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第十一章 帝国編

第二百四十三話 ゴキブリよりもしつこかった内務大臣

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「クソクソクソクソクソクソクソ、舐めるなあ!」

 遂にというか、やっと玉座から立ち上がった内務大臣。
 お話している間にお仲間が全滅している辺り、やはり馬鹿なのだろう。
 内務大臣は何か薬を飲み込んで、更に体が肥大化していく。

「ぐへぐへ、ははははは」

 もう人間の言葉を話していない辺り、完全に魔獣化してしてしまったのだろう。

「ねえ? 攻撃してもいい?」
「うむ、玉座が壊れるなど気にしなくてもよい。思いっきりやるのだ」
「よーし、それじゃいくよ!」

 ミケが暇でたまらないのか、皇帝陛下に攻撃してもいいか聞いていた。
 思いっきりやっていいと言われたので、ミケが一気に突っ込んでいった。

「えいえーい!」
「グボバベ!」

 先ずは魔力を込めた斬馬刀で、内務大臣の成れの果てを滅多切りにした。
 流石はドワーフの親方制作の斬馬刀。
 とんでもない大剣だけど、とても切れ味がいい。
 
「お次はこちらだよ!」

 そしてトドメと言わんばかりに、バトルハンマーでミンチになっている内務大臣の成れの果てを滅多打ちにしている。
 あーあ、玉座も巻き込んでぶっ壊してきたよ。
 
「うーん、中々しぶといね」
「うむ、奴こそゴキブリ並の生命力じゃな」

 一旦ミケがこちらに戻ってきた。
 あーあ、また血塗れになっているよ。
 急いで、血塗れになっているミケを生活魔法で綺麗にしていく。
 特に閣僚の皆様は、血塗れのミケを見てドン引きしている。
 しかしながら、うちのメンバーは誰も警戒を解いていない。
 攻撃したミケも、勿論俺であってもだ。
 
「グボバベ、ブブブ、ダマガ」

 バラバラになった肉がくっつき始めて、何やら分けの分からない物になっていく。
 倒した魔獣や息子も巻き込んで再生していて、若干体が大きくなっている。

「えーい!」
「グボバベ!」

 ララが聖魔法で攻撃すると、肉の塊は確実にダメージを受けていた。
 ジュージューと、肉の焦げる臭いと音がしている。
 後は、この肉の塊をどうやってやっつけるかだな。
 というか内務大臣の成れの果ての再生が遅くて、皆でミーティングする暇がある。

「魔法剣で総攻撃して、バラバラになった肉の塊が元に戻るか試して見る?」
「そうですね。可能な限りバラバラにしてみましょう」
「確か以前は魔法剣でバラバラにすると、再生不可能じゃったな」

 ということで、皆の意見を採用して魔法剣でバラバラにしてみることにする。
 せっかく肉の塊に戻った所だけど、細切れに戻って貰いましょう。

「せい!」
「やあ!」
「とう!」

 皆が順番に魔法剣を乱舞し、肉の塊を細切れにする。
 細切れになったところで、俺とララとソフィー皇女で肉片を聖魔法でジュージュー焼いていく。
 魔法剣で粉々にするだけでは直ぐに再生してしまうが、細切れになったところで聖魔法を使うと徐々に小さくなることが分かった。
 途中、効果は薄いけど生活魔法も効くのがわかったので、皆で交代しながら魔法で肉片を焼いていく。

「だいぶ小さくなったね」
「でも復活する、しつこい」

 リリとレイアが話しをしているが、肉の塊もバレーボール位になってきた。
 ここで俺とララとソフィー皇女で聖魔法をまとった魔法剣で肉の塊をグサグサ刺していくと、段々と肉の塊が小さくなっていく。
 ピンポン玉位の大きさまで小さくなった所で、三人で一気に聖魔法をかけた。
 
「ふう、やっと終わったかな?」
「うーん、もう大丈夫だよ」
「悪いものはなくなったよ」
「しぶとかったね」
「しぶとい」

 子ども達も反応しないと言ったが、念には念を入れて玉座の間を浄化する。
 浄化したら、複数人の生活魔法で玉座の間を綺麗にする。
 再度探索をかけて、何も無いことを確認した。

「皇帝陛下、魔獣の討伐が完了しました」
「うむ、まさかあそこまでしぶといとは」
「ゴキブリというよりかは、人神教国そのものの様な気がしました」

 こうして魔獣化した内務大臣は、無事に討伐できた。
 ダメージは全く受けなかったのだが、やたら疲れた戦いだった。
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