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第十二章 ルキアさんの結婚式
第二百五十七話 嫉妬からくる嘘
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色々とあった式典の翌日、今日はアルス王子とルキアさんの結婚式当日。
式自体はお昼におこなわれて、そこから街中をパレードする予定。
昨日の事までといかないが何かあったら困るので、早めに来て巡回をするつもりだった。
「う、うぅ、ルキア様申し訳ありません」
「大丈夫ですよ、貴方は何も悪い事をしていませんから」
「「「「「おねーちゃんを虐めるな!」」」」」
朝早く皆でお屋敷について応接室に向かった所、よく分からない状況になっていた。
床にうずくまり、ルキアさんに抱えられるようにしながら謝るメイドさん。
その周りを囲むように、お屋敷で保護されている子ども達が両手を広げて俺達を通せんぼしている。
何が何だか分からないぞ。
そう思っていたら、王妃様が一枚の手紙を持ってきた。
「彼女は脅迫されていたの。手紙の中にとんでもない事が書かれていたわ。新婦のウエディングドレスを切り刻め、さもなくば両親に危害を与えるって内容だったわ」
「手紙がついたのは、昨日の夕方ね。あのドタバタで、手紙の中身を確認するのが遅れたみたい」
「それでさっき手紙を確認したら、とんでもない内容が書いてあったわけ。彼女、相当慌てていたわ」
それで気が動転して泣いているのか。気持ちは分からなくもないな。
子ども達は、お世話してくれているおねーちゃんが泣かされていると思っているわけか。
「ちなみに、昨日の件とは全く関係ない貴族よ。嫉妬なのは同じだけどね」
「昔から、アルスに色々とちょっかいを出している学園の先輩がいたのよ」
「アルスが結婚するのが気に食わなくて、こんな手紙を寄越したのね。でも昨日の件があるから、この子は大事になると思ったのでしょうね」
そりゃ、昨日は嫉妬が爆発して魔獣化もして街中大暴れしたからな。
こんな手紙を出されて裏に人神教国が絡んでいるとしたら、何が起きるか気が気じゃないだろうな。
「屋敷に泊まっていたスラタロウに頼んで王都の軍に取り次いでもらって、既に捜査をしてもらっているわ」
「ついでにこの子の実家も見てもらったけど、何も異常はなかったというわ」
「恐らく危害を与えるってのも嘘の可能性が高いわ。だけど、その嘘の内容とタイミングが最悪ね」
と、このタイミングでショコラと共に陛下とビアンカ殿下がやってきた。
同時にため息をついたと言うことは、今回の件だろうな。
「はあ、朝早くから働いたわい。結論から言うと、全くの嘘だった」
「単に結婚式を挙げるのが許せないから、だと。いわゆる後先考えぬ嫉妬じゃ」
「だが、書かれている内容が内容なだけに、キッチリ捜査を指示してきた。昨日の事があっただけに、念には念を入れな」
「あやつはまさかここまで大事になるなんて思ってもなかった様じゃな。真っ青な顔をして連行されておった」
少々眠たそうな陛下とビアンカ殿下だったが、家族の結婚式当日にこんな手紙を見たら動くしかないよな。
念の為にもう一回お屋敷に来ている手紙を確認したけど、脅迫の類はなかった。
朝の一騒動は収まったので、各自それぞれ動き始めた。
ターゲットにされたメイドさんもようやく落ち着き、子ども達の着付けの準備を始めた。
「エステル、リン、フローレンス。女の嫉妬って怖いね」
「いや、ここまで酷いのは私も初めてだよ」
「時価総額数十億ゴールドのドレスを切り裂けと脅迫したので、結構な罪になるのでは?」
「何れにせよ、あり得ないですわね」
女性陣もドン引きした、嫉妬騒動だった。
式自体はお昼におこなわれて、そこから街中をパレードする予定。
昨日の事までといかないが何かあったら困るので、早めに来て巡回をするつもりだった。
「う、うぅ、ルキア様申し訳ありません」
「大丈夫ですよ、貴方は何も悪い事をしていませんから」
「「「「「おねーちゃんを虐めるな!」」」」」
朝早く皆でお屋敷について応接室に向かった所、よく分からない状況になっていた。
床にうずくまり、ルキアさんに抱えられるようにしながら謝るメイドさん。
その周りを囲むように、お屋敷で保護されている子ども達が両手を広げて俺達を通せんぼしている。
何が何だか分からないぞ。
そう思っていたら、王妃様が一枚の手紙を持ってきた。
「彼女は脅迫されていたの。手紙の中にとんでもない事が書かれていたわ。新婦のウエディングドレスを切り刻め、さもなくば両親に危害を与えるって内容だったわ」
「手紙がついたのは、昨日の夕方ね。あのドタバタで、手紙の中身を確認するのが遅れたみたい」
「それでさっき手紙を確認したら、とんでもない内容が書いてあったわけ。彼女、相当慌てていたわ」
それで気が動転して泣いているのか。気持ちは分からなくもないな。
子ども達は、お世話してくれているおねーちゃんが泣かされていると思っているわけか。
「ちなみに、昨日の件とは全く関係ない貴族よ。嫉妬なのは同じだけどね」
「昔から、アルスに色々とちょっかいを出している学園の先輩がいたのよ」
「アルスが結婚するのが気に食わなくて、こんな手紙を寄越したのね。でも昨日の件があるから、この子は大事になると思ったのでしょうね」
そりゃ、昨日は嫉妬が爆発して魔獣化もして街中大暴れしたからな。
こんな手紙を出されて裏に人神教国が絡んでいるとしたら、何が起きるか気が気じゃないだろうな。
「屋敷に泊まっていたスラタロウに頼んで王都の軍に取り次いでもらって、既に捜査をしてもらっているわ」
「ついでにこの子の実家も見てもらったけど、何も異常はなかったというわ」
「恐らく危害を与えるってのも嘘の可能性が高いわ。だけど、その嘘の内容とタイミングが最悪ね」
と、このタイミングでショコラと共に陛下とビアンカ殿下がやってきた。
同時にため息をついたと言うことは、今回の件だろうな。
「はあ、朝早くから働いたわい。結論から言うと、全くの嘘だった」
「単に結婚式を挙げるのが許せないから、だと。いわゆる後先考えぬ嫉妬じゃ」
「だが、書かれている内容が内容なだけに、キッチリ捜査を指示してきた。昨日の事があっただけに、念には念を入れな」
「あやつはまさかここまで大事になるなんて思ってもなかった様じゃな。真っ青な顔をして連行されておった」
少々眠たそうな陛下とビアンカ殿下だったが、家族の結婚式当日にこんな手紙を見たら動くしかないよな。
念の為にもう一回お屋敷に来ている手紙を確認したけど、脅迫の類はなかった。
朝の一騒動は収まったので、各自それぞれ動き始めた。
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「エステル、リン、フローレンス。女の嫉妬って怖いね」
「いや、ここまで酷いのは私も初めてだよ」
「時価総額数十億ゴールドのドレスを切り裂けと脅迫したので、結構な罪になるのでは?」
「何れにせよ、あり得ないですわね」
女性陣もドン引きした、嫉妬騒動だった。
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