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第十一章 帝国編
第二百三十四話 暗闇の水上ジェットコースター
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次の日の夕方、帝国に向かうメンバーはノースランド公爵領に集まっていた。
「結局こうなるよね」
「もう諦めなさい」
潜入捜査になるので皆変装しているが、やっぱりというか俺は女装することに。
エステルに諦めろと言われたが、女装は慣れるものではないよ。
「あの聖女様が、目の前に」
「何と美しい」
「まじかよ、サトーが女になったぞ」
いつものメンバーは何も問題ないけど、ノースランド公爵とルシアとルシアの母親は物凄くビックリしていた。
特にルシアの母親は、目がまんまるになる程ビックリしている。
今回はロングヘアではなくボブカットらしいが、イマイチ違いが分からない。
今回の帝国に向かうメンバーは、俺とエステルとリンとミケに、ドラコとシラユキにルシア。
ソフィー皇女も参加するが、オーウェン皇子とベラ皇女はお留守番。
従魔はポチとベリルのみ。
他の人は、各都市の不審者を捕まえるべく巡回を行う。
馬も、一頭はうちに残ってオーウェン皇子とベラ皇女の護衛を務める。
うちに残る布陣も強力だから、戦力は何も問題ない。
「ソフィー皇女、帝国に入ってからはどうしますか?」
「白龍王様が住んでいる王都北の山を目指します。ただ、どこに追手がいるかわからないので、あまり街には寄りたくないです」
「特に王都は避けないといけませんね」
「港町からですと、山の麓まで馬車で十日ほどです」
普通の馬車なら結構かかる距離だけど、うちの馬なら全く問題ない。
「うーん、警戒しながらでも四日あればつきますよ」
「はい?」
「うちの馬は本当に凄いですから。後は街には宿泊せずに、屋敷に戻ってきて休むようにしましょう」
「……中々考えられない行程ですね」
うちも、段々とおかしい旅をするようになってきたな。
時間があれば、普通の馬車旅もしてみたいものだ。
「というか、もう夜だから俺だけ向こうに行って帰ってくればいいのでは? 流石に夜道の馬車は危険だし」
「「「あっ」」」
あっ、じゃないです!
これでは、俺が女装しただけじゃないか。
「ははは、そう邪険にするな。あたしは良いものが見れたからな」
「ううっ」
ルシアの母親は大笑いしているけど、俺は見世物ではないですよ。
思わず崩れ落ちる俺だった。
とはいえ、段々と日は落ちていきあたりは暗くなっていった。
ということで、対岸の帝国港町に向けて出発です。
「落ちないように、しっかりと掴まりな」
「はい」
海龍に姿を変えたルシアの母親の頭に乗り、対岸へ進み始めた。
最初はゆっくりだったが、湾を抜けると一気に加速し始めた。
「うわあ、速いですよ」
「黙ってな。見つかっちまうぞ」
「ひぃー!」
気分は夜の水上ジェットコースター。
振り落とされないように、必死に掴まる事しかできない。
しかも周りは暗闇の海面だから、明かりもなく超怖い。
そんなこちらの気も知らず、爆走するルシアの母親。
あっという間に対岸に到着。
「足に力が入らない」
「ははは、まるで生まれたての子鹿だな」
人間に戻ったルシアの母親が酷いことを言っているけど、足がガクガクしてうまく歩けない。
とりあえずこのままだと見つかりそうだから、急いでノースランド公爵領にワープする。
「あはははは、足がガクガクしている」
「お姉ちゃん面白い!」
「ひー、腹痛いよー!」
「皆さん、その辺にしておいた方が。ふふふ」
足がガクガクした状態でワープしたので、ノースランド公爵領に着いたときも足がガクガクのまま。
そんな俺の姿を見て、エステルとミケとドラコに思いっきり笑われてしまった。
二人を止めようとしたリンも、くすくす笑っている。
他の人は、何とか笑いを堪えている。
「暗闇の中の水上を爆走してみろ。めちゃくちゃ怖いぞ」
「今回は非常時だから、体験者はサトーだけでいいや」
「やるときは、ルシアお姉ちゃんに頼むもん」
皆、かなり自分勝手なんだから。
あの恐怖は中々ないぞ。
お屋敷に戻ったら、エステルとミケとドラコが俺の足がガクガクしているのを皆の前で再現し、笑い者になってしまった。
三人は、明日のおやつ抜き決定です。
「結局こうなるよね」
「もう諦めなさい」
潜入捜査になるので皆変装しているが、やっぱりというか俺は女装することに。
エステルに諦めろと言われたが、女装は慣れるものではないよ。
「あの聖女様が、目の前に」
「何と美しい」
「まじかよ、サトーが女になったぞ」
いつものメンバーは何も問題ないけど、ノースランド公爵とルシアとルシアの母親は物凄くビックリしていた。
特にルシアの母親は、目がまんまるになる程ビックリしている。
今回はロングヘアではなくボブカットらしいが、イマイチ違いが分からない。
今回の帝国に向かうメンバーは、俺とエステルとリンとミケに、ドラコとシラユキにルシア。
ソフィー皇女も参加するが、オーウェン皇子とベラ皇女はお留守番。
従魔はポチとベリルのみ。
他の人は、各都市の不審者を捕まえるべく巡回を行う。
馬も、一頭はうちに残ってオーウェン皇子とベラ皇女の護衛を務める。
うちに残る布陣も強力だから、戦力は何も問題ない。
「ソフィー皇女、帝国に入ってからはどうしますか?」
「白龍王様が住んでいる王都北の山を目指します。ただ、どこに追手がいるかわからないので、あまり街には寄りたくないです」
「特に王都は避けないといけませんね」
「港町からですと、山の麓まで馬車で十日ほどです」
普通の馬車なら結構かかる距離だけど、うちの馬なら全く問題ない。
「うーん、警戒しながらでも四日あればつきますよ」
「はい?」
「うちの馬は本当に凄いですから。後は街には宿泊せずに、屋敷に戻ってきて休むようにしましょう」
「……中々考えられない行程ですね」
うちも、段々とおかしい旅をするようになってきたな。
時間があれば、普通の馬車旅もしてみたいものだ。
「というか、もう夜だから俺だけ向こうに行って帰ってくればいいのでは? 流石に夜道の馬車は危険だし」
「「「あっ」」」
あっ、じゃないです!
これでは、俺が女装しただけじゃないか。
「ははは、そう邪険にするな。あたしは良いものが見れたからな」
「ううっ」
ルシアの母親は大笑いしているけど、俺は見世物ではないですよ。
思わず崩れ落ちる俺だった。
とはいえ、段々と日は落ちていきあたりは暗くなっていった。
ということで、対岸の帝国港町に向けて出発です。
「落ちないように、しっかりと掴まりな」
「はい」
海龍に姿を変えたルシアの母親の頭に乗り、対岸へ進み始めた。
最初はゆっくりだったが、湾を抜けると一気に加速し始めた。
「うわあ、速いですよ」
「黙ってな。見つかっちまうぞ」
「ひぃー!」
気分は夜の水上ジェットコースター。
振り落とされないように、必死に掴まる事しかできない。
しかも周りは暗闇の海面だから、明かりもなく超怖い。
そんなこちらの気も知らず、爆走するルシアの母親。
あっという間に対岸に到着。
「足に力が入らない」
「ははは、まるで生まれたての子鹿だな」
人間に戻ったルシアの母親が酷いことを言っているけど、足がガクガクしてうまく歩けない。
とりあえずこのままだと見つかりそうだから、急いでノースランド公爵領にワープする。
「あはははは、足がガクガクしている」
「お姉ちゃん面白い!」
「ひー、腹痛いよー!」
「皆さん、その辺にしておいた方が。ふふふ」
足がガクガクした状態でワープしたので、ノースランド公爵領に着いたときも足がガクガクのまま。
そんな俺の姿を見て、エステルとミケとドラコに思いっきり笑われてしまった。
二人を止めようとしたリンも、くすくす笑っている。
他の人は、何とか笑いを堪えている。
「暗闇の中の水上を爆走してみろ。めちゃくちゃ怖いぞ」
「今回は非常時だから、体験者はサトーだけでいいや」
「やるときは、ルシアお姉ちゃんに頼むもん」
皆、かなり自分勝手なんだから。
あの恐怖は中々ないぞ。
お屋敷に戻ったら、エステルとミケとドラコが俺の足がガクガクしているのを皆の前で再現し、笑い者になってしまった。
三人は、明日のおやつ抜き決定です。
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