小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第三章 コバルトブルーレイク直轄領

第百三十八話 戦い終えたゴブリンの後始末

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「うーん、うん? ここは、どこだろう?」

 僕は、簡易的なベッドの置かれている部屋で目を覚ましました。
 首から下げてある懐中時計型の魔導具は、もう少しでお昼になる時間をさしていました。
 うーん、ここはどこだろう?
 ユリアさんとイリアさんもいないし、シロちゃんもいないよ。
 とりあえず部屋から出よう。

「よっと」

 僕はベッドから降りて、部屋の外に出ました。

 ガチャ。
 ざわざわざわ。

「あっ、ここは冒険者ギルドだったんだ。という事は、僕が寝ていたのは医務室なんだね」

 冒険者が沢山ざわざわとしているけど、見たことのある場所で良かったなあ。
 僕がキョロキョロとしていると、受付のお姉さんが僕が起きた事に気がついたみたいです。
 受付から僕の所までやってきました。

「レオ君、もう起きて大丈夫なの? 体はおかしくない?」
「まだ体がダルいですけど、魔力も少し回復しました」
「そう、良かったわ」

 受付のお姉さんは、膝をついて僕と同じ目線で話をしてくれました。
 
 ぐー。

「あっ、お腹がなっちゃった。そういえば、朝から何も食べてなかったよ」
「ふふ、元気になった証拠ね」

 うう、ちょっと恥ずかしくなっちゃった。
 僕は受付の椅子に座って、魔法袋から朝食用のパンを取り出してもぞもぞと食べました。

「もぐもぐ、他の人はどうしていますか?」
「主にゴブリンの死骸の処理をしているわ。怪我人もレオ君がくれたポーションのお陰で良くなったし、休む必要のある人は教会の医療施設に運ばれたわ」

 あっ、そっか。
 沢山のゴブリンを倒したから、処理をしないとオオカミとかがやってきちゃうもんね。
 それに、何となく覚えているけど、ポーションも上手く効いたみたいですね。
 僕はパンを食べ終えると、冒険者ギルドから防壁の門の所に移動しました。

「うわあ、凄い量のゴブリンだ」

 僕は防壁の門の前まで行って、改めて見てビックリしました。
 夢中でゴブリンと戦っていたから気にする余裕がなかったけど、本当に沢山のゴブリンが襲ってきたんだね。
 そう思っていたら、ユリアさんとイリアさんが僕に気がついて駆け寄ってきました。

「レオ君じゃない。体は大丈夫?」
「大丈夫です。パンも食べたし、ちょっと良くなりました」
「そう、それは良かったわ。魔力切れってのは分かっていたけど、流石に心配したわ」

 ユリアさんとイリアさんも、思わずホッとしてくれました。
 そして、大量のゴブリンがいる先で、シロちゃんが要らない所をドンドンと吸収していってました。
 シロちゃんは体が小さいのに、沢山のゴブリンを一気に吸収するから本当に凄いよね。

「シロちゃん、お疲れ様。お仕事頑張ってね」

 シロちゃんは僕に触手をふりふりとしたら、ゴブリンを吸収する作業を再開しました。
 冒険者や守備隊の人が耳や魔石などを取り出して、シロちゃんの所に持って行っているんだね。
 今度は、守備隊の人が僕に近づいてきました。

「レオ君、体調は大丈夫かい?」
「もう大丈夫ですよ」
「そっか。レオ君に頼らない対応を考えていたが、結局はレオ君におんぶに抱っこだった。本当に助かったよ」

 守備隊の人が僕に感謝の言葉を言ってくれたけど、僕としても村の人を守れてホッとしているんだ。
 すると、守備隊の人はゴブリンキングを指さしていました。

「レオ君、済まないがゴブリンキングを魔法袋に入れてコバルトブルーレイクの街にある冒険者ギルドに卸してくれないか? この村の設備では、ゴブリンジェネラルは何とか出来てもゴブリンキングは処理出来ないんだよ」

 この村は比較的大きいけど、流石にゴブリンキングの処理は無理なんだね。
 僕は守備隊の人に頷いてから、ゴブリンキングの所に行って魔法袋に収納しました。

「レオ君、夜にゴブリン討伐の祝賀会をやる事になったんだ。是非参加して欲しいけど、レオ君はもう少し休んだ方が良いね」
「僕も勿論参加します。じゃあ、僕は宿に戻ってお昼寝してきます」

 ゴブリンの処理で、僕ができる事はもう無いもんね。
 僕はユリアさんとイリアさんとシロちゃんに宿に戻る事を告げて、宿に向かいました。

「色々とあったけど、何とかなって良かったなあ」

 僕はちょっと回復した魔力を使って、服とかを綺麗にしてからベッドに潜り込みました。
 祝賀会ってどんなのかなって思いながら、僕は眠りにつきました。
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