172 / 394
第七章 ゴレス侯爵領
第百七十二話 王都に向かったふりだったけど……
しおりを挟む
「では、行ってくるよ」
「「行ってらっしゃい!」」
謁見の日の三日前に、俺達は王都に向かったふりをする。
ちなみに今回の謁見は、俺とエステル殿下とビアンカ殿下に、リンさんとミケとレイアが対象となる。
御者はオリガさんがやってくれるという。
本当は、当日にアルス王子やルキアさんにヘレーネ様とかも一緒に行く予定だ。
バルカス様とテリー様は別口で行くらしいので、王都で合流予定。
何でも、改革派の貴族を紹介したいらしい。
だが、俺がその貴族を覚えられるかとても不安だ。昔から、人の名前を覚えるのが苦手なんだよな。
「あ、お兄ちゃんいたよ」
おっと、本来の目的を忘れてはならない。
ミケがめざとく斥候を見つけたようだ。
不自然にならないように、だけどわざとらしくならないように話をしながら馬車を走らせる。
どうやら斥候は、俺達が王都に向かって出発したと連絡したようだ。
ついでだから、少し馬車を進ませて途中の街によってみようとなった。
暫く天気も良かったので、路面状況も全く問題ない。
馬も走りやすいのか結構スピードを出しているが、前の様に暴走しているわけではないので皆も気にしていない。
あっと言う間に、最初の街に到着。
「ここは穀物とかが取れるんですね」
「そこそこ人も多いし、賑わっておるのう」
「一杯野菜も売っている。ゴレス領の野菜も売れるかな?」
小領地の中では比較的大きい子爵領なので、周辺領地から野菜や果物が沢山集められて販売されていた。
だけどこれから作る野菜はかぶっていないし、商機はありそうだ。
休憩をして市場で色々買い込んで、次の街に出発。
のどかな田舎道が続いていて、特に危険な事もなく進んでいく。
馬車の中で子爵領で購入した物を食べながら喋っていたら、次の街に到着。
「ここは近衛騎士の見回りできたことあるよ」
「王都に近いので、まさに宿場町って感じですね」
男爵領とのことだが、宿場町と言う感じで活気がある。
色々な人種の人もいて、とにかく人が多い。
エステル殿下も来たことがあるというので、長居せずに次の街に向かう。
「あれ、あれってお城だよ!」
そんなこんなでどんどんと街を進んでいたら、三時くらいには小さく王城が見えてきた。
あれ? ゴレス領から王都までは、三日はかかるはずだよね?
途中あまり休んでいないとはいえ、だいぶ早くついたぞ。
「それで、ついでに王城に寄ったと。呆れたものだな」
「流石に王城にきて、そのまま引き返すのは失礼かと」
王城のいつもの控室に向かったら、案の定お菓子を食べていた陛下が待っていた。
ちなみにレイアはちょうどタイミングがいいと言うことで、普段用のと謁見用の執務官服のサイズ合わせをしている。
暫く待っていると、何故か王妃様に手を引かれているレイアがやってきた。
「ほほー、よく似合っているな」
「ええ、とっても可愛くできているわ」
陛下も王妃様もよく似合っていると、レイアの事を褒めていた。
パンツスタイルの服で、色は白を基調にしている。
それに濃い青色のジャケットの様な服を羽織っている。
レイアの髪の色にもあっていて、とても似合っている。
「パパ、似合っている?」
「ああ、とってもよく似合っているよ」
レイアも嬉しそうで、ジャケットをひらひらさせていた。
あんまり遅くなっても仕方ないので、ここでゴレス領に戻ることにした。
斥候の人に見つからないようにお屋敷の裏庭にワープしてお屋敷の中に入ると、マリリさんが待っていた。
「おかえりなさい。遅かったですね」
「次々に街に行ったらいつの間にか王都に着いちゃいまして、陛下にあってレイアの服をあわせてました」
「はー、まああの馬なら可能ですね。子ども達も待っていますので、食事にしましょう」
王都に行くふりが本当に行ってしまったけど、特に問題もなかったし王都入った記録も残せたし良しとしておこう。
「「行ってらっしゃい!」」
謁見の日の三日前に、俺達は王都に向かったふりをする。
ちなみに今回の謁見は、俺とエステル殿下とビアンカ殿下に、リンさんとミケとレイアが対象となる。
御者はオリガさんがやってくれるという。
本当は、当日にアルス王子やルキアさんにヘレーネ様とかも一緒に行く予定だ。
バルカス様とテリー様は別口で行くらしいので、王都で合流予定。
何でも、改革派の貴族を紹介したいらしい。
だが、俺がその貴族を覚えられるかとても不安だ。昔から、人の名前を覚えるのが苦手なんだよな。
「あ、お兄ちゃんいたよ」
おっと、本来の目的を忘れてはならない。
ミケがめざとく斥候を見つけたようだ。
不自然にならないように、だけどわざとらしくならないように話をしながら馬車を走らせる。
どうやら斥候は、俺達が王都に向かって出発したと連絡したようだ。
ついでだから、少し馬車を進ませて途中の街によってみようとなった。
暫く天気も良かったので、路面状況も全く問題ない。
馬も走りやすいのか結構スピードを出しているが、前の様に暴走しているわけではないので皆も気にしていない。
あっと言う間に、最初の街に到着。
「ここは穀物とかが取れるんですね」
「そこそこ人も多いし、賑わっておるのう」
「一杯野菜も売っている。ゴレス領の野菜も売れるかな?」
小領地の中では比較的大きい子爵領なので、周辺領地から野菜や果物が沢山集められて販売されていた。
だけどこれから作る野菜はかぶっていないし、商機はありそうだ。
休憩をして市場で色々買い込んで、次の街に出発。
のどかな田舎道が続いていて、特に危険な事もなく進んでいく。
馬車の中で子爵領で購入した物を食べながら喋っていたら、次の街に到着。
「ここは近衛騎士の見回りできたことあるよ」
「王都に近いので、まさに宿場町って感じですね」
男爵領とのことだが、宿場町と言う感じで活気がある。
色々な人種の人もいて、とにかく人が多い。
エステル殿下も来たことがあるというので、長居せずに次の街に向かう。
「あれ、あれってお城だよ!」
そんなこんなでどんどんと街を進んでいたら、三時くらいには小さく王城が見えてきた。
あれ? ゴレス領から王都までは、三日はかかるはずだよね?
途中あまり休んでいないとはいえ、だいぶ早くついたぞ。
「それで、ついでに王城に寄ったと。呆れたものだな」
「流石に王城にきて、そのまま引き返すのは失礼かと」
王城のいつもの控室に向かったら、案の定お菓子を食べていた陛下が待っていた。
ちなみにレイアはちょうどタイミングがいいと言うことで、普段用のと謁見用の執務官服のサイズ合わせをしている。
暫く待っていると、何故か王妃様に手を引かれているレイアがやってきた。
「ほほー、よく似合っているな」
「ええ、とっても可愛くできているわ」
陛下も王妃様もよく似合っていると、レイアの事を褒めていた。
パンツスタイルの服で、色は白を基調にしている。
それに濃い青色のジャケットの様な服を羽織っている。
レイアの髪の色にもあっていて、とても似合っている。
「パパ、似合っている?」
「ああ、とってもよく似合っているよ」
レイアも嬉しそうで、ジャケットをひらひらさせていた。
あんまり遅くなっても仕方ないので、ここでゴレス領に戻ることにした。
斥候の人に見つからないようにお屋敷の裏庭にワープしてお屋敷の中に入ると、マリリさんが待っていた。
「おかえりなさい。遅かったですね」
「次々に街に行ったらいつの間にか王都に着いちゃいまして、陛下にあってレイアの服をあわせてました」
「はー、まああの馬なら可能ですね。子ども達も待っていますので、食事にしましょう」
王都に行くふりが本当に行ってしまったけど、特に問題もなかったし王都入った記録も残せたし良しとしておこう。
54
お気に入りに追加
3,211
あなたにおすすめの小説

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた! 〜仲間と一緒に難題を解決します!〜
藤なごみ
ファンタジー
簡易説明
異世界転生した主人公が、仲間と共に難題に巻き込まれていき、頑張って解決していきます
詳細説明
ブラック企業に勤めているサトーは、仕事帰りにお酒を飲んで帰宅中に道端の段ボールに入っていた白い子犬と三毛の子猫を撫でていたところ、近くで事故を起こした車に突っ込まれてしまった
白い子犬と三毛の子猫は神の使いで、サトーは天界に行きそこから異世界に転生する事になった。
魂の輪廻転生から外れてしまった為の措置となる。
そして異世界に転生したその日の内に、サトーは悪徳貴族と闇組織の争いに巻き込まれる事に
果たしてサトーは、のんびりとした異世界ライフをする事が出来るのか
王道ファンタジーを目指して書いていきます
本作品は、作者が以前に投稿しました「【完結済】異世界転生したので、のんびり冒険したい!」のリメイク作品となります
登場人物やストーリーに変更が発生しております
20230205、「異世界に転生したので、ゆっくりのんびりしたい」から「異世界に転生したら、いきなり面倒ごとに巻き込まれた!」に題名を変更しました
小説家になろう様にも投稿しています

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる