小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ

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第三章 コバルトブルーレイク直轄領

第百三十話 今夜はご褒美です

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 その後は襲撃もなく、無事に男爵領の領都に到着です。
 もう一回オオカミの襲撃があったけど、今度は酔から覚めた冒険者が難なく倒していました。

「いやあ、シロのお陰で血抜きが楽だったな」
「流石はスライムって感じだな」

 冒険者から褒められて、シロちゃんは体を揺らしながらとってもご機嫌です。
 シロちゃんは本当に凄くて、倒したオオカミの血や内臓だけを綺麗に吸収してくれました。
 お陰で血抜きの手間が大幅に短縮できて、皆でシロちゃんを褒めていました。

「おっと、ここだな」

 僕達は、皆で男爵領の冒険者ギルドに向かいます。
 道中倒したオオカミを、冒険者ギルドに卸す為です。
 男爵領でオオカミを倒したから、出来るだけ男爵領で卸した方が良いんだって。

「おお、ここまで完璧な血抜きは初めて見たな。一体誰がやったんだ?」

 担当の職員もビックリする程、オオカミは血抜きがされていました。
 全員が、僕の手の上にいるシロちゃんを指さしていました。
 シロちゃんも、意気揚々と触手を上げていました。

「ははは、スライムを仲間にしたのか。そりゃ、血抜きは完璧に出来るだろうな」

 職員の人にも褒められて、シロは触手をふりふりとしていました。
 取引金額も良いものになって、皆ホクホクです。

「よっしゃ。今日の宿代と夕食代は豪勢に行けるな」

 今日は皆で同じ宿に泊まるんだけど、お風呂付きの良い宿に泊まる事にしました。
 部屋を取って、早速お風呂に向かいます。
 あっ、ちゃんと僕とユリアさんとイリアさんは同じ部屋で、他の人は別の部屋ですよ。

「やっぱりお風呂は気持ちいいわね」
「そうね。これも、道中オオカミを倒したおかげだね」
「はふぅ……」

 他のお客さんもお風呂に入っている中、僕は湯船の中に入って極楽です。
 シロちゃんも、僕の頭の上に乗ってとってもご機嫌です。
 昨日は生活魔法で体を綺麗にしただけだったから、やっぱりお風呂に入るととても気持ち良いですね。

「わあ、豪華な料理だ!」
「こういうのも、旅の醍醐味だな」

 お風呂に入って皆で食堂に行くと、豪華な料理がテーブルの上に並んでいました。
 アマード子爵邸でも豪華な料理を食べた事があるけど、ここの料理もとっても凄いよ。

「おいしー! お肉も柔らかくて、とっても食べやすいです!」
「ふふ、レオ君も料理に夢中になっているわね」
「可愛いわね」

 僕も思わず夢中になる程、とっても美味しい料理でした。
 今回良い宿に泊まれた貢献度が一番のシロちゃんにも、美味しいお肉を分けてあげます。
 シロちゃんも、美味しいお肉にご満悦です。

「かあ、今日の酒は美味いなあ」
「でも、飲み過ぎないで下さいね。今朝みたいな事になったら大変です」
「はは、流石に分かっているよ。あと二杯で止めるぞ」

 それにしても、冒険者ってお酒が大好きなんだね。
 ユリアさんとイリアさんはお酒を飲まないけど、僕達の周りにいる人もお酒をグビグビと飲んでいます。
 僕にはお酒が美味しいかどうか、まだ分からないもんね。

「うーん、やっぱりお風呂に入ると疲れが取れるね」
「そうね。そう考えると、道中現れる動物や魔物も良いものよね」

 就寝の準備をしていると、ユリアさんとイリアさんが道中の事を話していました。
 確かにオオカミを最初見た時はちょっとビビっちゃったけど、結果的には良い事に繋がったもんね。
 シロちゃんともお友達になれたし、今日は良い事がいっぱいあったね。
 明日は、一体どんな旅になるのかな?
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