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第三章 ブルーノ侯爵領
第八十話 事件の裏側
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トルマさんとの話し合いも終わって、一階の売り場に降りた。
今日もあと少しだなと思っていたら、店頭から元気な声が聞こえてきた。
まさか……
「いらっしゃい! いらっしゃい!」
「おや、嬢ちゃん大丈夫かい?」
「うん、ミケもう元気だよ!」
店頭で声かけをしていたのは、宿で泣きつかれて泣いていたミケだった。
近くにいたクレアさんに話を聞いていた。
「いやね、わたし達も今日はもうお休みかなと。そうしたら、白いオオカミを連れていつの間にかね」
「白いオオカミ?」
あ、馬の足元にシルがいるぞ。
「あ、お姉ちゃん。おかえりなさい」
「ミケ大丈夫なのか? 無理していないか?」
「大丈夫! 寝て起きたら元気になったよ!」
見た目は元気だけど、本当に大丈夫なのか?
「主よ、やらせてあげるのだぞ」
「シル……」
「ミケは目を覚ましたら、直ぐにここにこようとしたんだぞ。我もリーフも休むように言ったのだが、ミケは聞かないのだぞ。それで我が様子を見ていたのだぞ」
「そっか、ありがとうなシル」
ミケはガンコなところもあるから、こうなったらテコでも動かないだろうな。
「はは、ミケ様は大物でございますな」
「これはもう、こちらの負けです」
二階までミケの声が聞こえたのか、一階の売り場に降りてきたトルマさんと俺は苦笑していた。
さて、ミケも頑張っているのだから、俺も閉店時間まで頑張ろう。
それから閉店時間ギリギリまで、ミケの元気な声が店先で響いていた。
「そうですか、そんな事があったんですね」
「あーあ、私がそのバカ野郎をやっつけたかったな」
「この間の時に、殺っちゃえばよかったよ」
夕食時に日中にあったミケのずぶ濡れ事件を聞いて、みんな怒っているようだ。
だが、ルキアさんとマリリさんはともかくとして、リンさんは漢字が違うのでは?
前に三バカを投げ飛ばしたけど、それが甘かったと、リンさんは悔やんでいて、エステル殿下もうんうんと頷いていた。
明日も馬とシルのコンビで、オース商会の警護をするそうだ。
ミケももちろんお店を手伝おうと張り切っている。
みんなには併せてケリーさんがくることも伝えて、エステル殿下とかもその時に自己紹介をすることになった。
「ということで、エステル女王殿下とバスク子爵家のリン令嬢になります。こちらはリンさんお付きのオリガさんとマリリさんです」
「エステルです」
「リンですわ」
「……」
あ、またケリーさんが固まった。
朝のオース商会の時もビアンカ殿下がいて驚いたけど、さらに王女と貴族令嬢がいるなんてたまったもんじゃないだろうな。
俺がみんなを紹介し、エステル殿下とリンさんが挨拶をしたけど、ケリーさんの頭が理解できてないようだ。
「ふう、驚いてしまい申し訳ありません。まさかこれだけの人に会うとは、思ってもみませんでした」
「そうですよね。ここに集まっている人が凄いですから」
「よく分かります。サトー様が男性であることの次に驚きました」
ケリーさん。何で俺が男性である方が驚きなんですか。
女性陣もうんうんと頷いて納得しない!
あと自己紹介をしていないのはミケだけか。
「ミケはミケだよ!」
「あなたがミケちゃんなんですね。お水をかけられたと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ!」
あれだけの衆人がいる中でミケに水をぶっかけるなんて、本当にワース商会はアホ野郎だな。
別に諜報スキルがなくても、おばさんの雑談力て明日には街中にワース商会の悪評が広まりそうだ。
取り敢えず当初の目的の宿屋の奥さんの容態を見てもらったが、ケリーさんは奥さんの劇的な回復に驚いていた。
この分だと、来週には歩行訓練もできるとケリーさんは言っていた。
奥さんが店先に立てる日も、そう遠くないだろうな。
「今まで街の住民は、ワース商会の横暴に対して対応するだけの力がありませんでした。怯えて従うしかない人も多かったのです。しかしサトー様がワース商会をことごとく返り討ちにしていますので、街の住民のワース商会に対する感情が変化しております」
「まだこの街に来て三日目ですけどね」
「コマドリ亭を救い、病気に困っていた奥さんを救った。これだけでも十分にインパクトのある行為です。さらにワース商会の妨害にも負けずに商売を続けているのを、多くの人が見ております」
「ワース商会はとにかくしつこいですからね。何回も妨害してきましたし」
食堂に再度集まり、ケリーさんと色々話を始めた。
どうも市中は、ワース商会を中心とした恐怖政治による支配があったのだろうな
「領主夫人や人神教会を背後につけ、ワース商会はここ数年急激に力をつけてきました。ギルドや国教会にも賄賂をおくり、その力を骨抜きにしています」
「私も監視していた従魔より報告を受けました。ワース商会でギルドや国教会への賄賂の調整をしており、国教会の司祭は酒に溺れていると」
資金の流れが徐々に明らかになるに連れて、関係者の繋がりも判明してきた。
ケリーさんも苦笑するほどに荒々しいやり方で、ワース商会は資金を集めていたのだろう。
その資金が闇ギルドに流れていたと。
そこにビアンカ殿下から補足がされた。
「先ほど父上から連絡があり、先の災害時の書類にされたサインだが、偽物と判断されたのじゃ。しかもあれは災害ではなく人災じゃ。再度影によって調査を行った結果、無理に行った農地の拡張計画で木を切りすぎたことによる土砂崩れじゃ」
「山の保水力が失われたんですね。それじゃどうしようもないな。あの兵士もうかばれ無いだろう」
「私もブル村での大規模な山崩れの話を聞いています。ここ数年無理な農地開発が行われていたようです」
これだけの罪状でも十分に領主邸への捜査案件になるだろう。
しかしながら、それ程までの大規模農地開発を行い、作られた作物を国内にまわしてなかったのだろうか。
「ケリーさん。ブルーノ侯爵領で作られた作物は、どこに送られていたかご存知ですか?」
「確証はありませんが、恐らくは人神教国かと思います」
「人神教国? ワース商会は、なぜ人神教国に食料を送っているのでしょうか。」
ブルーノ侯爵領で取れる膨大な食料が、小国でしかない人神教国に流れている。
食料が必要となると、飢餓ともう一つだ。
「人神教国周辺が飢餓にあったという話は聞いておらん。もし飢餓にに成程の悪天候であれば、人神教国と接するランドルフ侯爵領やブルーノ侯爵領も不作になるのじゃ」
「じゃあそうなるとこの食料は。ビアンカ殿下、まずいことになりますよ」
「サトー、ビアンカちゃん。何か分かったの?」
「恐らくはサトーの思っている通りじゃ。この食料は軍の物資じゃろう」
エステル殿下も戸惑った表情だった。
だが、俺とビアンカ殿下の意見が一致して外れたことはない。間違いないだろ。
「ここ数年ワース商会が資金を集めていて、食料も集めているとなると確定じゃろう」
「さらに国内の貴族主義の者と手を取り、資金や違法奴隷など色々な物を融通している。これは国内の分断を狙っていますね」
「人を魔獣化する薬の開発もそうじゃ。まだ実験段階だろうがのう。恐らくは人神教国の企みは、父上と兄上も気づいておる。たが人神教国を追求するだけの証拠に欠けているのじゃろうな」
「なおかつ貴族主義の貴族の対応もある。だから俺達に色々な調査を任せているのですね」
何だか話が大きくなってきたな。
最初のビアンカ殿下を襲撃から助けたところから、国家ぐるみの陰謀阻止になってきた。
ビアンカ殿下一人では荷が重いと言うのも頷ける。
「ランドルフ伯爵領は盆地で周囲を山に囲まれ、守りが固く攻めにくい。まずはブルーノ侯爵領を奪還できれば、王国としてもかなりの成果が出るじゃろう」
「そのためにも、明々後日の誕生パーティーは重要ですね」
「うむ、既に父上と兄上に情報は送っておる。こちらも準備をしないといかんのじゃ」
「自治組織もその日は体制を厚くする予定です。特にワース商会が仕切りますので、いつもと違う動きがあると思います」
ということで、明々後日に向けて色々準備も進める事に。
明日自治組織にルキアさんとビアンカ殿下が向かい、話をしてくるようだ。
オリガさんとマリリさんは、引き続き情報収集を行うそうだ。
「エステル殿下とリンさんはどうしますか?」
「オース商会を手伝うよ」
「護衛にもなりますし、働いてみたいです」
「おお、ミケが色々教えるよ!」
どうもこの二人は、俺についてくる気満々のようだ。
少し捜査に余裕が出てきたのもあるだろうな。
そして、ここでケリー様がルキアさんに衝撃的な情報を伝えた。
「ルキア様、お屋敷にいるメイドと連絡をとっているのですが、領主様と思われる人物が地下牢にいるとの事です。メイドが交代でこっそりお世話をしているそうです」
「お父様が!」
「ただし、容体があまり良くないと聞いております。また、誕生パーティでメイドの手が足りなくなるとの事です」
「地下牢なら調査する価値もあるので、回復魔法が使えるタラちゃんとスラタロウを向かわせましょう。幸い宿屋の奥さんの容体が安定しているので、ホワイトだけでも大丈夫でしょう」
「サトー様、申し訳ないです。よろしくお願いします」
従魔の調査もワース商会と領主邸の調査に注力しよう。
事件の裏側が分かりつつあるので、ここからは慎重に動く様にしよう。
今日もあと少しだなと思っていたら、店頭から元気な声が聞こえてきた。
まさか……
「いらっしゃい! いらっしゃい!」
「おや、嬢ちゃん大丈夫かい?」
「うん、ミケもう元気だよ!」
店頭で声かけをしていたのは、宿で泣きつかれて泣いていたミケだった。
近くにいたクレアさんに話を聞いていた。
「いやね、わたし達も今日はもうお休みかなと。そうしたら、白いオオカミを連れていつの間にかね」
「白いオオカミ?」
あ、馬の足元にシルがいるぞ。
「あ、お姉ちゃん。おかえりなさい」
「ミケ大丈夫なのか? 無理していないか?」
「大丈夫! 寝て起きたら元気になったよ!」
見た目は元気だけど、本当に大丈夫なのか?
「主よ、やらせてあげるのだぞ」
「シル……」
「ミケは目を覚ましたら、直ぐにここにこようとしたんだぞ。我もリーフも休むように言ったのだが、ミケは聞かないのだぞ。それで我が様子を見ていたのだぞ」
「そっか、ありがとうなシル」
ミケはガンコなところもあるから、こうなったらテコでも動かないだろうな。
「はは、ミケ様は大物でございますな」
「これはもう、こちらの負けです」
二階までミケの声が聞こえたのか、一階の売り場に降りてきたトルマさんと俺は苦笑していた。
さて、ミケも頑張っているのだから、俺も閉店時間まで頑張ろう。
それから閉店時間ギリギリまで、ミケの元気な声が店先で響いていた。
「そうですか、そんな事があったんですね」
「あーあ、私がそのバカ野郎をやっつけたかったな」
「この間の時に、殺っちゃえばよかったよ」
夕食時に日中にあったミケのずぶ濡れ事件を聞いて、みんな怒っているようだ。
だが、ルキアさんとマリリさんはともかくとして、リンさんは漢字が違うのでは?
前に三バカを投げ飛ばしたけど、それが甘かったと、リンさんは悔やんでいて、エステル殿下もうんうんと頷いていた。
明日も馬とシルのコンビで、オース商会の警護をするそうだ。
ミケももちろんお店を手伝おうと張り切っている。
みんなには併せてケリーさんがくることも伝えて、エステル殿下とかもその時に自己紹介をすることになった。
「ということで、エステル女王殿下とバスク子爵家のリン令嬢になります。こちらはリンさんお付きのオリガさんとマリリさんです」
「エステルです」
「リンですわ」
「……」
あ、またケリーさんが固まった。
朝のオース商会の時もビアンカ殿下がいて驚いたけど、さらに王女と貴族令嬢がいるなんてたまったもんじゃないだろうな。
俺がみんなを紹介し、エステル殿下とリンさんが挨拶をしたけど、ケリーさんの頭が理解できてないようだ。
「ふう、驚いてしまい申し訳ありません。まさかこれだけの人に会うとは、思ってもみませんでした」
「そうですよね。ここに集まっている人が凄いですから」
「よく分かります。サトー様が男性であることの次に驚きました」
ケリーさん。何で俺が男性である方が驚きなんですか。
女性陣もうんうんと頷いて納得しない!
