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第十二章 ルキアさんの結婚式
第二百四十八話 アルス王子のクラスメイト
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ルキアさんの結婚式まで、あと十日。
ルキアさんにはこの世界にきてから相当お世話になったので、俺達としてもできる限りのお祝いをしたいと思っていた。
皆も同じ様で、仕事の合間に色々やっている。
最近子ども達が力を入れているのが、様々な色の花びらを集める事。
結婚式後のパレードで、空から花びらをまく予定だという。
パレードの時には、うちの馬が護衛を兼ねてルキアさんとアルス王子が乗るオープン馬車を引っ張る。
ちょっとした飾りを馬につけるのだが、馬からあれこれリクエストを言われている。
スラタロウは料理の打ち合わせに、いつの間にかルキアさんの元にワープしたりしていた。
タラちゃん達もスラタロウに便乗して、ルキアさんとドレス作りをしている。
その話し合いには、いつもサーシャさんも連れて行っている様だ。
「うちも最近はドタバタしていてな。特に、エリザベスの熱の入れようが凄くて」
「そりゃ息子を送り出すのですから、王妃様の熱も入りますよ」
仕事の休憩時間に、陛下が愚痴をこぼしにきた。
アルス王子を送り出す王族側も勿論色々な準備があり、息子を送り出す王妃様を中心としてフローラ様やライラック様も忙しそうにしている。
殆ど準備に加われないと、陛下がボヤいていた。
どうしても、母親の方が準備するのにも熱が入るでしょう。
結婚式の直前まで続くと思いますよ。
「結婚式の参加者リストも変更があったし、こちらも結構バタついているがな」
「それでも、貴族主義の連中がごっそりいなくなったのは良いことだと思いますよ」
「あんな事があったばかりだからな」
先日のビアンカ殿下の誕生パーティーで貴族主義のとある貴族嫡男が大事件を起こしたので、貴族主義の連中は当面の間王族のパーティーに不参加すると表明した。
ただでさえここの所不祥事が続いていたので、傷口をこれ以上広げない為だろう。
「だかなあ、一つの貴族だけはどうしても参加させてくれと言ってきてな。これの対応で、悩んでいるのだ」
「問題のある貴族なのですか?」
「その貴族は問題ない。当主もちゃくなんも大人しいし、礼儀正しい」
あれ?
何でこんなにも悩んでいるのだろう。
話を聞く限り、全く問題ない様に思えるのだが。
「その貴族には、アルスと同じクラスの娘がいてな。その……」
「その?」
「私の物は私の物。お前の物も私の物」
「これが口癖らしい」
「うわあ……」
リアルジ○イ○ンかよ!
陛下が言うのを躊躇った気持ちもとても良くわかる。
「王城に勤めているアルスのクラスメイトに男女問わす様子を聞いたら、儂や妻達でも出席を止めるのは無理だとキッパリ言われたよ」
「大体どういう人か分かりましたけど、とんでもないですね」
「クラスメイトもガードに入ると言うが、サトーも気をつけてくれ」 「分かりました。うちのものにも伝えます」
幸いにしてアルス王子のクラスメイトが手を貸してくれるらしいので、うちのメンバーと組めば何とかなると思う。
「え! ラリアット先輩がアルスお兄ちゃんの結婚式に来るの!」
「うわあ……」
「ちょっとマズイですね」
俺は考えが甘かった。
うちのメンバーにこの事を話したら、とんでもない二つ名を出してきた。
聞いただけで、どんな人かわかった気がした。
「その人って女性だよね?」
「間違いなく女性なんだけど、全身筋肉質で頭の中も筋肉で出来ているよ」
「まだ一年生の時に、喧嘩を売ってきた男性の先輩を次々とラリアットでなぎ倒したんですよね」
「確か先輩って卒業年度の人で、軍に所属する事が決定していたはずですわ」
うわあ、とんでもない人が結婚式に来るんだ。
とてもじゃないけど、普通の騎士ではまともに抑えられないかも。
「もし男性だったらと、ずっと言われていたよね」
「間違いなく、歴史に名を残す戦士になれましたわ」
「冒険者をしたとしても、大成したでしょうね」
うん、念の為に巡回部隊に偵察を頼もう。
情報はあった方がいい。
ルキアさんにはこの世界にきてから相当お世話になったので、俺達としてもできる限りのお祝いをしたいと思っていた。
皆も同じ様で、仕事の合間に色々やっている。
最近子ども達が力を入れているのが、様々な色の花びらを集める事。
結婚式後のパレードで、空から花びらをまく予定だという。
パレードの時には、うちの馬が護衛を兼ねてルキアさんとアルス王子が乗るオープン馬車を引っ張る。
ちょっとした飾りを馬につけるのだが、馬からあれこれリクエストを言われている。
スラタロウは料理の打ち合わせに、いつの間にかルキアさんの元にワープしたりしていた。
タラちゃん達もスラタロウに便乗して、ルキアさんとドレス作りをしている。
その話し合いには、いつもサーシャさんも連れて行っている様だ。
「うちも最近はドタバタしていてな。特に、エリザベスの熱の入れようが凄くて」
「そりゃ息子を送り出すのですから、王妃様の熱も入りますよ」
仕事の休憩時間に、陛下が愚痴をこぼしにきた。
アルス王子を送り出す王族側も勿論色々な準備があり、息子を送り出す王妃様を中心としてフローラ様やライラック様も忙しそうにしている。
殆ど準備に加われないと、陛下がボヤいていた。
どうしても、母親の方が準備するのにも熱が入るでしょう。
結婚式の直前まで続くと思いますよ。
「結婚式の参加者リストも変更があったし、こちらも結構バタついているがな」
「それでも、貴族主義の連中がごっそりいなくなったのは良いことだと思いますよ」
「あんな事があったばかりだからな」
先日のビアンカ殿下の誕生パーティーで貴族主義のとある貴族嫡男が大事件を起こしたので、貴族主義の連中は当面の間王族のパーティーに不参加すると表明した。
ただでさえここの所不祥事が続いていたので、傷口をこれ以上広げない為だろう。
「だかなあ、一つの貴族だけはどうしても参加させてくれと言ってきてな。これの対応で、悩んでいるのだ」
「問題のある貴族なのですか?」
「その貴族は問題ない。当主もちゃくなんも大人しいし、礼儀正しい」
あれ?
何でこんなにも悩んでいるのだろう。
話を聞く限り、全く問題ない様に思えるのだが。
「その貴族には、アルスと同じクラスの娘がいてな。その……」
「その?」
「私の物は私の物。お前の物も私の物」
「これが口癖らしい」
「うわあ……」
リアルジ○イ○ンかよ!
陛下が言うのを躊躇った気持ちもとても良くわかる。
「王城に勤めているアルスのクラスメイトに男女問わす様子を聞いたら、儂や妻達でも出席を止めるのは無理だとキッパリ言われたよ」
「大体どういう人か分かりましたけど、とんでもないですね」
「クラスメイトもガードに入ると言うが、サトーも気をつけてくれ」 「分かりました。うちのものにも伝えます」
幸いにしてアルス王子のクラスメイトが手を貸してくれるらしいので、うちのメンバーと組めば何とかなると思う。
「え! ラリアット先輩がアルスお兄ちゃんの結婚式に来るの!」
「うわあ……」
「ちょっとマズイですね」
俺は考えが甘かった。
うちのメンバーにこの事を話したら、とんでもない二つ名を出してきた。
聞いただけで、どんな人かわかった気がした。
「その人って女性だよね?」
「間違いなく女性なんだけど、全身筋肉質で頭の中も筋肉で出来ているよ」
「まだ一年生の時に、喧嘩を売ってきた男性の先輩を次々とラリアットでなぎ倒したんですよね」
「確か先輩って卒業年度の人で、軍に所属する事が決定していたはずですわ」
うわあ、とんでもない人が結婚式に来るんだ。
とてもじゃないけど、普通の騎士ではまともに抑えられないかも。
「もし男性だったらと、ずっと言われていたよね」
「間違いなく、歴史に名を残す戦士になれましたわ」
「冒険者をしたとしても、大成したでしょうね」
うん、念の為に巡回部隊に偵察を頼もう。
情報はあった方がいい。
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