225 / 394
第十一章 帝国編
第二百二十五話 新たな逗留者
しおりを挟む
「あの、海龍さんですよね? サトーです。先程は色々助けて頂き、有難うございます」
「気にするな。ちゃんと美味い食事という報酬も貰ったからな。くそう、もう少し早く赤龍の誘いに乗っていれば、もっと美味い料理が食べられたのにな」
ソフィー皇女とオーウェン皇子にベラ皇女が部屋に戻ったタイミングで、助けてくれた海龍さんに声をかけた。
海龍さんはサバサバした人だった。
というか、ドラコの母親といい海龍さんといい、ダイナマイトボディだな。
「美味いメシにありつけるからと、念の為の警戒をお願いしたんだよ。そうしたらバカみたいにドンパチ始めやがったな」
「ドラコのお母さん、本当に有難うございます。正直助かりました」
「良いって事よ。ドラコやシラユキもそれなりに活躍したようだし、親としては満足だよ」
豪快な姉さんって感じだけど、ドラコのお母さんには何回もお世話になっているな。
改めてお礼しないと。
「そういや、ドラコとシラユキが学園行くんだって?」
「少しは世間の常識を身に着けないとな。覚えておいて損はないし」
「ふーん、そうか。おーい、ルシアちょっと来い」
おや? ドラコ達が学園に行くのを改めて聞いて、海龍さんは娘を呼び寄せた。
ルシアと呼ばれた娘は、ドラコとシラユキと共にこちらに来た。
「なあに、お母さん」
「ルシア、学園に興味あるか?」
「えっ、学園に行かせてくれるの? ドラコと話をしていて、行きたいなと思ったの」
ルシアは目をキラキラさせていた。
どうもドラコとの話で、色々な妄想が浮かんでいたらしい。
「サトー、どうすれば学園に入れるのだ?」
「えーっと、ドラコとシラユキは赤龍王の娘と血縁ということで、貴族扱いで入園となります」
「なら問題ないな、あたしの旦那は海龍王だから同じ対応だな」
「ソウデスネ……」
おおい、よりによってまた王様クラスの龍かよ!
しかもこのパターンは、うちに逗留する流れに……
「わーい、ルシアお姉ちゃんも一緒に住むんだ!」
「宜しくね!」
「楽しみ!」
「ふふふ、今度は海龍のウロコが手に入る」
わお、レイアはともかくとして、既にミケ達は歓迎モードだ。
これはもう、断るのは無理だぞ。
「うーん、うちに来るのはいいけど、何か仕事はしてもらわないとね」
「簡単なものでもいいけど、皆仕事してますから」
「最初は、誰かのお手伝いとかでも良いですよ」
と、ここに現れたのは俺の婚約者達。
もう既に色々仕切られています。
「暫くはドラコとシラユキのお手伝いかな。冒険者にも興味あるし」
ルシアはというと、既にドラコの手伝いをする気満々だった。
この回答に、婚約者達は頷いていた。
「それなら問題ないわね」
「歓迎しますわ」
「お屋敷に戻ったら、部屋を決めないといけませんね」
あの、俺はまだ一言もオッケー言っていないですけど。
もう何言っても無駄ですね。
「それなら、ルシアに会いに行きながら美味いメシも食えるわけか。一石二鳥だな」
そして海龍さん、もといルシアの母親は、娘に会いに行けば美味しいご飯にありつけるという事に気がついたようだ。
「サトー、早くも尻に敷かれておるのう」
陛下からの的確な指摘が、ぐさっと心に刺さった。
「気にするな。ちゃんと美味い食事という報酬も貰ったからな。くそう、もう少し早く赤龍の誘いに乗っていれば、もっと美味い料理が食べられたのにな」
ソフィー皇女とオーウェン皇子にベラ皇女が部屋に戻ったタイミングで、助けてくれた海龍さんに声をかけた。
海龍さんはサバサバした人だった。
というか、ドラコの母親といい海龍さんといい、ダイナマイトボディだな。
「美味いメシにありつけるからと、念の為の警戒をお願いしたんだよ。そうしたらバカみたいにドンパチ始めやがったな」
「ドラコのお母さん、本当に有難うございます。正直助かりました」
「良いって事よ。ドラコやシラユキもそれなりに活躍したようだし、親としては満足だよ」
豪快な姉さんって感じだけど、ドラコのお母さんには何回もお世話になっているな。
改めてお礼しないと。
「そういや、ドラコとシラユキが学園行くんだって?」
「少しは世間の常識を身に着けないとな。覚えておいて損はないし」
「ふーん、そうか。おーい、ルシアちょっと来い」
おや? ドラコ達が学園に行くのを改めて聞いて、海龍さんは娘を呼び寄せた。
ルシアと呼ばれた娘は、ドラコとシラユキと共にこちらに来た。
「なあに、お母さん」
「ルシア、学園に興味あるか?」
「えっ、学園に行かせてくれるの? ドラコと話をしていて、行きたいなと思ったの」
ルシアは目をキラキラさせていた。
どうもドラコとの話で、色々な妄想が浮かんでいたらしい。
「サトー、どうすれば学園に入れるのだ?」
「えーっと、ドラコとシラユキは赤龍王の娘と血縁ということで、貴族扱いで入園となります」
「なら問題ないな、あたしの旦那は海龍王だから同じ対応だな」
「ソウデスネ……」
おおい、よりによってまた王様クラスの龍かよ!
しかもこのパターンは、うちに逗留する流れに……
「わーい、ルシアお姉ちゃんも一緒に住むんだ!」
「宜しくね!」
「楽しみ!」
「ふふふ、今度は海龍のウロコが手に入る」
わお、レイアはともかくとして、既にミケ達は歓迎モードだ。
これはもう、断るのは無理だぞ。
「うーん、うちに来るのはいいけど、何か仕事はしてもらわないとね」
「簡単なものでもいいけど、皆仕事してますから」
「最初は、誰かのお手伝いとかでも良いですよ」
と、ここに現れたのは俺の婚約者達。
もう既に色々仕切られています。
「暫くはドラコとシラユキのお手伝いかな。冒険者にも興味あるし」
ルシアはというと、既にドラコの手伝いをする気満々だった。
この回答に、婚約者達は頷いていた。
「それなら問題ないわね」
「歓迎しますわ」
「お屋敷に戻ったら、部屋を決めないといけませんね」
あの、俺はまだ一言もオッケー言っていないですけど。
もう何言っても無駄ですね。
「それなら、ルシアに会いに行きながら美味いメシも食えるわけか。一石二鳥だな」
そして海龍さん、もといルシアの母親は、娘に会いに行けば美味しいご飯にありつけるという事に気がついたようだ。
「サトー、早くも尻に敷かれておるのう」
陛下からの的確な指摘が、ぐさっと心に刺さった。
60
お気に入りに追加
3,209
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる