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第十三章 王都生活編その2

第二百七十五話 救助活動の終了

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「やった! 開通したよ!」

 救助活動を始めて十日のお昼。
 最難関だった、ゲレーノ男爵領とマンチェス子爵領間の街道が開通した。
 前日にマンチェス子爵領とドーヴィル男爵領間も開通したので、これで各領地が通行可能となった。
 早速マンチェス子爵領の商隊が、ゲレーノ男爵領に向かって出発した。
 ゲレーノ男爵領で一泊してから、バルガス公爵領に向かうという。
 そう考えると、ブレンド領の街の整備も急がないといけないな。

「救助活動は、これで終わりね」
「後は、領主と派遣される文官で対応ですね」
「俺達の対応は、ここまでだな」

 エステルとリンとも話をしたけど、救助活動は一先ずこれで完了。
 後は各領地で策定される復興計画に基づいて、色々な対策をするフェーズに移る。
 それぞれの領主に色々報告をすると、かなり感謝された。
 このままでは、領民と共に全滅する所だった。
 報告をするために、四領地の領主と王城にワープした。

「サトーには救助活動の大半を指揮して貰い感謝する。後ほど、関係者には報奨を出すことにする」
「有難うございます」
「四領地には、復興支援費を改めて分配する。派遣される文官と共に、復興計画にあたるように」
「「「「承りました」」」」

 これで今回の救助活動は正式に終了。
 軍も撤収準備に入ったので、今日帰るときに一緒に王都へ行く予定だ。
 
「ビンドン伯爵の尋問はもう少し続くな。とにかく色々な罪状がポロポロでてくる」
「どれだけ罪状を溜め込んでいたんでしょうか」
「いずれにせよ、正式な沙汰が出るまではもう少しかかる。サトー達には、元々依頼していたブレンド領の調査を頼むとする」
「承りました」

 これで報告は完了。
 四領地の領主を領地に送り、俺はブレンド領の村に合流。
 ビアンカ殿下とレイアに、先程の事を報告した。

「ようやくサトーも、こちらに専念できるというわけじゃな」
「でも、殆どやることがない」
「レイアの言うとおりじゃ。学園生が張り切っていてな、既に測量と危険地帯の切り分けは終わっておる。街の設計図も、ほぼ完成しておるぞ」
「あちゃー、そこまでやって貰ったとは」
「何でも、愛の巣設計と張り切っておったな。カロリーナとトールも二人で色々と考えているようじゃ」
「ラブラブ」

 張り切る原動力の内容が内容だけど、それで頑張れたのなら良いとしよう。
 しかし、人口五千人は前の街の規模だけど、一万人の計画もあるのか。
 土地はあるし、一万人でも可能と言えば可能。
 後はそれだけの人が集まるかだけど。

「俺個人の意見としては、城門の近くに物資の集配所を作ることと、可能なら橋を作って対岸のバルガス公爵領とのルートを増やすことかな」
「ふむ、それくらいなら基本計画に加えてもいいじゃろう」
「後は、街中の道はもう少し広めにしたほうがいいかなと。後で道を広げるのは難しいので。道関係だと、マンチェス子爵領への街道造成も検討したほうが良いですね」
「ハハハ、見ているところは同じじゃな。妾もこの後で同じ所を指摘する予定じゃ」
「レイアも同じ」

 ということで、学園生を集めてそれぞれの意見を反映させていく。
 どの計画案でも、温泉施設が目玉になっているな。
 基本計画はこの内容で大丈夫だな。
 後はどの案が採用されるかだ。

 ほぼ調査と視察も終わったので、うちのメンバーに加えて学園生と調査団も帰ることに。
 でもその前に、皆お楽しみの温泉タイム。

「あー、気持ちいい」
「気持ちいいね!」
「温泉で泳ぎたいな」
「泳いじゃ駄目だぞ。他の人の迷惑になるから」

 今日はマチルダとコタローと一緒。
 そして、最近コタローと一緒にいるマウンテンマーモットもいる。
 ミケがモン○ッチとつけたがったので、いつの間にかチッチという名前で定着した。
 チッチも湯船に入って気持ちよさそうにしている。
 そして桶に温泉を入れて、気持ちよさそうにしているのがホワイト。
 暫く治療で忙しかったのか、だいぶお疲れだ。
 今回は、従魔も含めてのフル活動だったからな。
 教師で忙しいはずのチナさんも、合間を見て手伝ってくれたし。
 明日お休みになったので、一日ゆっくりして過ごしたい。
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