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第六章 叙爵と極秘作戦
第百五十一話 作戦会議其のニ
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「酷いのう、これが人間のやることか」
「あまりの酷さに、涙が止まりませんわ」
「こんな小さな子どもを残すなんて。両親はさぞかし無念だったでしょうね」
会議に先立って、追加で来た人は安置所の遺体に冥福を捧げていた。
皆一同に、あまりの酷さに言葉を失っていた。
「外務卿、人神教国との交渉は遠慮はいらんぞ」
「かしこまりました。このような悲劇が許されてはいけません」
陛下は外務卿に、この後あるであろう交渉の話をしていた。
外務卿の表情は、かなり固かった。生で見る惨状に、改めて人神教国の残虐さが分かったようだ。
「内務卿、ゴレス侯爵の取り調べは厳しく行うのだ。ゴレス侯爵領はサトー達が現地に着いたら、直接様子を見るように」
「かしこまりました」
早速俺はタクシー代わりですか。
これから色々と便利な扱いをされそうだ……
ここでオリガさんが俺に話しかけてきた。
オリガさんの肩には、偵察に出ていたサファイアが止まっていた。
「サトー様、サファイアが帰ってきました」
「あれ? 早くないですか?」
「どうやら、およそ一時間くらいのところまできているようです。魔物に魔獣共に千程の集団だそうです」
「あ、のろしが上がりましたね。確かに敵は近そうですね」
「ちなみに、既にサファイアが魔物の大半を倒したそうです。魔獣は無理やりされている人がいたから、倒すことはしなかったとの事です」
「もう既に戦力半減じゃん。ギース伯爵らは、こんな戦力でよく王国に反乱起こしたな……」
サファイアが強いのもあるけど、どう考えても見込み違いの戦力じゃん。
昨日の魔物の溢れも楽勝だったらしいし、国境も問題なかったというからな。
とりあえず偉い人と作戦会議をしよう。
「えー、ゴレス侯爵領から魔獣と魔物それぞれ千はいるそうです。およそ一時間にこちらに到着するそうです」
「中々の規模じゃのう」
「しかしながら、既に偵察に行ったオリガさんの従魔が一羽で魔物を殆ど討伐したとの事です」
「「「……」」」
「まあサファイアが強いのもありますが、いくらなんでも引き連れている魔物が弱すぎです」
皆一斉にため息をついている。
俺と同じで、想像以上に魔物が弱いと思ったのだろう。
報告だとオークやゴブリンが中心らしかったので、それでは数がいてもサファイアの敵ではないな。
「聖魔法で状態異常をかけて強制的に魔獣にされた人を救いつつ、魔獣を討伐しましょう」
「無難じゃのう」
「獣人部隊で十分だと思います。タラちゃんとかと一緒に、囚われていた人の救出班を作りましょう」
ビアンカ殿下とルキアさんも賛同してくれたので、これでいいだろう。
特にルキアさんは魔獣にされた人の解放も経験しているし、俺としてはとても心強い。
「森の方は、ミケとスラタロウと馬が一頭いれば大丈夫か」
「何人か補助つければいいじゃろう」
ほぼ悪い魔物しかいない森の方は、適当に戦力割り振ればいいだろう。
俺としては、ミケとかが戦闘でやりすぎて地形が変わる方が怖い。
「街中は市民の安心を出すために、兵を多めに配置しておいた方がいいですね」
「ヘレーネが先頭に立つことによって、市民にも新しい体制のアピールができるできるじゃろう」
市内はあえて市民にアピールする様な体制を取るようにしよう。
爵位継承者はノア様だけど、当面の統治はヘレーネ様とダニエル様が行う。
顔を売る意味も込めて、派手に目立ってもらおう。
「陛下、軍務卿。いかがでしょうか?」
「サトーが言うなら大丈夫じゃろう」
「昨日も防いでいるし、逆に魔獣の方が対処しやすいだろうな」
陛下と軍務卿からもオッケーが出た。
対策会議にかかった時間、僅か五分。
この後どうしようかと思っていたら、お偉方が三つに分かれた。
陛下とアイザック伯爵は、ゴレス侯爵領からの魔獣討伐に同行するという。
軍務卿に王妃様達と王子達は、森の方に向かうとの事。
その他の閣僚は、ヘレーネ様達と一緒に市内にいるらしい。
どうも、久々の大規模戦闘と言うことで、お偉方はワクワクしているという。
というか、王妃様達は戦う気満々だよな。
ということで、こちらもメンバー分け。
ゴレス侯爵領からの魔獣には、ルキアさん指揮する獣人部隊を中心として、俺とララとリリとドラコが入る。
陛下達の護衛に、オリガさんとガルフさん。
従魔はルキアさんのヤキトリとタラちゃんにポチとサファイアが入る。
後は救出した人の治療に、ブルーノ侯爵領の治療班が後方に構える。
森の方はビアンカ殿下とミケを中心に、シルク様とシルと馬一頭が入る。
もうこの時点で過剰戦力だけど、ここにスラタロウとフランソワにフウも入ることに。
王妃様達と王子達の護衛は、マリリさんとマルクさんが勤める。
市内巡回は、ヘレーネ様とダニエル様を中心にしてエステル殿下とリンさんがサポートに入る。
もう一頭の馬とレイアもここに入るそうだ。レイアは、閣僚と話があるという。
ショコラが市内を空から監視して、時々街道の分岐も見に行くという。
ちなみにホワイトは教会で治療役を継続中で、タコヤキも炊き出しを普通に続けている。
ギース伯爵領の騎士団も巡回を強化していて、ほぼ抜けはなさそう。
念には念を入れたけど、ちょっとやりすぎかなと思いつつ敵を迎え撃つ準備が整った。
さて、俺達も移動を開始しよう。
「あまりの酷さに、涙が止まりませんわ」
「こんな小さな子どもを残すなんて。両親はさぞかし無念だったでしょうね」
会議に先立って、追加で来た人は安置所の遺体に冥福を捧げていた。
皆一同に、あまりの酷さに言葉を失っていた。
「外務卿、人神教国との交渉は遠慮はいらんぞ」
「かしこまりました。このような悲劇が許されてはいけません」
陛下は外務卿に、この後あるであろう交渉の話をしていた。
外務卿の表情は、かなり固かった。生で見る惨状に、改めて人神教国の残虐さが分かったようだ。
「内務卿、ゴレス侯爵の取り調べは厳しく行うのだ。ゴレス侯爵領はサトー達が現地に着いたら、直接様子を見るように」
「かしこまりました」
早速俺はタクシー代わりですか。
これから色々と便利な扱いをされそうだ……
ここでオリガさんが俺に話しかけてきた。
オリガさんの肩には、偵察に出ていたサファイアが止まっていた。
「サトー様、サファイアが帰ってきました」
「あれ? 早くないですか?」
「どうやら、およそ一時間くらいのところまできているようです。魔物に魔獣共に千程の集団だそうです」
「あ、のろしが上がりましたね。確かに敵は近そうですね」
「ちなみに、既にサファイアが魔物の大半を倒したそうです。魔獣は無理やりされている人がいたから、倒すことはしなかったとの事です」
「もう既に戦力半減じゃん。ギース伯爵らは、こんな戦力でよく王国に反乱起こしたな……」
サファイアが強いのもあるけど、どう考えても見込み違いの戦力じゃん。
昨日の魔物の溢れも楽勝だったらしいし、国境も問題なかったというからな。
とりあえず偉い人と作戦会議をしよう。
「えー、ゴレス侯爵領から魔獣と魔物それぞれ千はいるそうです。およそ一時間にこちらに到着するそうです」
「中々の規模じゃのう」
「しかしながら、既に偵察に行ったオリガさんの従魔が一羽で魔物を殆ど討伐したとの事です」
「「「……」」」
「まあサファイアが強いのもありますが、いくらなんでも引き連れている魔物が弱すぎです」
皆一斉にため息をついている。
俺と同じで、想像以上に魔物が弱いと思ったのだろう。
報告だとオークやゴブリンが中心らしかったので、それでは数がいてもサファイアの敵ではないな。
「聖魔法で状態異常をかけて強制的に魔獣にされた人を救いつつ、魔獣を討伐しましょう」
「無難じゃのう」
「獣人部隊で十分だと思います。タラちゃんとかと一緒に、囚われていた人の救出班を作りましょう」
ビアンカ殿下とルキアさんも賛同してくれたので、これでいいだろう。
特にルキアさんは魔獣にされた人の解放も経験しているし、俺としてはとても心強い。
「森の方は、ミケとスラタロウと馬が一頭いれば大丈夫か」
「何人か補助つければいいじゃろう」
ほぼ悪い魔物しかいない森の方は、適当に戦力割り振ればいいだろう。
俺としては、ミケとかが戦闘でやりすぎて地形が変わる方が怖い。
「街中は市民の安心を出すために、兵を多めに配置しておいた方がいいですね」
「ヘレーネが先頭に立つことによって、市民にも新しい体制のアピールができるできるじゃろう」
市内はあえて市民にアピールする様な体制を取るようにしよう。
爵位継承者はノア様だけど、当面の統治はヘレーネ様とダニエル様が行う。
顔を売る意味も込めて、派手に目立ってもらおう。
「陛下、軍務卿。いかがでしょうか?」
「サトーが言うなら大丈夫じゃろう」
「昨日も防いでいるし、逆に魔獣の方が対処しやすいだろうな」
陛下と軍務卿からもオッケーが出た。
対策会議にかかった時間、僅か五分。
この後どうしようかと思っていたら、お偉方が三つに分かれた。
陛下とアイザック伯爵は、ゴレス侯爵領からの魔獣討伐に同行するという。
軍務卿に王妃様達と王子達は、森の方に向かうとの事。
その他の閣僚は、ヘレーネ様達と一緒に市内にいるらしい。
どうも、久々の大規模戦闘と言うことで、お偉方はワクワクしているという。
というか、王妃様達は戦う気満々だよな。
ということで、こちらもメンバー分け。
ゴレス侯爵領からの魔獣には、ルキアさん指揮する獣人部隊を中心として、俺とララとリリとドラコが入る。
陛下達の護衛に、オリガさんとガルフさん。
従魔はルキアさんのヤキトリとタラちゃんにポチとサファイアが入る。
後は救出した人の治療に、ブルーノ侯爵領の治療班が後方に構える。
森の方はビアンカ殿下とミケを中心に、シルク様とシルと馬一頭が入る。
もうこの時点で過剰戦力だけど、ここにスラタロウとフランソワにフウも入ることに。
王妃様達と王子達の護衛は、マリリさんとマルクさんが勤める。
市内巡回は、ヘレーネ様とダニエル様を中心にしてエステル殿下とリンさんがサポートに入る。
もう一頭の馬とレイアもここに入るそうだ。レイアは、閣僚と話があるという。
ショコラが市内を空から監視して、時々街道の分岐も見に行くという。
ちなみにホワイトは教会で治療役を継続中で、タコヤキも炊き出しを普通に続けている。
ギース伯爵領の騎士団も巡回を強化していて、ほぼ抜けはなさそう。
念には念を入れたけど、ちょっとやりすぎかなと思いつつ敵を迎え撃つ準備が整った。
さて、俺達も移動を開始しよう。
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