのポーションを飲んで体調が悪くなったという相談があったのよ」
ギルドマスターも、苦笑しながら話をしてくれました。
ポーションはやっぱり冒険者が使う事が多いから、今回の毒が混入したポーションを購入したのもほぼ冒険者だったんだって。
「そして、薬屋から薬屋と黒幕と言われる貴族との繋がりを示す書類も見つかりました。黒幕は、バーサス子爵です」
「バーサス子爵か。貴族主義の中でも、贅沢主義とまで言われる奴だ。奴なら、こんな馬鹿な事をして平民から金を集めても全く不思議ではないな」
守備隊長さんが事件の黒幕を教えてくれたけど、その貴族の名前を聞いてもチャーリーさんは全く驚きませんでした。
というか、ため息をつきながら呆れていました。
「先程、バーサス子爵が別荘に入ったという連絡が入りました。既に容疑が固まっていますので、この後強制捜査を行います」
「コバルトブルーレイク直轄領で起きた事ですので、代官である私も守備隊に同行します」
「それなら、私も同行しよう。バーサス子爵には、私も一言言わなければ気が済まない」
結局、この場にいる全員がバーサス子爵の別荘に乗り込む事になりました。
僕も含めて、全員がバーサス子爵に対して怒っているもんね。
守備隊も動くそうなので、早速僕達も馬車に乗ってバーサス子爵の別荘に向かいました。
僕達を乗せた馬車は、急いで代官邸に向かっています。
「今回の件で、代官が何かしたって可能性があるんでしょうか?」
「いや、それはないだろう。この街の代官は、非常に優秀だ。恐らくこの毒が混入したポーションの件で、何かを掴んでいたのだろう」
馬車の中で腕組みをしながら考えているチャーリーさんに話しかけたけど、セルカーク直轄領みたいな代官とは違うんだね。
うーん、何があったか分からないから、実際に代官に会って聞いてみた方が良いですね。
という事で、僕達は代官邸に到着しました。
「マリアージュ侯爵様、お待ちしておりました。執務室にご案内いたします」
代官邸に着くと、直ぐに代官邸で働く職員が出迎えてくれました。
応接室じゃなくて執務室に案内されるって事は、それだけ重要な話なんだね。
コンコン。
「失礼します、マリアージュ侯爵様と黒髪の魔術師殿がお見えになりました」
「入ってくれ」
部屋の中から、渋い声が聞こえてきたよ。
そして、部屋に入るとソファーの所に守備隊長さんとギルドマスターが立っていて、執務机の前には白髪の頭をビシッとオールバックにしたダンディーな初老の男性が立っていました。
「マリアージュ侯爵様、お忙しい中お越しいただき申し訳ありません。また、クリスティーヌ様にもご迷惑をおかけしました」
「いやいや、代官にも苦労をかけるな」
チャーリーさんは、代官さんと笑顔で握手しています。
確かにこの代官さんは、とっても良い感じがするよ。
「初めまして、レオです」
「君が、あの有名な黒髪の魔術師のレオ君だね。私は、このコバルトブルーレイク直轄領の代官をしているシェファードだ。村をゴブリンから救ってくれて、本当にありがとう。いずれ、レオ君とも話をしようと思っていたんだよ」
代官のシェファードさんは、ニコリとしながら僕と握手をしてくれました。
そして、僕達もソファーに座りました。
「実は、薬屋が不正に安くポーションを製造して販売しているという件を把握しておりまして、秘密裏に調査をしておりました。そして、丁度本日私どもも守備隊に本格的な調査を依頼した所でした」
シェファードさんがチャーリーさんに申し訳なく話をしていたけど、あの女の子がポーションを飲んだのは本当にタイミングが悪かったんですね。
次に、守備隊長さんが話を始めました。
「薬屋を強制捜査した所、薬草に適当な草を混ぜてポーションを製造していました。更には、何回も薬草を使い回していたのも確認しました。そして、本日店頭に並んだポーションに毒草が製造過程で混ざっていました。大人なら影響は少ないのですが、クリスティーヌ様の様な子どもが摂取するととても影響が大きくなります」
「そんな、そんな酷い方法でポーションを作っているなんて……」
「レオ君の言う通りです。既に、店主以下従業員も拘束している。クリスティーヌ様の殺人未遂についても、過失が疑われています」
そんな良い加減なポーションを作るなんて、薬屋として失格ですね。
僕の憤りに、守備隊長さんが同意してくれました。
「レオ君が、毒消しポーションで治療できると解明してくれて助かったわ。あの後、冒険者ギルドにもあのポーションを飲んで体調が悪くなったという相談があったのよ」
ギルドマスターも、苦笑しながら話をしてくれました。
ポーションはやっぱり冒険者が使う事が多いから、今回の毒が混入したポーションを購入したのもほぼ冒険者だったんだって。
「そして、薬屋から薬屋と黒幕と言われる貴族との繋がりを示す書類も見つかりました。黒幕は、バーサス子爵です」
「バーサス子爵か。貴族主義の中でも、贅沢主義とまで言われる奴だ。奴なら、こんな馬鹿な事をして平民から金を集めても全く不思議ではないな」
守備隊長さんが事件の黒幕を教えてくれたけど、その貴族の名前を聞いてもチャーリーさんは全く驚きませんでした。
というか、ため息をつきながら呆れていました。
「先程、バーサス子爵が別荘に入ったという連絡が入りました。既に容疑が固まっていますので、この後強制捜査を行います」
「コバルトブルーレイク直轄領で起きた事ですので、代官である私も守備隊に同行します」
「それなら、私も同行しよう。バーサス子爵には、私も一言言わなければ気が済まない」
結局、この場にいる全員がバーサス子爵の別荘に乗り込む事になりました。
僕も含めて、全員がバーサス子爵に対して怒っているもんね。
守備隊も動くそうなので、早速僕達も馬車に乗ってバーサス子爵の別荘に向かいました。
854
お気に入りに追加
5,454
あなたにおすすめの小説
5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。