21 / 21
第一章 新人冒険者
第二十一話 ちょっとオーバーキル
しおりを挟む
私は、魔法袋から薬草採取に使うカゴを取り出しました。
このカゴは、魔法袋に最初から入っていた物です。
初めての薬草採取だからどのくらい採れるか全く分からないけど、もし沢山薬草が採れたら別の何かに入れておこう。
さっそく薬草採取を始めます。
「えーっと、冒険者登録をした時に貰った冊子にも薬草の事が書いてあったっけ」
冊子を片手に、グミちゃんにも見てもらいながら薬草を探し始めました。
そして、薬草を探し始めてから五分後。
「あっ、あった! 葉の後ろに毛があるし、ちょっと独特な匂いがするよ」
グミちゃんも薬草で間違いないと言ってくれたので、私は周囲にある薬草の葉を摘み取ります。
一回見つけるとどんなところに薬草があるかが何となく分かったので、そこを中心に薬草を探していきます。
おかげさまで、三十分もすればそこそこの量の薬草を採る事ができました。
ここで、私は森からの気配を感じていました。
「さっきから、私の様子をずっと伺っているね。戦闘は避けられなさそうだよ」
視線に混じって、殺気も飛んできています。
グミちゃんも森に視線を向けているし、私は戦闘態勢を取りました。
ガサガサ、ガサガサ。
「「「ブフゥ!」」」
森の中から、数頭の気配が私に向けて一気に突っ込んできました。
突っ込んできたのは、大きさは中型犬くらいだけど大きな牙を蓄えたイノシシ三頭でした。
不意打ちでこの突進を受けたら大怪我をするだろうけど、予測していれば幾らでも対応できます。
「ふっ、せい!」
シュッ、ドカッ!
「ブヒィ!」
ズサッ。
私はサイドステップでイノシシの突進を避けつつ、右足でイノシシの足を払います。
一頭のイノシシが、勢いあまって地面を滑っていきました。
どうも前足を怪我したらしく、イノシシはまともに動けなくなりました。
ドドドド。
「「ブヒー!」」
仲間が一頭行動不能になっても、イノシシは私に突っ込んできます。
それでも、イノシシは直線的な動きしかできないので、私はそのまま迎え撃ちます。
「やあ!」
シュッ、バキン!
ズササ。
私は、ちょっとイノシシを避けつつ横っ面に右の回し蹴りを一閃しました。
イノシシの突進に私の回し蹴りがカウンター気味に入ったので、イノシシは声をあげることもなく一発で昏倒しました。
「えい!」
ブオン、ドカッ!
更に、今度は右足を軸にして左の回し蹴りをイノシシにくらわします。
これまたイノシシの突進速度にカウンター気味に回し蹴りを打ち込んだので、イノシシはその場に崩れ落ちました。
どうやら、二頭のイノシシは私の回し蹴りを受けて絶命したようです。
私の足には特にダメージはなかったので、どう考えても前世よりも身体能力が向上しているみたいです。
そして、私は前足を怪我して動けなくなったイノシシに近づきました。
「ブ、ブヒィ!」
「これも私を狙ったからだよ。ゴメンね」
シュイーン。
私は、右手に魔力を溜めました。
ここは、確実に魔法でトドメを刺します。
「ふっ、やあ!」
ズドーーーン。
私は、イノシシ目掛けて魔法を放ちました。
上手く魔法がイノシシに命中したけど、イノシシはとっても人前には見せられない姿になってしまいました。
「うわあ、イノシシの頭がぐちゃぐちゃになっちゃった……」
派手な土煙をあげたと思ったら、私の聖魔法の直撃を受けたイノシシの頭部がそれは凄い事になってしまった。
明らかに、オーバーキルだよね。
すると、私の戦いぶりを見ていたグミちゃんがアドバイスをしてくれました。
「えっ、魔法を刃の様にして放てば簡単にトドメをさせると。うん、もっと魔法の訓練をしないといけないなあ」
グミちゃんは、私が回し蹴りで倒したイノシシ二頭の頭部を風魔法を使って切り落としていました。
グミちゃんは、本当に魔法が上手です。
私ももっと頑張らないと、私の肩からぴょんと飛び降りてイノシシの血抜きをするグミちゃんを見ながら痛感しました。
ともあれ、この世界に来て初めての動物との戦闘をクリアした事になります。
でも、まだ森の中からの視線を感じるから、このあとも警戒しながら薬草採取を続けないと。
このカゴは、魔法袋に最初から入っていた物です。
初めての薬草採取だからどのくらい採れるか全く分からないけど、もし沢山薬草が採れたら別の何かに入れておこう。
さっそく薬草採取を始めます。
「えーっと、冒険者登録をした時に貰った冊子にも薬草の事が書いてあったっけ」
冊子を片手に、グミちゃんにも見てもらいながら薬草を探し始めました。
そして、薬草を探し始めてから五分後。
「あっ、あった! 葉の後ろに毛があるし、ちょっと独特な匂いがするよ」
グミちゃんも薬草で間違いないと言ってくれたので、私は周囲にある薬草の葉を摘み取ります。
一回見つけるとどんなところに薬草があるかが何となく分かったので、そこを中心に薬草を探していきます。
おかげさまで、三十分もすればそこそこの量の薬草を採る事ができました。
ここで、私は森からの気配を感じていました。
「さっきから、私の様子をずっと伺っているね。戦闘は避けられなさそうだよ」
視線に混じって、殺気も飛んできています。
グミちゃんも森に視線を向けているし、私は戦闘態勢を取りました。
ガサガサ、ガサガサ。
「「「ブフゥ!」」」
森の中から、数頭の気配が私に向けて一気に突っ込んできました。
突っ込んできたのは、大きさは中型犬くらいだけど大きな牙を蓄えたイノシシ三頭でした。
不意打ちでこの突進を受けたら大怪我をするだろうけど、予測していれば幾らでも対応できます。
「ふっ、せい!」
シュッ、ドカッ!
「ブヒィ!」
ズサッ。
私はサイドステップでイノシシの突進を避けつつ、右足でイノシシの足を払います。
一頭のイノシシが、勢いあまって地面を滑っていきました。
どうも前足を怪我したらしく、イノシシはまともに動けなくなりました。
ドドドド。
「「ブヒー!」」
仲間が一頭行動不能になっても、イノシシは私に突っ込んできます。
それでも、イノシシは直線的な動きしかできないので、私はそのまま迎え撃ちます。
「やあ!」
シュッ、バキン!
ズササ。
私は、ちょっとイノシシを避けつつ横っ面に右の回し蹴りを一閃しました。
イノシシの突進に私の回し蹴りがカウンター気味に入ったので、イノシシは声をあげることもなく一発で昏倒しました。
「えい!」
ブオン、ドカッ!
