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第一章 新人冒険者
第十七話 追加の指名依頼
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私は、副ギルドマスターとブライアンさんと一緒にギルドの中に入って、窓口で完了手続きをします。
「では、冒険者カードをお願いします」
「はい、これで良いですか?」
「ありがとうございます。では、完了手続きをしますね」
私は受付のお姉さんに冒険者カードを提出し、その間にブライアンさんと話をします。
因みに、副ギルドマスターは仕事の続きをする為に執務室に戻って行きました。
「ブライアンさん、皆さん朝食はどうしているんですか? 昼食と夕食は食堂で食べられますけど」
「うーん、市場が早く開くから、出店で買うのも多いな。肉と野菜を塩コショウで炒めたのを、パンに挟むのが定番だ」
おお、まさに異国の朝の料理ですね。
屋台で作ったのを食べるのも、また風情があります。
私もグミちゃんもとっても気になったので、早速明日朝市場に行かないと。
そんな事を思っていたら、手続きが終わったみたいです。
「はい、手続き完了です。冒険者カードを返却します。こちらが報酬になります」
ドサッ。
受付のお姉さんがカードを返してくれて、更にお金を渡してくれました。
あの、二回の依頼で宿の宿泊代二週間分は余裕であるんですけど……
「ブライアンさん、この報酬は適当な額なんですか? いきなりの指名依頼だったので、相場が良く分かりません」
「うーん、だいたいこんなもんだろう。治療代もあるが、新人冒険者の再講習ってやりたい奴が少ない。だから、その分報酬は上がるぞ」
ブライアンさんが苦笑しながら裏話を教えてくれたけど、確かにあの連中の相手をするのは誰だって嫌だろう。
面倒くさい依頼なので、報酬が高めなんだ。
「あと、午後からの教会での治療ですが、成果によっては当面週一でお願いしたいそうです」
「治療が必要な人は、常にいますから。了解しました」
「本日の治療が終わりましたら、再度窓口へお越し下さい」
医療関係が発達していないので、怪我人や病人は一定数出るでしょう。
私に出来る事なら、街の人の為にも頑張ってやらないと。
「あと、別の指名依頼が来ております。明日午後行われる、新人冒険者向け講習の補佐となります」
「あの、新人冒険者が新人冒険者の講習の補助をするって、それって良いんでしょうか?」
「マイさんは優秀なので、特に問題ないかと。あと、講師は副ギルドマスターで、マイさんに是非と言っておりました」
何だか、とんでもない依頼が入ってきた。
しかも、副ギルドマスターからの依頼なんて、絶対に避ける事が出来ないよ。
私はえーって表情をしながらブライアンさんを見たけど、ブライアンさんも諦めなさいって苦笑していました。
グミちゃんも、どんまいって表情をしていた。
こうして、私はとぼとぼと俯きながら冒険者ギルドから食堂兼宿に向かいました。
ブライアンさんは用事があるとかで、受付で別れました。
「はあ、まさか新人冒険者向け講習の指名依頼が来るとは……」
私はステーキを頬張りながら、まだブルーな気持ちになっていました。
でも、午後からだから、午前中は普通の依頼がこなせる。
「うーんと、じゃあ明日の午前中は薬草採取を頑張ろう。すぐ近くの森で採れるらしいし、まずは体験だね」
グミちゃんも薬草採取は任せろとぷにぷにしていたので、ここはグミちゃん先生にも色々と教えて貰いましょう。
しかし、お肉を焼いただけなのに、このステーキはとても美味しいな。
やっぱり、この世界は素材がかなり良さそうだ。
「時間を見つけて、料理とかにも試してみようと。どんな調味料があるか、とても気になるよ」
前にいた世界では、たまにうちで料理をしていた。
そこそこの料理は出来るし、道具も揃っている。
明日の朝、市場に行くついでに色々な食材を見てみよう。
こうして、少し憂鬱な気持ちも軽くなりました。
まずは、午後からの教会での治療を頑張らないと。
そう思いながら、私は切り分けたステーキをパクリと頬張りました。
「では、冒険者カードをお願いします」
「はい、これで良いですか?」
「ありがとうございます。では、完了手続きをしますね」
私は受付のお姉さんに冒険者カードを提出し、その間にブライアンさんと話をします。
因みに、副ギルドマスターは仕事の続きをする為に執務室に戻って行きました。
「ブライアンさん、皆さん朝食はどうしているんですか? 昼食と夕食は食堂で食べられますけど」
「うーん、市場が早く開くから、出店で買うのも多いな。肉と野菜を塩コショウで炒めたのを、パンに挟むのが定番だ」
おお、まさに異国の朝の料理ですね。
屋台で作ったのを食べるのも、また風情があります。
私もグミちゃんもとっても気になったので、早速明日朝市場に行かないと。
そんな事を思っていたら、手続きが終わったみたいです。
「はい、手続き完了です。冒険者カードを返却します。こちらが報酬になります」
ドサッ。
受付のお姉さんがカードを返してくれて、更にお金を渡してくれました。
あの、二回の依頼で宿の宿泊代二週間分は余裕であるんですけど……
「ブライアンさん、この報酬は適当な額なんですか? いきなりの指名依頼だったので、相場が良く分かりません」
「うーん、だいたいこんなもんだろう。治療代もあるが、新人冒険者の再講習ってやりたい奴が少ない。だから、その分報酬は上がるぞ」
ブライアンさんが苦笑しながら裏話を教えてくれたけど、確かにあの連中の相手をするのは誰だって嫌だろう。
面倒くさい依頼なので、報酬が高めなんだ。
「あと、午後からの教会での治療ですが、成果によっては当面週一でお願いしたいそうです」
「治療が必要な人は、常にいますから。了解しました」
「本日の治療が終わりましたら、再度窓口へお越し下さい」
医療関係が発達していないので、怪我人や病人は一定数出るでしょう。
私に出来る事なら、街の人の為にも頑張ってやらないと。
「あと、別の指名依頼が来ております。明日午後行われる、新人冒険者向け講習の補佐となります」
「あの、新人冒険者が新人冒険者の講習の補助をするって、それって良いんでしょうか?」
「マイさんは優秀なので、特に問題ないかと。あと、講師は副ギルドマスターで、マイさんに是非と言っておりました」
何だか、とんでもない依頼が入ってきた。
しかも、副ギルドマスターからの依頼なんて、絶対に避ける事が出来ないよ。
私はえーって表情をしながらブライアンさんを見たけど、ブライアンさんも諦めなさいって苦笑していました。
グミちゃんも、どんまいって表情をしていた。
こうして、私はとぼとぼと俯きながら冒険者ギルドから食堂兼宿に向かいました。
ブライアンさんは用事があるとかで、受付で別れました。
「はあ、まさか新人冒険者向け講習の指名依頼が来るとは……」
私はステーキを頬張りながら、まだブルーな気持ちになっていました。
でも、午後からだから、午前中は普通の依頼がこなせる。
「うーんと、じゃあ明日の午前中は薬草採取を頑張ろう。すぐ近くの森で採れるらしいし、まずは体験だね」
グミちゃんも薬草採取は任せろとぷにぷにしていたので、ここはグミちゃん先生にも色々と教えて貰いましょう。
しかし、お肉を焼いただけなのに、このステーキはとても美味しいな。
やっぱり、この世界は素材がかなり良さそうだ。
「時間を見つけて、料理とかにも試してみようと。どんな調味料があるか、とても気になるよ」
前にいた世界では、たまにうちで料理をしていた。
そこそこの料理は出来るし、道具も揃っている。
明日の朝、市場に行くついでに色々な食材を見てみよう。
こうして、少し憂鬱な気持ちも軽くなりました。
まずは、午後からの教会での治療を頑張らないと。
そう思いながら、私は切り分けたステーキをパクリと頬張りました。
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