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第十七章 みんなで温泉と開拓地

第三百四十五話 旅館に到着

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「本当に温泉予約したのかよ……」
「ははは、私はやる時はやるのだよ!」

 休日の前日、仕事が終わって屋敷に戻るとドヤ顔のエステルが玄関ホールで待っていた。
 この前言っていた皆で温泉行けたらいいねという事を聞いていたらしく、ドワーフ自治領の温泉宿を予約したらしい。

「ただ、予約の人数を言い間違えまして、大人数では行けなくなってしまったのです」
「てへ」
「エステル。このおバカ!」

 やっぱり、エステルはエステルだった。
 フローレンスからツッコミが入った。
 今回は俺とエステルとリンとフローレンスの婚約者組に、ミケとララとリリとレイアの四人を連れて行く。
 スラタロウとホワイトとリーフも行くのだが、お風呂嫌いのシルはお留守番すると自ら申し出た。
 タラちゃんとポチとショコラは、一緒に行くという。

「明日の日中は皆でドワーフ自治領に行こうね」
「「「うー、絶対だよ」」」

 温泉に行けなくて不満げなマシュー君達をなだめながら、俺達は宿泊の準備をしてドワーフ自治領にワープした。

「「「「おお、大きな旅館だ!」」」」
「ふふーん。旅行ガイドで、オススメの宿を予約したんだよ」

 ミケ達も驚いているけど、俺も驚いた。
 歴史を感じるとてもいい宿だ。
 ドワーフ自治領は日本家屋の様な建物が多いので、思わず前世の日本を思い出してしまう。

「サトー様、ようこそいらっしゃいました。お部屋にご案内します」
「「「「はーい」」」」

 ドワーフの女将さんに案内されながら、今夜宿泊する部屋に向かっていく。
 ミケ達はワクワクしながら、女将さんの後をついていった。

「こちらの部屋になります」
「「「「おお、広い!」」」」

 案内されたのは大部屋だった。
 どうも、大部屋が丁度セール価格だったらしい。
 大きい部屋に大喜びのミケ達だったが、ここで疑問点が浮かび上がってくる。

「エステル、俺の部屋はどこだ?」
「勿論、この部屋に決まっているんじゃない」
「俺は野営でも、エステルとかとテントを分けているぞ」
「別に変な事をするわけじゃないし、いいじゃない」
「そうですね。ミケちゃん達もいますし」
「婚約してますし、大丈夫ですよ」

 おお、リンやフローレンスもあっさりと俺と同部屋なのを了承したぞ。
 エステルは我が物顔だけど、流石にリンとフローレンスは少し顔が赤くなっている。

「この大部屋には家族風呂もありますので、良かったら使って下さいね」
「「「家族風呂!」」」

 あ、これはエステルも予想外だったらしい。
 女将さんの一言に驚いて、三人共顔が真っ赤になってしまった。
 窓から外を覗くと、外に木で作られた湯船があった。
 周りからは見られないように、囲いもしてある。

「わーい、お兄ちゃんと露天風呂だ!」
「アヒル隊長も持ってきたよ」
「リリも持ってきた!」
「レイアはオリジナルのアヒル隊長」

 ミケ達とは、普段も一緒にお風呂に入っているので全く問題無い。
 既に露天風呂で使うおもちゃを用意していた。

「湯浴み着も受付で用意していますので、ご要望がありましたら仰って下さいませ。お料理の用意をしますので、早めにお風呂に入って下さいませ」

 そう言って女将さんは元の所にスタスタと戻っていった。

「えっと、受付に行ってくるよ」
「サトーさんは、先に露天風呂に入って下さい」
「少し支度をしてまいりますので」

 そう言って真っ赤な顔のままで、エステル達は女将さんの後に続いていった。
 うん、深く考えない様にしよう。
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