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第六章 叙爵と極秘作戦

第百二十五話 サトーとミケのファッションショー

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「お、ようやく起きたか」
「すみません、遅くなりました」
「いや、あれだけの魔法を連発したのだ。仕方ないだろう」

 二度寝してしまったので、俺は夕食のタイミングに少し遅れてしまった。
 夕食はせっかくキレイになったので、食堂を使うことにする。
 厨房では、スラタロウが張り切って料理をしているらしい。
 ちなみに寝るのは玄関ホール。
 寝袋使ったりして寝ることに。
 他の部屋は遺体とかあったから、誰も部屋では寝たくないようだ。

「おや? 軍務卿、すっかり懐かれましたね」
「まあ色々あってな。嫌われるよりマシだ」

 軍務卿の膝の上に、ちょこんとミミが座っていた。
 相変わらず無表情だけど、軍務卿とはだいぶ仲良くなったようだ。

 今日のスラタロウの逸品は、ローストビーフに野菜の付け合せにスープ。
 ご飯かパンのどちらかが選べる。
 ちなみに数多く作ったらしく、メイドさんや子ども達に兵士の分もあるという。
 更に末の娘様に、おかゆも準備しているという。
 流石はスラタロウと言うべきか。

「何だこの料理の美味しさは」
「おじい様、白麦がこんなにも美味しいとは」
「うまうま」

 最初は軍務卿もヴィル様もスライムが作る料理に疑心暗鬼だったが、出てきた料理に驚き、更に食べてみてビックリだったとの事。
 そりゃ既に王族の絶賛を受けている、スラタロウの料理だからな。

 みんな大満足の食事の後に、この後の事を話し合うことに。

「急ぎは国境の対策だな」
「ああ、儂も現地を見たがあれはマズイ。早めに対策を講じないと」
「妾とスラタロウは、しばしの間現地作業に専念じゃな」
「ビアンカお姉ちゃん、レイアも見に行きたい」
「そうか、レイアなら良い意見も聞けそうじゃ」

 やはり最優先は国境対策に。
 俺が心配なのは、ビアンカ殿下とスラタロウにレイアが加わることで、城壁作りをやりすぎないかということ。
 ちなみに捕虜の人も、手伝いに加わる。
 勤労奉仕で罪を償うそうだ。
 反乱軍にいたとはいえ、強制的に操られていたので一週間もあれば解放されるという。
 この辺は軍務卿の判断で、捕虜もその家族もその決定に従っていた。
 
「市内の巡回に、できれば悪意が分かる子ども達も参加してほしい」
「じゃ僕が参加するよ」
「ウォン」

 市内警備には、ドラコとベリルが参加する。
 残党がいないとは限らないので、ここは入念に行わないと。

「ブルーノ侯爵領方式で、炊き出しと治療所を兼ねて面接会場もやろう」
「警備にしても文官にしても、とにかく手が足りないですね」
「じゃあララがまたやるよ」
「リリもやる!」
「ミミも」

 ここはどうしても、子ども達の手を借りないといけない。
 ララ達とリンさんにオリガさんで、面接対応をするという。
 マリリさんは、また子ども達の対応になる。

「サトーは早めにメイドの治療を行って、私と軍務卿と打ち合わせだな」
「分かりました」
「ランドルフ伯爵領は暫く国の直轄地になる。代わりの代官がくるまでは、我々で統治をしないといけない」

 分担も決まったので、暫くはアルス王子をトップにしての統治を行う。
 伯爵がランドルフ伯爵の証を国に返したのもあるので、当面は国の直轄地だという。
 国境の重要拠点だから、個人的にはそっちの方がいいな。
 ただ、末の娘が生存していて今の所悪に加担していないので、将来的にはランドルフ家自体の復活はあるという。
 その場合は、領地を持たない法衣貴族になる可能性が高いそうだ。
 まあ、あれだけの事をやらかしたんだ。こればっかりはどうしようもないだろう。

 みんな疲れているので、早めに寝ることに。
 俺はさっきまで寝ていたけど、食事をとったら直ぐに眠たくなってしまった。
 子ども達と一緒に、寝袋で寝ることにする。
 
 ペシペシ。
 ペシペシ。
 ペシペシ。

「お兄ちゃん起きて」
「起きて起きて」
「パパ、起きて」

 うお、またララ達が俺の事を起こす。
 昨日魔法の使い過ぎで、体が怠い。
 寝たい、眠い、ぐー。

「サトー、起きて」

 グボァ!
 ドラコのやつ、また大事な所に膝を!
 痛い痛い、涙が止まらない。

「あっ、またやっちゃった」
「また、じゃない!」
「ごめんなさーい」

 はあはあ、朝からとんでもない目覚めだったよ。
 お陰で完全に目が覚めたが。

「ふむ、サトーを起こすにはああすれば良いのじゃな」
「いや、ビアンカちゃん。最悪サトーが死んじゃうよ……」

 王女同士のボケツッコミは聞かなかった事にしよう。

 朝食を食べて、各自担当の仕事に取り掛かる。
 俺もメイドさんの治療をしようと思った所で、屋敷前に誰かが到着したようだ。

「バルガス様とサリー様。部隊を連れてこられたのですか?」
「ブルーノ卿とルキアは内政で動けないからな。代わりに私ということだよ」
「私も治療ならお手伝いできるよ」

 相変わらずタンディーなバルガス様だ。
 自分の領地もあるので、明日の昼にはバスク領経由でバルガス領に戻るという。
 既にルキアさんとも挨拶を済ましているそうだ。

「サトー殿は何をされるのか?」
「実は手足を失っている人がいるので、これから聖魔法で再生させるのです」
「は? 今なんと? そんな事は奇跡と言うのですよ」
「サトーお兄ちゃん、サリーも見てみたい!」

 ということで、メイドさんの治療にバルガス様とサリー様もついてくることに。
 ちなみに身体欠損も治せる聖魔法は使用する魔力も大きいため、暫く一日二人までに制限された。

 回復したメイドさんの案内で、治療対象のメイドさんを治療している部屋へ。
 屋敷の捜索で見つけた人も含めて治療中のメイドさんは六人だけど、ベットに寝ているのは二名。
 いずれも足の欠損がある人で、他の四人は片腕欠損。
 片腕ならということで、仕事をしているという。
 無理はしないでもらいたいのが本音だ。

「すみません、一日二人までの制限になってしまって」
「いえ、元は治ることを諦めていた私達です。順に治して頂くなんて、神様がくれた奇跡です」

 普通は、欠損部位は治らないのが回復魔法の常識と言われている。
 意識を集中して、淀みを治していく。
 昨日聖魔法を沢山使った為か、スムーズに魔法が使えているな。

「おお、まさに奇跡ですな」
「凄い、サトーお兄ちゃん凄いよ」
  
 欠損部位が再生していき、バルガス様とサリー様が驚いている。
 そりゃ、俺だって最初は治っていく様子に驚いたよ。

「よし、これで大丈夫かな? 動かしてみて違和感はない?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます。早速、お嬢様のお世話に向かいます」

 二人目のメイドさんも、無事に欠損部位の再生ができた。
 少し歩いてもらい、問題もなさそうだ。
 二人のメイドさんは、早速仕事を開始するそうだ。
 ここでバルガス様から質問が入った。

「お嬢様? お嬢様とはブルーノ侯爵領に嫁いだという娘ですか?」
「いえ、別の人です。シルク様と言って、ビアンキ殿下やサリー様と同じ年ですよ。ただ、事件に巻き込まれて、手足を欠損している上に薬物の影響の治療をしています」
「そんな。サリーでも治療できる?」
「聖魔法があれば問題ないのでサリー様なら治療が可能です」
「お父様、わたしシルクさんを治療してきます」
「ああ、ついでに友達になってやりなさい」
「はい、分かりました」
「ではサリー様、ご案内いたします」

 サリー様は、メイドさんと一緒にシルク様の部屋に向かった。
 ちなみにシルク様の名前や歳は、治療した際にメイドさんに教えてもらった。
 バルガス様と一緒に、借りの執務室である客室に向かった。

「サトーよ早かったな。バルガス卿も遠いところからご苦労であった」
「アルス王子、軍務卿。私は奇跡を目撃しましたぞ。まさに聖人が行うものです」
「ははは、バルガス卿も同じか。儂も最初見たときはたまげたよ」

 バルガス様が、アルス王子と軍務卿に俺の聖魔法の凄さを語っていた。
 ただ、聖人は言い過ぎかと思うよ。

「しかし私も知りませんでしたが、ランドルフ伯爵夫妻に末娘がおったのですな」
「儂も知らんかった。どうも病弱ということで、表舞台に出ていなかったようだな」
「実際には、ビルゴによって多数の薬を飲まされていたらしい。魔獣化の薬がトドメになりかけたというわけだ」
「何とか救う事ができて、今はほっとしています。救えなかったら、ランドルフ伯爵家が御家断絶になってましたよね?」
「それは間違いないだろう。ブルーノ侯爵に嫁いだ娘とその子どもは、貴族身分剥奪の上に死刑は確定だからな」
「辺境伯にもなれると言われていた名門ですから、御家断絶にならなくて一安心です」
「これもサトーの聖魔法のお陰だ。父上もランドルフ伯爵家を断絶しなくて済んだと、高く評価している」
「流石は救国の女神様ですな」
「儂も、サトーの女神姿を見ておきたいものだ」
「サトーの女装姿は見ものだぞ。話題になるのも無理はない」

 げ、シルク様の話になっていたのに、いつの間にか俺の女装の話になっている。
 ここは強引にでも話題を変えないと。

「あの、ランドルフ伯爵領はどうなるのですか?」
「くくく、強引に話題を変えてきたな。まあ良いだろう。ランドルフ伯爵家は降格の上で領地剥奪だな。反乱軍を出したのが致命的だな。王国直轄地となり、人神教国に備える事になる」
「軍も専門の部隊をここに置く。幸いに駐屯地を作るだけの余地もある」
「後は、国境に接している領の点検も必要ですね」
「うむ。既に影を出しており、調査をしている」
  
 ここは直接人神教国に接しているから、それだけ重要な地点になるだろう。
 ただ、他にも国境を接している領はあるというので、警備の様子は確認しないとならないな。

「近い内に、ランドルフ伯爵領が平定されたとの噂が駆け巡るだろう。その時に、貴族主義の連中と人神教国がどう動くかだな」
「儂は闇ギルドのやった事は一人の親として許せない。如何に聴衆を味方につけるかにより、流れは変わっていくだろう」
「我が領も闇ギルドにより被害を被った。しかしながら聖女サトーによって助けられたと、専らの噂です」
「ふむ、実際にランドルフ伯爵領もサトーが救ったといえるし、ここは一つ教会に情報を流してみるか」
「あのー、それは決定事項ですか?」
「ははは、サトー殿の武勇伝がまた増えますな」

 貴族主義の連中と人神教国の対策の話だったのに、また俺の話になったよ。
 もう諦めるしかないか。

「さて、父よりここの地の統治が重要ということで、明日にでも飛龍部隊に乗って代官と代官補佐がやってくる」
「随分と早いですね」
「裏で人選は勧めていたのだ。因みに宰相の次男と財務卿の三男だ」
「ふむ、それなら問題ない人選ですな。それでは軍部も三男を出すことにしましょう」
「アルス王子の同級生で固めるのはありだと思います。今は何よりも、地域の安定化が一番ですから」

 みんなアルス王子の同級生か。きっとアルス王子に似て、イケメン揃いなんだろうな。

「後は爵位関係だな。関係者を集めて謁見する事になった。日帰りだが明後日の予定だ」
「これもかなり早いですね」
「既に裏で動いていたし、ランドルフ伯爵の件も決まったからな。関係者は、私とエステルにサトーとリンにシルク。そしてルキアとミケだ」
「ちょっと待って下さい。他のメンバーは分かりますが、ミケもですか?」
「ミケは最初からサトーと事件の対応もしていたし功績もある。何ら問題はない」
「そりゃそうですが」
「なるほど、貴族主義のやつらと人神教国の牽制も兼ねてというわけか」
「この国には獣人の貴族もいますが、数が少ない上に常に貴族主義の連中と人神教会がうるさい。しかし今回はやつらの不祥事の上に事件解決の功労者だから、やつらも強く出れないわけですね」
「そういう裏の事情もあるが、単純に功績があったとそういう事だ。未成年だからサトー預りになるし、王都の屋敷も隣同士だ」
「はあ、分かりました」

 いくら裏の事情もあるとはいえ、まさかミケが叙爵されるとは。
 と、ここで重大な事に気がついた。

「あ、俺謁見用の服を持っていない」
「なんだそんな事か。バスク卿夫人よりサトーとミケの服を預かっている。スパイダーシルクを使った逸品だよ」
「ほほー、それは私も是非見てみたいな」
「サイズ合わせもあるから、今日やるか」
「そんなー」

 話し合いはこれで終了。
 その後はとにかく忙しかった。
 バスク領から難民がきたり、士官候補生の面接をしたりと何でもやっていた。

 その日の夜、俺とミケのファッションショーが急遽開催された。
 しかも容態がよくなったからと、シルク様もメイドさんに抱えながら一階に降りてきた。
 ララ達とサリー様とシルク様は、随分と仲良くなったようだ。
 場所は玄関ホールで、着替えるのは応接室。
 今、俺はマリリさんとメイドさんに服の微調整を受けている。

「ミケちゃんはこれでよしと」
「おー、ミケお姫様だよ!」

 ミケはヒラヒラのドレスを着て、お姫様だと喜んでいた。
 明後日には、実際に貴族令嬢になるけど。
 俺も着てみるが、まあキラキラした服だ。
 しかもスパイダーシルクを使っているから、かなりの高級品だし。
 元はタラちゃん達の出した糸だから、原価はタダに近いが。

「うーん、このくらいでどうでしょうか」
「動きにくさはないです」
「ならこれでいいですね。少し動いて微調整しましょう」
 
 俺もオッケーが出た。

「皆さん、サトーさんとミケちゃんの準備ができましたよ。はい、拍手!」
「「「わー、パチパチ」」」

 おいマリリさん、いきなり観客を煽らないでくれ!

「お兄ちゃん、行こう!」
「もう諦めよう」

 ミケに手を引かれて、玄関ホールに出ていく。

「「ミケちゃんかわいい!」」
「お姫様みたい」

 ミケは薄いピンク色のドレスでヒラヒラも多く、薄い水色のケープを羽織っている。
 ミケはみんなに褒められて、かなりご満悦だ。

「ふーん、サトーもキチンとすると印象が違うのう」
「ほわー、サトーが王子様に」
「はわー、素敵です」

 対して俺は、白を基調としたパンツに青のジャケットで、あらゆる所に刺繍がされている。
 エステル殿下とリンさんが、目が乙女モードだ。
 よく見ると、シルク様も何だか顔を赤らめている。

「アルス王子、この服でドレスコードは大丈夫ですか?」
「問題ないだろう。そもそも、全てスパイダーシルクで作った服なんて国宝級だ」
「えっ? 国宝級?」
「当たり前だ。スパイダーシルクなんて貴重品だ。ミケのドレスだけて、軽く数億ゴールドだぞ。サトーの服は数十億ゴールドは下らない」

 Oh、なんていうことでしょうか。元はタラちゃん達の出した糸だから原価はタダだと思っていたけど、そのタラちゃん達の糸に物凄い価値があるなんて。
 これは、人前でおいそれと着ていいものじゃない。
 俺は冷や汗が止まらなくなった。

「それじゃサトーさんとミケちゃんは、服を汚してはいけないので着替えましょう」
「はーい」 
「た、助かった」

 マリリさんの一言で控室代わりの部屋に入る。
 庶民にはこんな高い服は着るのは無理だよ。
 と思ったら、控室に何故かビアンカ殿下がいる。
 
「サトーよ、サーシャからサトー宛に新作のドレスがきているのじゃ」
「は、ドレス?」
「もちろんサトー用じゃ、聖女サトーを見ていない人にお披露目じゃ」
「なんですと!」

 サーシャさん、何で新作ドレスを混ぜるのですかと言いたい所だけど、既にミケに体を押さえられ強制的に着替えさせられた。
 ウイッグもして化粧もバッチリ。
 
「ほら、サトーさん声を変える指輪をつけて」
「嗚呼、我が心空なり」

 俺は心の中で、ホロリと涙をながした。

「さあ、今日のメインイベント。巷で話題の聖女サトーの登場です」
「「「わー!」」」

 何だか、さっきよりも歓声が大きいのは気のせいだろうか。
 俺は意を決して、玄関ホールホールに出ていった。

「「「おおー!」」」

 何やら、ギャラリーが物凄い反応だ。
 俺の女装を知っている人はそこまで反応していないが、初めて見る人は目が点だ。

「あ、あの美女がサトーだというのか?」
「とても男性には見えません」
「まさに美女ですな。救国の聖女だと納得がいく」
「サトーお兄ちゃん、綺麗」
「サトーさんが美しい」

 皆さん思い思いの反応をしている。
 サリー様とシルク様の反応は、ブルーノ侯爵領で良くあったなあ。
 子ども達もきゃあきゃあ言っているし、メイドさんも驚いた目をしている。

「バルガス様に軍務卿、そんなに変わりますか?」
「何と、声まで女性とは」
「これでは男性とは判別つかぬぞ」
「あはは、ただのジョークグッズなのに何でこんなに美声なのだろう」

 大貴族がめちゃくちゃ驚いている。
 かなりレアだけど、その原因が俺なのは何とも言い難い。
 因みにドラゴとベリルは完全に固まっていて、俺が呼びかけても反応がない。
 
「シルク嬢、ランドルフ伯爵領にも聖女物語入れてもいいか?」
「はい。実際に私も使用人もサトーさんに治療を受けています。両親を解放してくれて、その上サトーさんに剣を託しました。聖女物語にはピッタリな話かと」
「そうか、ではさっそく進めるとしよう」

 アルス王子とシルク様が、俺にとって何か嫌な話をしていた。
 ここは確認しないといけない。

「アルス王子、聖女物語とは何ですか?」
「王都で出している本に劇だ。後は教会の説法にも使われている」
「前に言っていたのですよね?」
「既に各地で大ヒットしていて、人神教国や貴族主義の連中の勢力を削ぐのに大活躍だ」
「そ、そんなー」

 俺は思わず崩れ落ちた。
 しかし事実が殆どだから、嘘だとは言えない。

「ふむ、なら明日は一日聖女サトーじゃな」
「その方がいいね。どうせ男性とはバレないし」
「サトーさん。明日は一日女装です」

 更に女性陣から、明日も女装して過ごせと言われてしまった。
 というか、ほぼ拒否権はないでしょう。
 俺は心の中で、盛大に号泣するのだった。
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