176 / 394
第七章 ゴレス侯爵領
第百七十六話 呼び方を変えよう
しおりを挟む
「本当は王都の屋敷を渡したり、ゴレス領の役人を紹介する予定だったが、このゴタゴタでは無理じゃろう。後日改めて呼ぶとする」
「そうですね。レイアもフローレンスさんも心配ですし、落ち着いたら伺います」
陛下とも話したが、ゴレス領での襲撃に謁見の間での傷害事件。トドメに毒殺未遂と、これだけの事があれば当分は落ち着かないだろう。
全く、短絡的に物事を起こし過ぎだよ。
自己の権利を守るがための暴走だから、擁護のしようもない。
「サトー、私達も改めてお茶会に誘います。その時はフローレンスも連れてきてね」
「はい、無事に再開できる様にしっかりと治療します」
「お願いね。彼女の荷物を纏めておいたから、持っていってね」
王妃様もお茶会が流れてしまったので、改めて誘ってくれるという。
それまでにフローレンスさんを、しっかりと治さないと。
俺は朝連れてきた人を領地に送り届けた後、皆をゴレス領へ送り届けた。
ちなみにアルス王子は、当面は王城に残って今回の事件の対応をしないとならないという。
俺もビアンカ殿下もレイアも王城に呼ばれる事があるというので、暫くはゴレス領の事を他の人に任せないとならない。
「そういう事があったんですね」
「だから皆さん落ち込んでおられたのですか」
食堂に集まって事の次第を説明したら、シルク様やクロエも納得してくれた。
あの明るいエステル殿下とリンさんが、フローレンスさんが運ばれた部屋で悲しい顔で看病をしていた。
同級生が自害未遂を起こすまで追い詰められたのが、相当に悲しくて悔しいらしい。
「アメリア様にカミラ様にノラ様、それにマシュー君達は、元の家から正式に俺の保護下に入ります。なので、家名もライズ姓に変わります」
「分かりました。これからはどうかアメリアとお呼びください」
「私も同じです」
「様付けは取って頂けると」
「アメリアさん?」
「アメリアでお願いします」
「アメリアにカミラにノラ?」
「「「はい」」」
俺の家に正式に入ったので、呼び捨てで読んでほしいと。
今まで特別扱いされている様で、俺がクロエを呼び捨てにしているのが羨ましいと感じたという。
「じゃあ、私も呼び捨てにしてほしいな」
「婚約発表もされましたし、問題ないかと」
ここで、フローレンスさんの看病を終えたエステル殿下とリンさんが食堂に入ってきた。
婚約発表したから、呼び捨てにしてくれということらしい。
「えーっと、エステルにリン?」
「うん!」
「これからも呼び捨てでお願いします」
エステルとリンは、殿下とさんが取れてとっても嬉しそうだ。
「となると、リン様に使えている我々も呼び捨てで呼ばないといけませんね」
「私もサトー様と言います。さあ、私の事を呼び捨てで呼んでください!」
「うう、言いづらい。特にマリリさんをマリリと呼ぶのが、とっても言いづらい」
「何でですか!」
オリガにマリリか。
ずっと一緒にいたから、今更呼び捨てにするのは難しい。
特にマリリさんと、呼ばないといけない気になってしまう。
「ちなみに、シルク様とビアンカ殿下は他家の当主や他の人に嫁ぐので、このままですよ」
「うーん、できれば呼び捨ては難しくても様はちょっと」
「妾は別にどう呼ばれても構わん。サトーとの付き合いも長くなったのでな」
すみません、お二人はこのままにさせて下さい。
これ以上一気に呼び名を変えると、俺が色々混乱して追いつかない。
「レイアも貴族になったけど、パパは呼び方変える?」
「レイアはレイアだから、これからも変わらないよ。それともサルビア卿と言った方がいいかな?」
「うー、パパの意地悪」
レイアはちょっとすねているけど、公式の場では気をつけないといけないな。
まあ、このメンバーならミケもレイアも呼び方は変わらないだろう。
「そういえば、フローレンスさんの容態はどうだった?」
「大量に血を吐いたから、暫くは安静にしないと」
「それよりも、精神的なケアが必要ですね」
「自害を決意するまで追い込まれましたからね。王妃様とかもかなり怒っていましたし」
フローレンスさんは暫くメイド業務はお休みしてもらって、ゆっくりと静養してもらおう。
ということで、今日は夕食も簡単に食べて直ぐに皆就寝することに。
馬鹿者の襲撃で朝早く起こされたから、もうすごく眠い。
お風呂も簡単に済ませて、直ぐに眠りについた。
「そうですね。レイアもフローレンスさんも心配ですし、落ち着いたら伺います」
陛下とも話したが、ゴレス領での襲撃に謁見の間での傷害事件。トドメに毒殺未遂と、これだけの事があれば当分は落ち着かないだろう。
全く、短絡的に物事を起こし過ぎだよ。
自己の権利を守るがための暴走だから、擁護のしようもない。
「サトー、私達も改めてお茶会に誘います。その時はフローレンスも連れてきてね」
「はい、無事に再開できる様にしっかりと治療します」
「お願いね。彼女の荷物を纏めておいたから、持っていってね」
王妃様もお茶会が流れてしまったので、改めて誘ってくれるという。
それまでにフローレンスさんを、しっかりと治さないと。
俺は朝連れてきた人を領地に送り届けた後、皆をゴレス領へ送り届けた。
ちなみにアルス王子は、当面は王城に残って今回の事件の対応をしないとならないという。
俺もビアンカ殿下もレイアも王城に呼ばれる事があるというので、暫くはゴレス領の事を他の人に任せないとならない。
「そういう事があったんですね」
「だから皆さん落ち込んでおられたのですか」
食堂に集まって事の次第を説明したら、シルク様やクロエも納得してくれた。
あの明るいエステル殿下とリンさんが、フローレンスさんが運ばれた部屋で悲しい顔で看病をしていた。
同級生が自害未遂を起こすまで追い詰められたのが、相当に悲しくて悔しいらしい。
「アメリア様にカミラ様にノラ様、それにマシュー君達は、元の家から正式に俺の保護下に入ります。なので、家名もライズ姓に変わります」
「分かりました。これからはどうかアメリアとお呼びください」
「私も同じです」
「様付けは取って頂けると」
「アメリアさん?」
「アメリアでお願いします」
「アメリアにカミラにノラ?」
「「「はい」」」
俺の家に正式に入ったので、呼び捨てで読んでほしいと。
今まで特別扱いされている様で、俺がクロエを呼び捨てにしているのが羨ましいと感じたという。
「じゃあ、私も呼び捨てにしてほしいな」
「婚約発表もされましたし、問題ないかと」
ここで、フローレンスさんの看病を終えたエステル殿下とリンさんが食堂に入ってきた。
婚約発表したから、呼び捨てにしてくれということらしい。
「えーっと、エステルにリン?」
「うん!」
「これからも呼び捨てでお願いします」
エステルとリンは、殿下とさんが取れてとっても嬉しそうだ。
「となると、リン様に使えている我々も呼び捨てで呼ばないといけませんね」
「私もサトー様と言います。さあ、私の事を呼び捨てで呼んでください!」
「うう、言いづらい。特にマリリさんをマリリと呼ぶのが、とっても言いづらい」
「何でですか!」
オリガにマリリか。
ずっと一緒にいたから、今更呼び捨てにするのは難しい。
特にマリリさんと、呼ばないといけない気になってしまう。
「ちなみに、シルク様とビアンカ殿下は他家の当主や他の人に嫁ぐので、このままですよ」
「うーん、できれば呼び捨ては難しくても様はちょっと」
「妾は別にどう呼ばれても構わん。サトーとの付き合いも長くなったのでな」
すみません、お二人はこのままにさせて下さい。
これ以上一気に呼び名を変えると、俺が色々混乱して追いつかない。
「レイアも貴族になったけど、パパは呼び方変える?」
「レイアはレイアだから、これからも変わらないよ。それともサルビア卿と言った方がいいかな?」
「うー、パパの意地悪」
レイアはちょっとすねているけど、公式の場では気をつけないといけないな。
まあ、このメンバーならミケもレイアも呼び方は変わらないだろう。
「そういえば、フローレンスさんの容態はどうだった?」
「大量に血を吐いたから、暫くは安静にしないと」
「それよりも、精神的なケアが必要ですね」
「自害を決意するまで追い込まれましたからね。王妃様とかもかなり怒っていましたし」
フローレンスさんは暫くメイド業務はお休みしてもらって、ゆっくりと静養してもらおう。
ということで、今日は夕食も簡単に食べて直ぐに皆就寝することに。
馬鹿者の襲撃で朝早く起こされたから、もうすごく眠い。
お風呂も簡単に済ませて、直ぐに眠りについた。
60
お気に入りに追加
3,209
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた! 〜仲間と一緒に難題を解決します!〜
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
異世界転生した主人公が、仲間と共に難題に巻き込まれていき、頑張って解決していきます
詳細説明
ブラック企業に勤めているサトーは、仕事帰りにお酒を飲んで帰宅中に道端の段ボールに入っていた白い子犬と三毛の子猫を撫でていたところ、近くで事故を起こした車に突っ込まれてしまった
白い子犬と三毛の子猫は神の使いで、サトーは天界に行きそこから異世界に転生する事になった。
魂の輪廻転生から外れてしまった為の措置となる。
そして異世界に転生したその日の内に、サトーは悪徳貴族と闇組織の争いに巻き込まれる事に
果たしてサトーは、のんびりとした異世界ライフをする事が出来るのか
王道ファンタジーを目指して書いていきます
本作品は、作者が以前に投稿しました「【完結済】異世界転生したので、のんびり冒険したい!」のリメイク作品となります
登場人物やストーリーに変更が発生しております
20230205、「異世界に転生したので、ゆっくりのんびりしたい」から「異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた!」に題名を変更しました
小説家になろう様にも投稿しています
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる