115 / 394
第五章 ランドルフ伯爵編
第百十五話 ランドルフ伯爵に到着
しおりを挟む
ブルーノ侯爵領の部隊も、ランドルフ伯爵領から進軍してきた部隊と接触した。
普通の部隊だと思ったら、何かが違っていた。
例の魔獣化する薬を使っている可能性もあるが、改良型なのか完全には魔獣化はしていない。
でも魔法も普通に効いているし、特段変わった対応も不要だ。
時たま奇襲を仕掛けてくるが、全てララ達によって見つけられて返り討ちにあっている。
街中も散発的に魔物が出ているが、全て巡回によって倒されている。
この分なら、ここはルキアさんに任せて大丈夫だろう。
「アルス王子、俺達はいつランドルフ伯爵領に向かいますか?」
「屋敷についたら直ぐに向かう。準備は既に終わっている」
「分かりました、直ぐに行きましょう」
アルス王子とエステル殿下達と共に、急いでお屋敷に向かう。
飛龍は準備出来ていて、いつでも出発できる状態になっていた。
飛龍の直ぐ側では、オリガさんにマリリさんもスタンバイしている。
飛龍にはアルス王子とエステル殿下とビアンカ殿下、騎士に俺とミケ、騎士とリンさん、騎士とオリガさんとマリリさんの組み合わせで向かうことに。
それぞれ従魔も一緒に、しばし空の旅となる。
「それでは行ってきます」
「無事を祈る」
「気をつけて下さいね」
バルガス様に軍務卿の奥様に見送ってもらい、一路ランドルフ伯爵領へ。
ブルーノ侯爵領からランドルフ伯爵領は近いので、一時間もかからない空の旅だ。
「うわー、速いね」
「そうだね。こんな経験初めてだよ」
飛龍が魔法障壁を展開してくれているのか、風の勢いは感じられない。
ミケが、あっという間に流れていく景色に興奮していく。
ランドルフ伯爵領は盆地だということで、山を越えて平地に差し掛かってきた。
前方に、屋敷と研究所と思われる大きな建物が見えてきた。
「うー、サトーと一緒に飛龍に乗りたかった」
「私もです」
俺と一緒に飛龍に乗れなくて、不満たらたらの人がニ名ほどいるが気にしない。
それよりも気になる事が、前方に見えてきた。
「屋敷に沢山の人がいますね」
「恐らく住民が屋敷に押し寄せているのだろう。あまり良くない事態だな」
一体どうなっているのか分からないけど、まずは聞いてみないと分からないな。
飛龍は屋敷前の広場に着陸した。
三十人ほど屋敷の前に集まっていた人は、突然現れた飛龍に驚いているが、直ぐにまたガヤガヤ騒ぎ出した。
よく見ると、年配の人が多いな。
アルス王子が周りの人に声をかけた。
「我々は王都の近衛師団だ。この人だかりは一体なんだ?」
「あ、お貴族様。ランドルフ伯爵の役人とワース商会の奴らが、息子を連れて行ってしまったんだよ」
「奴らが変な薬を息子に飲ませたら、息子が突然化け物になっちまって」
「化け物になった息子がそのままブルーノ侯爵領の方の行軍に行っちまったんだよ。婆さんは止めようとして殺されてしまった」
「そんな、酷い」
リンさんは思わず絶句してしまったが、やっている事がかなり極悪非道だ。
若い男性に無理やり薬を飲ませて魔獣化させて、行軍に引き連れていくとは。
これは一刻も早くランドルフ伯爵を止めないと、更に被害が拡大することになるぞ。
「よし、分かった。リンとオリガとマリリに騎士達は研究所へ。私達は屋敷に向かうぞ」
「はい、研究所は任せて下さい。こんな非道なことは直ぐに止めないと」
リンさんが頷いて、研究所の方へ走り出した。
俺達も屋敷に乗り込む。
門は閉まっていたが、門番はいない。
恐らく行軍に連れていかれたのだろう。
「うりゃ!」
気合一閃。
ミケがハンマーを振り回して門を壊した。
「お貴族様、頼んだぞ」
「この領をどうにかしてくれ」
ランドルフ伯爵領の領民の声を背に浴びながら、俺達は屋敷に入っていった。
普通の部隊だと思ったら、何かが違っていた。
例の魔獣化する薬を使っている可能性もあるが、改良型なのか完全には魔獣化はしていない。
でも魔法も普通に効いているし、特段変わった対応も不要だ。
時たま奇襲を仕掛けてくるが、全てララ達によって見つけられて返り討ちにあっている。
街中も散発的に魔物が出ているが、全て巡回によって倒されている。
この分なら、ここはルキアさんに任せて大丈夫だろう。
「アルス王子、俺達はいつランドルフ伯爵領に向かいますか?」
「屋敷についたら直ぐに向かう。準備は既に終わっている」
「分かりました、直ぐに行きましょう」
アルス王子とエステル殿下達と共に、急いでお屋敷に向かう。
飛龍は準備出来ていて、いつでも出発できる状態になっていた。
飛龍の直ぐ側では、オリガさんにマリリさんもスタンバイしている。
飛龍にはアルス王子とエステル殿下とビアンカ殿下、騎士に俺とミケ、騎士とリンさん、騎士とオリガさんとマリリさんの組み合わせで向かうことに。
それぞれ従魔も一緒に、しばし空の旅となる。
「それでは行ってきます」
「無事を祈る」
「気をつけて下さいね」
バルガス様に軍務卿の奥様に見送ってもらい、一路ランドルフ伯爵領へ。
ブルーノ侯爵領からランドルフ伯爵領は近いので、一時間もかからない空の旅だ。
「うわー、速いね」
「そうだね。こんな経験初めてだよ」
飛龍が魔法障壁を展開してくれているのか、風の勢いは感じられない。
ミケが、あっという間に流れていく景色に興奮していく。
ランドルフ伯爵領は盆地だということで、山を越えて平地に差し掛かってきた。
前方に、屋敷と研究所と思われる大きな建物が見えてきた。
「うー、サトーと一緒に飛龍に乗りたかった」
「私もです」
俺と一緒に飛龍に乗れなくて、不満たらたらの人がニ名ほどいるが気にしない。
それよりも気になる事が、前方に見えてきた。
「屋敷に沢山の人がいますね」
「恐らく住民が屋敷に押し寄せているのだろう。あまり良くない事態だな」
一体どうなっているのか分からないけど、まずは聞いてみないと分からないな。
飛龍は屋敷前の広場に着陸した。
三十人ほど屋敷の前に集まっていた人は、突然現れた飛龍に驚いているが、直ぐにまたガヤガヤ騒ぎ出した。
よく見ると、年配の人が多いな。
アルス王子が周りの人に声をかけた。
「我々は王都の近衛師団だ。この人だかりは一体なんだ?」
「あ、お貴族様。ランドルフ伯爵の役人とワース商会の奴らが、息子を連れて行ってしまったんだよ」
「奴らが変な薬を息子に飲ませたら、息子が突然化け物になっちまって」
「化け物になった息子がそのままブルーノ侯爵領の方の行軍に行っちまったんだよ。婆さんは止めようとして殺されてしまった」
「そんな、酷い」
リンさんは思わず絶句してしまったが、やっている事がかなり極悪非道だ。
若い男性に無理やり薬を飲ませて魔獣化させて、行軍に引き連れていくとは。
これは一刻も早くランドルフ伯爵を止めないと、更に被害が拡大することになるぞ。
「よし、分かった。リンとオリガとマリリに騎士達は研究所へ。私達は屋敷に向かうぞ」
「はい、研究所は任せて下さい。こんな非道なことは直ぐに止めないと」
リンさんが頷いて、研究所の方へ走り出した。
俺達も屋敷に乗り込む。
門は閉まっていたが、門番はいない。
恐らく行軍に連れていかれたのだろう。
「うりゃ!」
気合一閃。
ミケがハンマーを振り回して門を壊した。
「お貴族様、頼んだぞ」
「この領をどうにかしてくれ」
ランドルフ伯爵領の領民の声を背に浴びながら、俺達は屋敷に入っていった。
50
お気に入りに追加
3,209
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
魔力値1の私が大賢者(仮)を目指すまで
ひーにゃん
ファンタジー
誰もが魔力をもち魔法が使える世界で、アンナリーナはその力を持たず皆に厭われていた。
運命の【ギフト授与式】がやってきて、これでまともな暮らしが出来るかと思ったのだが……
与えられたギフトは【ギフト】というよくわからないもの。
だが、そのとき思い出した前世の記憶で【ギフト】の使い方を閃いて。
これは少し歪んだ考え方の持ち主、アンナリーナの一風変わった仲間たちとの日常のお話。
冒険を始めるに至って、第1章はアンナリーナのこれからを書くのに外せません。
よろしくお願いします。
この作品は小説家になろう様にも掲載しています。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界でスローライフを満喫
美鈴
ファンタジー
タイトル通り異世界に行った主人公が異世界でスローライフを満喫…。出来たらいいなというお話です!
※カクヨム様にも投稿しております
※イラストはAIアートイラストを使用
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる