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第十一章 帝国編
第二百三十二話 事件の裏側
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「はあ、疲れたよ」
「無事に終わったのだから、良しとしなさいよ」
エステルにつっこまれたけど、色々あって疲れてしまった。
結論から言うと、ビアンカ殿下の誕生パーティーは問題なく終わった。
貴族主義の連中が、誕生パーティーが始まる前にごっそりと帰ったのもある。
王族の誕生パーティーでナイフを使い貴族当主に襲いかかるという前代未聞の事件が起こり、事件を起こした貴族と同じ派閥というのもあったのだろう。
余計な奴らが帰ったので、仲間内に近いメンバーでの誕生パーティーになった。
ソフィー皇女も勿論参加し、料理も含めて楽しんでくれた。
ついでだからと、知り合いの貴族にソフィー皇女を紹介し、ルキアさんとアルス王子との顔合わせも済ませた。
そしてスラタロウの作った料理も好評で、作っても足らなくなったので何故か俺も料理を作ることになった。
そしてパーティーが終わって、いつもの控室でへばっている所です。
「いやはや、無事に終わって良かった」
「始まる前はドタバタでしたわね」
「でも、お陰で余計な奴らも消えて楽しめましたわ」
「ソフィー皇女も楽しんで頂き、何よりでしたわ」
控室に陛下と王妃様達が入ってきた。
ビアンカ殿下と軍務卿も入ってくる。
うちは俺とエステルとリンに、ミケとレイアが控室にいて、他の人はうちに帰った。
「ようやく、ゆっくりとビアンカ殿下のドレス姿を見た気がします」
「サトーは、そこら中を忙しそうに走り回っていたからのう」
くくくっと笑うビアンカ殿下は、オレンジ色の鮮やかなドレスを着ている。
タラちゃん達の糸で作ったので、光沢もあり凄い逸品だと分かる。
「しかし、またというか懲りないというか。貴族主義の連中は、アホ揃いですね」
「全くだよ。お陰でパーティーに集中できなかった」
軍務卿は次々と報告されてくる尋問結果を聞いていたので、度々席を外していた。
お陰で、食べそこねた料理もあるという。
不満そうに不貞腐れているが、その気持ちはよく理解できる。
「とりあえず人神教国が背後にいて、ソフィー皇女をターゲットにしたのは間違いないな」
「そっくりさんを用意している時点で、狙ったのはもう確定ですね」
「ブルドッグ伯爵は、本当に迎賓館を予約しただけだな。ほぼ今回の件には絡んでいない。逆にレイアを二度襲った馬鹿は、前回レイアに返り討ちをされた後に、人神教国に唆されて今回の犯行を計画した様だ」
「それが息子の暴走でパーになったと」
だけどパーティー会場で魔獣化されたら、少なからず周囲に被害がでるはず。
その点は暴走してくれて良かった所だ。
「迎賓館で拘束した四名は、人神教国の暗殺者だった。実力はかなりのものらしい」
「それがタラちゃん達によってあっという間に拘束されてしまったと。相手が悪かったですね」
とはいえ、暗殺者を送り込んでくる辺り、人神教国にとってソフィー皇女とオーウェン皇子とベラ皇女は本当に邪魔者なのだろう。
うちにいる限りは安全だけど、外にいる時はかなり用心しないと。
「そして保護された人は、これまた可哀想な事になっていたよ。両親と食堂をやっていたらしいが、ワース金融に引っ掛かって借金を背負ったみたいだな。そしてワース金融に両親を誘拐されてしまい、助ける代わりにそっくりさんの真似をさせられたというわけだ。先程、軍によって無事に両親も助け出されたと報告があった」
そんな裏があったとは。
やはり人神教国が絡んでいたわけだ。
でなければ、悪意がないのに悪の片棒を担ぐ事はなかったはずだ。
「陛下。ワース金融は現在活動を規制していますが、王都だけでなく他の都市でも駆逐した方がいいですね」
「どうも取り立てもかなり酷いという。軍と手分けして、この国から駆逐しないとならないな」
ノースランド公爵領に向かう途中の男爵領でも感じたけど、手口がかなり荒っぽい。
ワース商会とは別の危うさを感じる。
「明日うちで行うビアンカ殿下の誕生パーティーの後に、何人かで帝国に行く予定でした。一部人員を残しますので、その面々で巡回にあたってもらいます」
「特にアルスとルキアの結婚式があるから、関係の深い領は早めに対応してもらうと助かる」
「結婚式で何かあっては困るので、特にルキアさんの所は重点的に対応します」
明日、早速ルキアさんの所を巡回しよう。
ソフィー皇女の件は大体話をしてあるし、理解してくれたから大丈夫なはず。
ルキアさんの結婚式の前に、色々決着をつけたい。
「無事に終わったのだから、良しとしなさいよ」
エステルにつっこまれたけど、色々あって疲れてしまった。
結論から言うと、ビアンカ殿下の誕生パーティーは問題なく終わった。
貴族主義の連中が、誕生パーティーが始まる前にごっそりと帰ったのもある。
王族の誕生パーティーでナイフを使い貴族当主に襲いかかるという前代未聞の事件が起こり、事件を起こした貴族と同じ派閥というのもあったのだろう。
余計な奴らが帰ったので、仲間内に近いメンバーでの誕生パーティーになった。
ソフィー皇女も勿論参加し、料理も含めて楽しんでくれた。
ついでだからと、知り合いの貴族にソフィー皇女を紹介し、ルキアさんとアルス王子との顔合わせも済ませた。
そしてスラタロウの作った料理も好評で、作っても足らなくなったので何故か俺も料理を作ることになった。
そしてパーティーが終わって、いつもの控室でへばっている所です。
「いやはや、無事に終わって良かった」
「始まる前はドタバタでしたわね」
「でも、お陰で余計な奴らも消えて楽しめましたわ」
「ソフィー皇女も楽しんで頂き、何よりでしたわ」
控室に陛下と王妃様達が入ってきた。
ビアンカ殿下と軍務卿も入ってくる。
うちは俺とエステルとリンに、ミケとレイアが控室にいて、他の人はうちに帰った。
「ようやく、ゆっくりとビアンカ殿下のドレス姿を見た気がします」
「サトーは、そこら中を忙しそうに走り回っていたからのう」
くくくっと笑うビアンカ殿下は、オレンジ色の鮮やかなドレスを着ている。
タラちゃん達の糸で作ったので、光沢もあり凄い逸品だと分かる。
「しかし、またというか懲りないというか。貴族主義の連中は、アホ揃いですね」
「全くだよ。お陰でパーティーに集中できなかった」
軍務卿は次々と報告されてくる尋問結果を聞いていたので、度々席を外していた。
お陰で、食べそこねた料理もあるという。
不満そうに不貞腐れているが、その気持ちはよく理解できる。
「とりあえず人神教国が背後にいて、ソフィー皇女をターゲットにしたのは間違いないな」
「そっくりさんを用意している時点で、狙ったのはもう確定ですね」
「ブルドッグ伯爵は、本当に迎賓館を予約しただけだな。ほぼ今回の件には絡んでいない。逆にレイアを二度襲った馬鹿は、前回レイアに返り討ちをされた後に、人神教国に唆されて今回の犯行を計画した様だ」
「それが息子の暴走でパーになったと」
だけどパーティー会場で魔獣化されたら、少なからず周囲に被害がでるはず。
その点は暴走してくれて良かった所だ。
「迎賓館で拘束した四名は、人神教国の暗殺者だった。実力はかなりのものらしい」
「それがタラちゃん達によってあっという間に拘束されてしまったと。相手が悪かったですね」
とはいえ、暗殺者を送り込んでくる辺り、人神教国にとってソフィー皇女とオーウェン皇子とベラ皇女は本当に邪魔者なのだろう。
うちにいる限りは安全だけど、外にいる時はかなり用心しないと。
「そして保護された人は、これまた可哀想な事になっていたよ。両親と食堂をやっていたらしいが、ワース金融に引っ掛かって借金を背負ったみたいだな。そしてワース金融に両親を誘拐されてしまい、助ける代わりにそっくりさんの真似をさせられたというわけだ。先程、軍によって無事に両親も助け出されたと報告があった」
そんな裏があったとは。
やはり人神教国が絡んでいたわけだ。
でなければ、悪意がないのに悪の片棒を担ぐ事はなかったはずだ。
「陛下。ワース金融は現在活動を規制していますが、王都だけでなく他の都市でも駆逐した方がいいですね」
「どうも取り立てもかなり酷いという。軍と手分けして、この国から駆逐しないとならないな」
ノースランド公爵領に向かう途中の男爵領でも感じたけど、手口がかなり荒っぽい。
ワース商会とは別の危うさを感じる。
「明日うちで行うビアンカ殿下の誕生パーティーの後に、何人かで帝国に行く予定でした。一部人員を残しますので、その面々で巡回にあたってもらいます」
「特にアルスとルキアの結婚式があるから、関係の深い領は早めに対応してもらうと助かる」
「結婚式で何かあっては困るので、特にルキアさんの所は重点的に対応します」
明日、早速ルキアさんの所を巡回しよう。
ソフィー皇女の件は大体話をしてあるし、理解してくれたから大丈夫なはず。
ルキアさんの結婚式の前に、色々決着をつけたい。
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