198 / 394
第九章 王都生活編
第百九十八話 新しい家族と学園の話
しおりを挟む
「もう、大丈夫だね」
「サトーさんのお陰です。ありがとうございます」
シラユキさんの治療を始めて二週間。
時々メイドみたいな事をして体を動かしていたけど、もう毒の影響はなさそうだ。
というか、マイメイド服を持っているあたり、シラユキさんのお母さんと同じ性格な気がする。
お世話をするのが好きな性格っぽい。
今日は親方に頼んでいた刀も受け取らないといけないので、シラユキさんの送迎と皆の観光を兼ねて行きます。
「ドーラーコー!」
「お父さんうざい」
「酷い!」
相変わらず暑苦しいドラコのお父さんの歓迎を受けつつ、ドラコの実家でドラコのお母さんとおばさんと対面。
ドラコのおばさんは、元気になったシラユキさんの事を涙を流しながら抱き締めていた。
「サトーさん。この度は何とお礼を申したらよいか」
「いえいえ、でも無事に元気になって良かったですね」
ドラコのおばさんは、俺に何度も丁寧なお礼を言っていた。
一時期は危なかったし、普通の人間だったら即死間違い無しの毒だったからな。
ちなみにあのときシラユキさんを襲った親玉の貴族は、闇取引とかも追加になって罰金と降格に強制当主交代で、本人は教会送りという名の無期禁錮。
俺としては少しぬるい判決かと思ったけど、そうポンポンと貴族を潰すと後処理も大変らしい。
と、ここでシラユキさんが母親に何か言うことがあるとの事。
「お母さん。可能ならサトーさんの所で色々勉強させて貰ってもいいですか?」
「シラユキ、サトーさんが良いと言うなら勿論大丈夫だけど」
うちで色々社会勉強をしたいそうだ。
うちで過ごしている内に、世間とのギャップを感じたらしい。
ついでに、学園で勉強するのも良いかも。
「エステル、学園に入学する基準はある?」
「貴族の子弟は男女関係なく入学できるよ。後は、一般市民でも商会の所は入ってくるし、貧しい人も特別奨学枠があるよ」
「結構幅広く門戸を開いているんだな」
「成績優秀者は王城や軍から誘いもくるし、優秀者の確保の意味合いもあるからね。まあ貴族主義の連中はブーブー言っていて、成績も最悪だけど」
「何となく貴族主義の事は想像できたよ」
「ドラコとシラユキは、赤龍王の家系だから貴族枠として扱われるよ。まあサトーの保護にある子だから、全く問題ないと思うよ」
ドラコの父親をみると全く想像できないけど、ドラコもシラユキも赤龍王の家系か。
なら貴族枠になっても、全く不思議ではないな。
「うちに受け入れるのは問題ないですよ。聞いてもらった通り学園への入学も問題ないので、色々な事を学べると思います」
「そうですか。申し訳ありませんが、シラユキを宜しくお願いします」
ということで、シラユキさんはうちに逗留することが決定。
「サトーさん、宜しくお願いします」
「宜しくね、シラユキさん」
「どうか、シラユキと呼んでください。これからはドラコと一緒の立場になりますので」
俺がドラコを呼び捨てで呼んでいるので、それにあわせて欲しいそうだ。
「わーい、シラユキお姉ちゃんも一緒だ」
「宜しくね! ミケちゃん」
早速、子ども達がシラユキに抱き着いている。
見た目はおしくら饅頭をやっている様だ。
もはや家族が増えたときの恒例行事だな。
そして、一人フリーズしている。
「サトー、僕も学園に行くの?」
「ドラコ、お前は強制だ。色々な事を知らなすぎる」
「そうね、ドラコは少し勉強をしないと。お父さんの様になりたいの?」
「それは嫌だ!」
ドラコは母親にこのままでは父親になると言われた。
それがだいぶショックだったのか、ドラコも学園に行くことになった。
「これで来年うちから学園に行くのは、ドラコとシラユキ、後はシルク様にアメリアとカミラとノラにクロエか」
「ビアンカと婚約者のヴィルもいるし、知り合いが多いから大丈夫でしょう」
来年はうちの子とかビアンカ殿下とか、知り合いが数多く学園に行くな。
ちなみにバルガス様の所のサリー様は、再来年入学になるという。
「入学までの勉強は、フローレンスちゃんがいるから大丈夫でしょう。何せ主席だし」
「すげー! でもそれなら、王妃様のメイドをやっているのも納得だ」
「礼儀作法もフローレンスちゃんで大丈夫だし、剣技は私とリンちゃんでオッケー。魔法は皆できるんだよね」
「何故にエステルが勉強と礼儀作法から外れるのだ?」
「そこは……ほら、適材適所で!」
視線を外すエステルの事は置いておくにせよ、わざわざ家庭教師を雇う必要はない。
これからは、朝と夜に少しずつ勉強をさせよう。
「あなた、ついでだから勉強してきたら」
「勉強は嫌だー!」
うん、間違いなくドラコの勉強嫌いは父親譲りだ。
勉強に対してここまで拒否を示すとは。
「サトーさんのお陰です。ありがとうございます」
シラユキさんの治療を始めて二週間。
時々メイドみたいな事をして体を動かしていたけど、もう毒の影響はなさそうだ。
というか、マイメイド服を持っているあたり、シラユキさんのお母さんと同じ性格な気がする。
お世話をするのが好きな性格っぽい。
今日は親方に頼んでいた刀も受け取らないといけないので、シラユキさんの送迎と皆の観光を兼ねて行きます。
「ドーラーコー!」
「お父さんうざい」
「酷い!」
相変わらず暑苦しいドラコのお父さんの歓迎を受けつつ、ドラコの実家でドラコのお母さんとおばさんと対面。
ドラコのおばさんは、元気になったシラユキさんの事を涙を流しながら抱き締めていた。
「サトーさん。この度は何とお礼を申したらよいか」
「いえいえ、でも無事に元気になって良かったですね」
ドラコのおばさんは、俺に何度も丁寧なお礼を言っていた。
一時期は危なかったし、普通の人間だったら即死間違い無しの毒だったからな。
ちなみにあのときシラユキさんを襲った親玉の貴族は、闇取引とかも追加になって罰金と降格に強制当主交代で、本人は教会送りという名の無期禁錮。
俺としては少しぬるい判決かと思ったけど、そうポンポンと貴族を潰すと後処理も大変らしい。
と、ここでシラユキさんが母親に何か言うことがあるとの事。
「お母さん。可能ならサトーさんの所で色々勉強させて貰ってもいいですか?」
「シラユキ、サトーさんが良いと言うなら勿論大丈夫だけど」
うちで色々社会勉強をしたいそうだ。
うちで過ごしている内に、世間とのギャップを感じたらしい。
ついでに、学園で勉強するのも良いかも。
「エステル、学園に入学する基準はある?」
「貴族の子弟は男女関係なく入学できるよ。後は、一般市民でも商会の所は入ってくるし、貧しい人も特別奨学枠があるよ」
「結構幅広く門戸を開いているんだな」
「成績優秀者は王城や軍から誘いもくるし、優秀者の確保の意味合いもあるからね。まあ貴族主義の連中はブーブー言っていて、成績も最悪だけど」
「何となく貴族主義の事は想像できたよ」
「ドラコとシラユキは、赤龍王の家系だから貴族枠として扱われるよ。まあサトーの保護にある子だから、全く問題ないと思うよ」
ドラコの父親をみると全く想像できないけど、ドラコもシラユキも赤龍王の家系か。
なら貴族枠になっても、全く不思議ではないな。
「うちに受け入れるのは問題ないですよ。聞いてもらった通り学園への入学も問題ないので、色々な事を学べると思います」
「そうですか。申し訳ありませんが、シラユキを宜しくお願いします」
ということで、シラユキさんはうちに逗留することが決定。
「サトーさん、宜しくお願いします」
「宜しくね、シラユキさん」
「どうか、シラユキと呼んでください。これからはドラコと一緒の立場になりますので」
俺がドラコを呼び捨てで呼んでいるので、それにあわせて欲しいそうだ。
「わーい、シラユキお姉ちゃんも一緒だ」
「宜しくね! ミケちゃん」
早速、子ども達がシラユキに抱き着いている。
見た目はおしくら饅頭をやっている様だ。
もはや家族が増えたときの恒例行事だな。
そして、一人フリーズしている。
「サトー、僕も学園に行くの?」
「ドラコ、お前は強制だ。色々な事を知らなすぎる」
「そうね、ドラコは少し勉強をしないと。お父さんの様になりたいの?」
「それは嫌だ!」
ドラコは母親にこのままでは父親になると言われた。
それがだいぶショックだったのか、ドラコも学園に行くことになった。
「これで来年うちから学園に行くのは、ドラコとシラユキ、後はシルク様にアメリアとカミラとノラにクロエか」
「ビアンカと婚約者のヴィルもいるし、知り合いが多いから大丈夫でしょう」
来年はうちの子とかビアンカ殿下とか、知り合いが数多く学園に行くな。
ちなみにバルガス様の所のサリー様は、再来年入学になるという。
「入学までの勉強は、フローレンスちゃんがいるから大丈夫でしょう。何せ主席だし」
「すげー! でもそれなら、王妃様のメイドをやっているのも納得だ」
「礼儀作法もフローレンスちゃんで大丈夫だし、剣技は私とリンちゃんでオッケー。魔法は皆できるんだよね」
「何故にエステルが勉強と礼儀作法から外れるのだ?」
「そこは……ほら、適材適所で!」
視線を外すエステルの事は置いておくにせよ、わざわざ家庭教師を雇う必要はない。
これからは、朝と夜に少しずつ勉強をさせよう。
「あなた、ついでだから勉強してきたら」
「勉強は嫌だー!」
うん、間違いなくドラコの勉強嫌いは父親譲りだ。
勉強に対してここまで拒否を示すとは。
62
お気に入りに追加
3,218
あなたにおすすめの小説


貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

貴族に転生してユニークスキル【迷宮】を獲得した俺は、次の人生こそ誰よりも幸せになることを目指す
名無し
ファンタジー
両親に愛されなかったことの不満を抱えながら交通事故で亡くなった主人公。気が付いたとき、彼は貴族の長男ルーフ・ベルシュタインとして転生しており、家族から愛されて育っていた。ルーフはこの幸せを手放したくなくて、前世で両親を憎んで自堕落な生き方をしてきたことを悔い改め、この異世界では後悔しないように高みを目指して生きようと誓うのだった。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる