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第十一章 帝国編

第二百四十四話 親子の再会

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 玉座の間での戦闘が終わった所に、先程の騎士団長がやってきた。

「陛下、城はほぼ制圧できました。しかしながら、城下では散発的に残党による抵抗が続いています」
「そうか、市民の安全を第一に対応にあたるように」
「はっ!」

 騎士団長は、直ぐに城下町に向かっていった。
 やはりというか、人神教国の連中はゴキブリ以上にしつこいな。

「皇帝陛下。聖女部隊を騎士団長の元で動かすことができますが、如何致しますか?」
「すまぬ、手を貸して頂けるとありがたい」
「承りました。エステル、指揮を頼める?」
「大丈夫だよ。直ぐに行ってくるね」

 エステルが、皆を連れて騎士団長の後を追った。
 暫くすれば、残党も駆逐できるだろう。

「サトー、随分助けられたな」
「今はいないけど、ドラコもシラユキも良くやっていたな」

 白龍王とドラコとシラユキのおじいさんは、俺とこの場にいない二人の孫の事を褒めてくれた。

「白龍王様にはご尽力頂き、誠に感謝致します」
「儂は殆ど何もしてない。礼はサトーとソフィーに言うことだな」
「はい、改めてお礼言うようにします」
「その前に、そなたはしっかりと養生して体を戻さないとならないな」

 白龍王に言われていたけど、皇帝陛下は病み上がりだ。
 この後は、しっかりと体を休めて貰わないと。
 そう言い残すと、白龍王夫妻とドラコとシラユキの祖父母は、白龍王の山へ帰っていった。
 残っている白龍達も、そのうち帰るという。
 ということで、皇帝陛下には治療を受けていた部屋に戻ってもらう。

「あなた、大丈夫ですか?」
「ああ、少し疲れたが心配はいらん。むしろこれからの事を思うと、気張らなければならない」

 療養の部屋に戻ると、第三皇妃が出迎えてくれた。
 もう、ここまでくれば安心かな。
 皇子様や皇女様に皇妃様もまだ眠っているが、危険な状態を脱したので一安心だ。

「ソフィー皇女、一緒にオーウェン皇子とベラ皇女を迎えに行きませんか?」
「はい! 二人もきっと喜ぶと思います」

 ということで、お屋敷にワープしソフィー皇女がオーウェン皇子とベラ皇女に話をしている。

「お母様に会えるの?」
「直ぐに会いたい!」

 二人も直ぐに会いたいというので、再び療養の部屋にワープする。

「「お母様!」」
「オーウェン、ベラ!」

 オーウェン皇子とベラ皇女は、直ぐに第三皇妃様に抱きついた。
 その様子を見ていた侍従も、思わず涙を流して喜んでいる。
 ずっと母親に会えなかったからか、オーウェン皇子とベラ皇女はわんわん泣いている。
 そんな二人を抱きしめている第三皇妃様も涙顔だ。
 勿論ソフィー皇女も、今までの苦労が報われたので嗚咽を漏らしている。
 皇帝陛下は、そんなソフィー皇女を優しく抱きしめていた。

「これで一段落ですね」
「まだ各地の対応とかがあるけど、そこは帝国にお任せしよう」
「それこそ、下手に王国が介入できないですよ」

 マリリさんと話をしていたけど、一先ずはこれで一件落着だ。
 
「お姉ちゃん、ただいま!」
「そちらも、片付いた様じゃな」

 と、ここにミケとビアンカ殿下もやってきた。

「あれ? 他のメンバーは?」
「怪我した兵隊さんとかいるから、治療しているよ」
「なので、妾達がここに来た訳なのじゃ」

 激しい抵抗があったのか、結構な数の怪我人が出ているらしい。
 俺も手伝おうかと言ったが魔力を使い過ぎだと言われてしまったので、ホワイトが現場に向かうことに。
 確かに補充した魔力も、そろそろ限界だ。

「それにしても、ビアンカ殿下はここに居ていいんですか?」
「問題はない。丁度誕生パーティーも終わったし、暫く王城に籠もりっきりだったのて、ストレスが溜まってな」
「だから、あんなにノリノリで指揮していたんですね」

 普段は冷静なビアンカ殿下が、何故か気合入れて指揮していたし。
 これがストレス発散ですか。

「それに、父上から皇帝陛下へ手紙を預かっておる」
「それはさっさと渡した方がいいですよ」

 ということで、侍従に手紙を預けて皇帝陛下に渡して貰うようにした。

「皇帝陛下、我々は改めて明日朝伺います。今日は家族皆様でゆっくりお過ごし下さい」
「サトーには感謝のしようがない程た。また明日話をしよう」
「サトー様、本当に色々と有難うございます。また、改めてお礼をさせて頂きます」

 皇帝陛下とソフィー皇女に挨拶をし、オーウェン皇子とベラ皇女にバイバイしてから部屋を後にした。

 城門の方まで行くと、丁度怪我人の手当が終わったのか、撤収作業をしているメンバーと合流できた。
 空を見渡すと夕暮れ時で、白龍達が空を飛んで帰っていくのが良く見えた。
 今日は色々あって疲れたけど、無事に決着ついて良かった。
 久々にゆっくり眠れそうだ。
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