小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第三章 コバルトブルーレイク直轄領

第百三十五話 守備隊から冒険者への依頼

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「疲れている所、申し訳ない。守備隊から冒険者に依頼がある」

 僕達の他にも冒険者が集まった所で、守備隊の人が話し始めました。
 守備隊との話は、そのまま冒険者ギルドで行います。

「ほぼ間違いなく、ゴブリンの巣がある事が確認された。しかも、場所はこの村から馬車で数分の所にあった」

 えー!
 村からそんなに近い所に、ゴブリンの巣があったんだ。
 これには、集まった冒険者も思わずビックリです。

「このままでは、コバルトブルーレイクに向かうにせよアマード子爵領に向かうにせよ、大量のゴブリンが襲ってくる危険性がかなり高い。そこで、ここにいる戦力でゴブリンの巣を駆逐する事になった。国からの正式な命令書も発行された」

 集まった人は、マジかよーって声を上げています。
 でも、話をしている人は残念そうな表情をしながらも、一枚の紙を僕達に見せていました。
 前にセルカーク直轄領で守備隊長さんが王都に魔導具を使って連絡をしていたけど、今回も同じなのかもしれないね。
 命令書がある事は、即ち強制参加を意味するらしいです。

「幸いな事に、あの黒髪の魔導師がここにいる。治療の手立てはあるとみて良いだろう」
「「「おおー!」」」

 うう、色んな人の視線が僕に集まっています。
 でも、怪我人が出たら頑張って治療しないと。
 僕はシロちゃんと共に、ふんすってやる気をみせたよ。

「ちょっと質問だ。それは、レオを森の中に連れて行くという事か? まだ幼い子どもに、森の中を歩かせるのはかなり危険じゃないか?」
「基本的に、レオ君には村で待機して貰う。治療の手を失うリスクの方が、我々にとっては痛いからな」

 冒険者の人が質問してくれたけど、確かに僕はまだ小さいから森の中を歩くのは大変ですね。
 皆には申し訳ないけど、僕は村で待機させて貰おう。
 他の人も、うんうんと納得してくれたよ。

「詳しい事は、明日朝説明する。今日はゆっくりと休んでくれ」

 守備隊との話は、これで終わりです。
 僕達も今夜泊まる宿に行って、しっかりと休む事にしました。

「なんか、大変な事になっちゃいましたね」
「とはいえ、ゴブリンの巣ができるのは珍しい事ではない。今年の冬は暖かかったから、エサに困らなかったんだな」
「後は、どの規模の巣があるかだ。今日だけでゴブリンを百匹は倒したから、五百は最低でもいるだろう」

 宿にある食堂で夕食を食べながら、皆で話し合います。
 五百匹もゴブリンがいるなんて、とっても大変な事だね。
 ゴブリンを討伐するには、沢山の人の力が必要になるね。

「何れにせよ、明日の朝が勝負よ。今日も沢山動いたから、ゆっくりと休まないとね」
「一日位予定がずれるのは、旅をすれば良くある事よ。焦らないで、眼の前の事に対処しましょうね」

 ユリアさんとイリアさんがしめて、夕食は終わりました。
 因みに、冒険者もお酒は二杯で止めていました。

「無事にゴブリンの巣の討伐が終われば良いですね」
「レオ君頼みの戦いにはしたくないけど、どうしてもレオ君がキーポイントになるわ」
「私達も、出来るだけレオ君に無理をさせない様にするわ」

 ベッドに入りながら、僕はユリアさんとイリアさんとお話をしました。
 今までに無い危機が迫っているのもあるから、ちょっと緊張しちゃうね。
 でも、日中魔法を沢山使ったからか、僕はあっという間に眠くなっちゃいました。
 いつもよりちょっと早いけど、僕は夢の中へと行きました。
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