更に、今度は右足を軸にして左の回し蹴りをイノシシにくらわします。
これまたイノシシの突進速度にカウンター気味に回し蹴りを打ち込んだので、イノシシはその場に崩れ落ちました。
どうやら、二頭のイノシシは私の回し蹴りを受けて絶命したようです。
私の足には特にダメージはなかったので、どう考えても前世よりも身体能力が向上しているみたいです。
そして、私は前足を怪我して動けなくなったイノシシに近づきました。
「ブ、ブヒィ!」
「これも私を狙ったからだよ。ゴメンね」
シュイーン。
私は、右手に魔力を溜めました。
ここは、確実に魔法でトドメを刺します。
「ふっ、やあ!」
ズドーーーン。
私は、イノシシ目掛けて魔法を放ちました。
上手く魔法がイノシシに命中したけど、イノシシはとっても人前には見せられない姿になってしまいました。
「うわあ、イノシシの頭がぐちゃぐちゃになっちゃった……」
派手な土煙をあげたと思ったら、私の聖魔法の直撃を受けたイノシシの頭部がそれは凄い事になってしまった。
明らかに、オーバーキルだよね。
すると、私の戦いぶりを見ていたグミちゃんがアドバイスをしてくれました。
「えっ、魔法を刃の様にして放てば簡単にトドメをさせると。うん、もっと魔法の訓練をしないといけないなあ」
グミちゃんは、私が回し蹴りで倒したイノシシ二頭の頭部を風魔法を使って切り落としていました。
グミちゃんは、本当に魔法が上手です。
私ももっと頑張らないと、私の肩からぴょんと飛び降りてイノシシの血抜きをするグミちゃんを見ながら痛感しました。
ともあれ、この世界に来て初めての動物との戦闘をクリアした事になります。
でも、まだ森の中からの視線を感じるから、このあとも警戒しながら薬草採取を続けないと。
73
お気に入りに追加
43
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
生活魔法しか使えない少年、浄化(クリーン)を極めて無双します(仮)(習作3)
田中寿郎
ファンタジー
壁しか見えない街(城郭都市)の中は嫌いだ。孤児院でイジメに遭い、無実の罪を着せられた幼い少年は、街を抜け出し、一人森の中で生きる事を選んだ。武器は生活魔法の浄化(クリーン)と乾燥(ドライ)。浄化と乾燥だけでも極めれば結構役に立ちますよ?
コメントはたまに気まぐれに返す事がありますが、全レスは致しません。悪しからずご了承願います。
(あと、敬語が使えない呪いに掛かっているので言葉遣いに粗いところがあってもご容赦をw)
台本風(セリフの前に名前が入る)です、これに関しては助言は無用です、そういうスタイルだと思ってあきらめてください。
読みにくい、面白くないという方は、フォローを外してそっ閉じをお願いします。
(カクヨムにも投稿しております)
神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
ダブル魔眼の最強術師 ~前世は散々でしたが、せっかく転生したので今度は最高の人生を目指します!~
雪華慧太
ファンタジー
理不尽なイジメが原因で引きこもっていた俺は、よりにもよって自分の誕生日にあっけなく人生を終えた。魂になった俺は、そこで助けた少女の力で不思議な瞳と前世の記憶を持って異世界に転生する。聖女で超絶美人の母親とエルフの魔法教師! アニメ顔負けの世界の中で今度こそ気楽な学園ライフを送れるかと思いきや、傲慢貴族の息子と戦うことになって……。
異世界で魔法使いとなった俺はネットでお買い物して世界を救う
馬宿
ファンタジー
30歳働き盛り、独身、そろそろ身を固めたいものだが相手もいない
そんな俺が電車の中で疲れすぎて死んじゃった!?
そしてらとある世界の守護者になる為に第2の人生を歩まなくてはいけなくなった!?
農家育ちの素人童貞の俺が世界を守る為に選ばれた!?
10個も願いがかなえられるらしい!
だったら異世界でもネットサーフィンして、お買い物して、農業やって、のんびり暮らしたいものだ
異世界なら何でもありでしょ?
ならのんびり生きたいな
小説家になろう!にも掲載しています
何分、書きなれていないので、ご指摘あれば是非ご意見お願いいたします
かわいい孫と冒険の旅に出るはずたったのに、どうやらここは乙女ゲーの世界らしいですよ
あさいゆめ
ファンタジー
勇者に選ばれた孫の転生に巻き込まれたばーちゃん。孫がばーちゃんも一緒じゃなきゃ嫌だとごねてくれたおかげで一緒に異世界へ。孫が勇者ならあたしはすっごい魔法使いにして下さいと神様にお願い。だけど生まれ変わったばーちゃんは天使のようなかわいい娘。孫にはなかなか会えない。やっと会えた孫は魔王の呪いで瀕死。どうやらこの状態から助ける事がばーちゃんの役割だったようだ。だけど、どうやらここは本当は乙女ゲーの世界らしい。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる