49 / 584
第三章 コバルトブルーレイク直轄領
第百四十四話 次期宰相候補?
しおりを挟む
すると、中年男性が話し始めました。
「守備隊を呼ぼう。あと、例の薬屋からポーションを何本か購入する様に。私達は応接室に移動しよう」
「畏まりました。直ぐに手配いたします」
涙目だった侍従さんも、直ぐに動いてくれました。
この場はこの部屋にいる侍従さんにお任せして、僕達は応接室に移動しました。
「レオ君、クリスの治療をしてくれてありがとう。過去の事例があったとはいえ、的確な治療だったよ」
応接室についてちょっと一息着くと、中年男性が僕にお礼を言ってきました。
僕も、女の子を無事に助けられて良かったと思っているよ。
「自己紹介がまだだったな。私は、マリアージュ侯爵家当主のチャーリーだ。あの子は、フランソワーズ公爵家のクリスティーヌだ。実は私の娘がフランソワーズ公爵家に嫁いでいてな、その縁で今回クリスと一緒に別荘に来たのだよ」
おお、まさか目の前にいた中年男性がマリアージュ侯爵家の当主だったとは。
でも、ちょっと白髪交じりの茶髪を綺麗に揃えているし、本当に人の良い感じだね。
「改めまして、僕はレオです。僕の頭に乗っているのが、シロちゃんです。あと、貴族で何かがあったら、このコインを見せてって言われました」
「ふむ、このコインはアマード子爵家の物だね。王城で、アマード子爵から君の事を聞いていたよ。小さいのに凄腕の魔法使いと言っていたが、確かに噂に違いない凄腕の魔法使いだ」
チャーリーさんはしげしげとコインを見つめた後、僕にコインを返してくれました。
チャーリーさんは少し面白そうに王城での話をしてくれたけど、ウィリアムさんは王城でどんな話をしたのだろうか。
「しかし、ここにギルドマスターが居てくれて助かった。間違いなく、大きな話になりそうだ」
「ご配慮恐れ入ります。私にできるのであれば、遠慮なく申して下さい」
チャーリーさんの言葉に、ギルドマスターが恭しく挨拶をしているよ。
チャーリーさんって、実はとっても凄い人じゃ……
すると、おかしな顔をしている僕に、ギルドマスターがニコリとして話しかけてくれました。
「レオ君、マリアージュ卿は次期宰相の有力候補って言われているのよ」
「ええー! 大変失礼しました。チャーリー様?」
「ははは、さん付けで良いよ。君みたいな小さな子どもに、様を付けられるはちょっとね」
ほっ、チャーリーさんがとても良い人で良かったよ。
僕が胸を撫で下ろしていると、部屋に入ってくる人がいました。
コンコン。
「失礼します。守備隊長様がお見えになりました。また、ポーションの購入も完了しております」
「そうか、入ってくれ」
「失礼します」
おお、金髪の短髪をビシッと決めたイケメンが、二人の部下を連れて部屋の中に入ってきたよ。
この人が、コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長さんなんだね。
「コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長マックスで御座います」
「うむ、マリアージュ侯爵家のチャーリーだ。忙しい所悪いが、大至急の件が起きた。座ってくれ」
「失礼します」
マックスさんが席に座ると、僕達の目の前に新たに購入したポーションが並べられました。
僕はササッと鑑定をして、チャーリーさんに頷きました。
チャーリーさんも僕に頷いてから、マックスさんに話を始めました。
「要件は、街の薬屋で売られていたポーションに毒が混入していた事だ。ここに先程購入したポーションがあるが、この中にも毒が入っている」
「なっ、何という事か……」
「フランソワーズ公爵家のクリスティーヌが薬屋で購入したポーションを飲んだ所体調が急変してな、そこにおる黒髪の魔術師のレオ君がたまたま冒険者ギルドにいたお陰で何とかなった」
「この度は、街の者の作ったポーションでこの様な事が起きてしまい、大変申し訳ありません」
守備隊長さんがチャーリーさんに謝っているけど、守備隊長さんも寝耳に水だったよね。
あっ、ついでにあの事も話をしようっと。
「守備隊長さん。村で会った冒険者から聞いたんだけど、この街の薬屋さんの作ったポーションはとっても効き目が悪いって言っていたよ」
「レオ君、ありがとう。その話を聞く限り、以前からおかしかったみたいだね。一人急ぎで戻って、直ぐに捜査を始めてくれ」
「はっ、私が戻ります」
若者の守備隊員が、敬礼してから急いで部屋を出ていったよ。
確かに、とっても大事だもんね。
「間違いなく、今回の件はバックに誰かがついている。恐らく、貴族主義の誰かだろう」
「もしかして、お金儲けの為に劣悪なポーションを作ったのですか?」
「そうだ。奴らは、平民なんぞ何とも思っていない。たが、たまたまだがクリスの件があったのだ」
確かに、こんなにリスクのある事は普通はしないよね。
薬屋さんでお手伝いした事のある僕としては、今回の事は許せないよ。
「守備隊を呼ぼう。あと、例の薬屋からポーションを何本か購入する様に。私達は応接室に移動しよう」
「畏まりました。直ぐに手配いたします」
涙目だった侍従さんも、直ぐに動いてくれました。
この場はこの部屋にいる侍従さんにお任せして、僕達は応接室に移動しました。
「レオ君、クリスの治療をしてくれてありがとう。過去の事例があったとはいえ、的確な治療だったよ」
応接室についてちょっと一息着くと、中年男性が僕にお礼を言ってきました。
僕も、女の子を無事に助けられて良かったと思っているよ。
「自己紹介がまだだったな。私は、マリアージュ侯爵家当主のチャーリーだ。あの子は、フランソワーズ公爵家のクリスティーヌだ。実は私の娘がフランソワーズ公爵家に嫁いでいてな、その縁で今回クリスと一緒に別荘に来たのだよ」
おお、まさか目の前にいた中年男性がマリアージュ侯爵家の当主だったとは。
でも、ちょっと白髪交じりの茶髪を綺麗に揃えているし、本当に人の良い感じだね。
「改めまして、僕はレオです。僕の頭に乗っているのが、シロちゃんです。あと、貴族で何かがあったら、このコインを見せてって言われました」
「ふむ、このコインはアマード子爵家の物だね。王城で、アマード子爵から君の事を聞いていたよ。小さいのに凄腕の魔法使いと言っていたが、確かに噂に違いない凄腕の魔法使いだ」
チャーリーさんはしげしげとコインを見つめた後、僕にコインを返してくれました。
チャーリーさんは少し面白そうに王城での話をしてくれたけど、ウィリアムさんは王城でどんな話をしたのだろうか。
「しかし、ここにギルドマスターが居てくれて助かった。間違いなく、大きな話になりそうだ」
「ご配慮恐れ入ります。私にできるのであれば、遠慮なく申して下さい」
チャーリーさんの言葉に、ギルドマスターが恭しく挨拶をしているよ。
チャーリーさんって、実はとっても凄い人じゃ……
すると、おかしな顔をしている僕に、ギルドマスターがニコリとして話しかけてくれました。
「レオ君、マリアージュ卿は次期宰相の有力候補って言われているのよ」
「ええー! 大変失礼しました。チャーリー様?」
「ははは、さん付けで良いよ。君みたいな小さな子どもに、様を付けられるはちょっとね」
ほっ、チャーリーさんがとても良い人で良かったよ。
僕が胸を撫で下ろしていると、部屋に入ってくる人がいました。
コンコン。
「失礼します。守備隊長様がお見えになりました。また、ポーションの購入も完了しております」
「そうか、入ってくれ」
「失礼します」
おお、金髪の短髪をビシッと決めたイケメンが、二人の部下を連れて部屋の中に入ってきたよ。
この人が、コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長さんなんだね。
「コバルトブルーレイク直轄領の守備隊長マックスで御座います」
「うむ、マリアージュ侯爵家のチャーリーだ。忙しい所悪いが、大至急の件が起きた。座ってくれ」
「失礼します」
マックスさんが席に座ると、僕達の目の前に新たに購入したポーションが並べられました。
僕はササッと鑑定をして、チャーリーさんに頷きました。
チャーリーさんも僕に頷いてから、マックスさんに話を始めました。
「要件は、街の薬屋で売られていたポーションに毒が混入していた事だ。ここに先程購入したポーションがあるが、この中にも毒が入っている」
「なっ、何という事か……」
「フランソワーズ公爵家のクリスティーヌが薬屋で購入したポーションを飲んだ所体調が急変してな、そこにおる黒髪の魔術師のレオ君がたまたま冒険者ギルドにいたお陰で何とかなった」
「この度は、街の者の作ったポーションでこの様な事が起きてしまい、大変申し訳ありません」
守備隊長さんがチャーリーさんに謝っているけど、守備隊長さんも寝耳に水だったよね。
あっ、ついでにあの事も話をしようっと。
「守備隊長さん。村で会った冒険者から聞いたんだけど、この街の薬屋さんの作ったポーションはとっても効き目が悪いって言っていたよ」
「レオ君、ありがとう。その話を聞く限り、以前からおかしかったみたいだね。一人急ぎで戻って、直ぐに捜査を始めてくれ」
「はっ、私が戻ります」
若者の守備隊員が、敬礼してから急いで部屋を出ていったよ。
確かに、とっても大事だもんね。
「間違いなく、今回の件はバックに誰かがついている。恐らく、貴族主義の誰かだろう」
「もしかして、お金儲けの為に劣悪なポーションを作ったのですか?」
「そうだ。奴らは、平民なんぞ何とも思っていない。たが、たまたまだがクリスの件があったのだ」
確かに、こんなにリスクのある事は普通はしないよね。
薬屋さんでお手伝いした事のある僕としては、今回の事は許せないよ。
934
お気に入りに追加
5,426
あなたにおすすめの小説

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」
「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」
「ま、まってくださ……!」
「誰が待つかよバーーーーーカ!」
「そっちは危な……っあ」


聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます
藤なごみ
ファンタジー
※2025年2月中旬にアルファポリス様より第四巻が刊行予定です
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
ある少年は、母親よりネグレクトを受けていた上に住んでいたアパートを追い出されてしまった。
高校進学も出来ずにいたとあるバイト帰りに、酔っ払いに駅のホームから突き飛ばされてしまい、電車にひかれて死んでしまった。
しかしながら再び目を覚ました少年は、見た事もない異世界で赤子として新たに生をうけていた。
だが、赤子ながらに周囲の話を聞く内に、この世界の自分も幼い内に追い出されてしまう事に気づいてしまった。
そんな中、突然見知らぬ金髪の幼女が連れてこられ、一緒に部屋で育てられる事に。
幼女の事を妹として接しながら、この子も一緒に追い出されてしまうことが分かった。
幼い二人で来たる追い出される日に備えます。
基本はお兄ちゃんと妹ちゃんを中心としたストーリーです
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しています
2023/08/30
題名を以下に変更しました
「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきたいと思います」→「転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます」
書籍化が決定しました
2023/09/01
アルファポリス社様より9月中旬に刊行予定となります
2023/09/06
アルファポリス様より、9月19日に出荷されます
呱々唄七つ先生の素晴らしいイラストとなっております
2024/3/21
アルファポリス様より第二巻が発売されました
2024/4/24
コミカライズスタートしました
2024/8/12
アルファポリス様から第三巻が八月中旬に刊行予定です
2024年10月下旬にコミック第一巻刊行予定です
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。