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第十七章 みんなで温泉と開拓地

第三百四十七話 懐石料理

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「お、おまたせ」
「おお、お姉ちゃん綺麗だよ!」
「ありがとうね」

 浴衣に着替えてきたエステル達をミケが褒めるけど、普段の衣装と違って何だかとても新鮮だ。

「へえ、三人とも良く似合っているよ」
「ふえ!」
「あ、ありがとうございます」
「思い切って着替えて良かったです」

 俺がストレートに浴衣を褒めるとは思ってもなかったのか、エステル達は顔を少し赤くしながらお礼を言っていた。

「ほら、早く皆でご飯を食べようよ」
「あ、ララちゃん手を引っ張らなくていいよ」

 既にお腹がすいているララに急かされて、リンも席についた。

「飲み物はどうする?」
「麦茶にする!」
「ララも」
「リリも麦茶」
「レイアも同じ」

 ミケ達は冷たい麦茶にするようだ。
 エステル達は自分で飲み物を注いでいる。
 エステルは冷酒にするそうだが、飲みすぎない様に監視しておこう。

「「「「いただきます! 美味しいよ!」」」」
「本当ですね、とても美味しい」
「この魚の煮付けなんて、良い味がしています」
「パクパクモグモグ」

 エステルはミケ達と共に腹ペコマシーンになってご飯を大量に食べている。
 リンとフローレンスは、懐石料理の味にびっくりしていた。
 スラタロウにねだられて少し分けてやったが、スラタロウも美味しさに感嘆していた。
 このお出汁のきいた味付けなんか、日本の料理を思い出すよ。

「うー、本場の冷酒はうまいな」
「エステル、飲み過ぎには気をつけろよ」
「大丈夫、この一本だけにしておくよ」

 うちでもたまに冷酒を飲むがやはり本場の冷酒は美味しいのか、エステルも味わって飲んでいた。
 俺はお酒は飲めないので、エステルの感覚はよく分からないな。
 
「お兄ちゃん、ここのお料理美味しいね!」
「そうだね。たまにはこういう料理もいいね」
「体に優しい料理ですね」
「今度、屋敷でも作ってみます」

 懐石料理は皆大満足。
 フローレンスとスラタロウなら懐石料理を作れそうだから、屋敷でも近い内に出てきそうだ。
 この茶碗蒸しなんか、とってもいい味がしているな。
 と、ここでエステルが俺に絡んできた。
 おいおい、いつの間にか冷酒を飲みきっているぞ。

「サトー、あーん」
「これは茶碗蒸しか」
「サトーからもして」
「エステルさまだけズルいです」
「わ、私のもどうぞ」

 やばい、酔っ払いの行動に他の人にも火がついた様だ。
 リンとフローレンスからも、茶碗蒸しを食べさせられている。
 そして、レイアがぼそっと一言。

「パパ、ハーレムでウハウハ」

 そりゃね、三人ともかなり俺に近づいているから、色々と当たっているんですよ。
 何がとはは言いません、何がとは。
 食べさせるのに夢中で、リンもフローレンスも気がついていないんだよな。

 微妙に疲れた食事も終わって、さあ就寝とはならなかった。
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