あと自己紹介をしていないのはミケだけか。
「ミケはミケだよ!」
「あなたがミケちゃんなんですね。お水をかけられたと聞きましたが、大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ!」
あれだけの衆人がいる中でミケに水をぶっかけるなんて、本当にワース商会はアホ野郎だな。
別に諜報スキルがなくても、おばさんの雑談力て明日には街中にワース商会の悪評が広まりそうだ。
取り敢えず当初の目的の宿屋の奥さんの容態を見てもらったが、ケリーさんは奥さんの劇的な回復に驚いていた。
この分だと、来週には歩行訓練もできるとケリーさんは言っていた。
奥さんが店先に立てる日も、そう遠くないだろうな。
「今まで街の住民は、ワース商会の横暴に対して対応するだけの力がありませんでした。怯えて従うしかない人も多かったのです。しかしサトー様がワース商会をことごとく返り討ちにしていますので、街の住民のワース商会に対する感情が変化しております」
「まだこの街に来て三日目ですけどね」
「コマドリ亭を救い、病気に困っていた奥さんを救った。これだけでも十分にインパクトのある行為です。さらにワース商会の妨害にも負けずに商売を続けているのを、多くの人が見ております」
「ワース商会はとにかくしつこいですからね。何回も妨害してきましたし」
食堂に再度集まり、ケリーさんと色々話を始めた。
どうも市中は、ワース商会を中心とした恐怖政治による支配があったのだろうな
「領主夫人や人神教会を背後につけ、ワース商会はここ数年急激に力をつけてきました。ギルドや国教会にも賄賂をおくり、その力を骨抜きにしています」
「私も監視していた従魔より報告を受けました。ワース商会でギルドや国教会への賄賂の調整をしており、国教会の司祭は酒に溺れていると」
資金の流れが徐々に明らかになるに連れて、関係者の繋がりも判明してきた。
ケリーさんも苦笑するほどに荒々しいやり方で、ワース商会は資金を集めていたのだろう。
その資金が闇ギルドに流れていたと。
そこにビアンカ殿下から補足がされた。
「先ほど父上から連絡があり、先の災害時の書類にされたサインだが、偽物と判断されたのじゃ。しかもあれは災害ではなく人災じゃ。再度影によって調査を行った結果、無理に行った農地の拡張計画で木を切りすぎたことによる土砂崩れじゃ」
「山の保水力が失われたんですね。それじゃどうしようもないな。あの兵士もうかばれ無いだろう」
「私もブル村での大規模な山崩れの話を聞いています。ここ数年無理な農地開発が行われていたようです」
これだけの罪状でも十分に領主邸への捜査案件になるだろう。
しかしながら、それ程までの大規模農地開発を行い、作られた作物を国内にまわしてなかったのだろうか。
「ケリーさん。ブルーノ侯爵領で作られた作物は、どこに送られていたかご存知ですか?」
「確証はありませんが、恐らくは人神教国かと思います」
「人神教国? ワース商会は、なぜ人神教国に食料を送っているのでしょうか。」
ブルーノ侯爵領で取れる膨大な食料が、小国でしかない人神教国に流れている。
食料が必要となると、飢餓ともう一つだ。
「人神教国周辺が飢餓にあったという話は聞いておらん。もし飢餓にに成程の悪天候であれば、人神教国と接するランドルフ侯爵領やブルーノ侯爵領も不作になるのじゃ」
「じゃあそうなるとこの食料は。ビアンカ殿下、まずいことになりますよ」
「サトー、ビアンカちゃん。何か分かったの?」
「恐らくはサトーの思っている通りじゃ。この食料は軍の物資じゃろう」
エステル殿下も戸惑った表情だった。
だが、俺とビアンカ殿下の意見が一致して外れたことはない。間違いないだろ。
「ここ数年ワース商会が資金を集めていて、食料も集めているとなると確定じゃろう」
「さらに国内の貴族主義の者と手を取り、資金や違法奴隷など色々な物を融通している。これは国内の分断を狙っていますね」
「人を魔獣化する薬の開発もそうじゃ。まだ実験段階だろうがのう。恐らくは人神教国の企みは、父上と兄上も気づいておる。たが人神教国を追求するだけの証拠に欠けているのじゃろうな」
「なおかつ貴族主義の貴族の対応もある。だから俺達に色々な調査を任せているのですね」
何だか話が大きくなってきたな。
最初のビアンカ殿下を襲撃から助けたところから、国家ぐるみの陰謀阻止になってきた。
ビアンカ殿下一人では荷が重いと言うのも頷ける。
「ランドルフ伯爵領は盆地で周囲を山に囲まれ、守りが固く攻めにくい。まずはブルーノ侯爵領を奪還できれば、王国としてもかなりの成果が出るじゃろう」
「そのためにも、明々後日の誕生パーティーは重要ですね」
「うむ、既に父上と兄上に情報は送っておる。こちらも準備をしないといかんのじゃ」
「自治組織もその日は体制を厚くする予定です。特にワース商会が仕切りますので、いつもと違う動きがあると思います」
ということで、明々後日に向けて色々準備も進める事に。
明日自治組織にルキアさんとビアンカ殿下が向かい、話をしてくるようだ。
オリガさんとマリリさんは、引き続き情報収集を行うそうだ。
「エステル殿下とリンさんはどうしますか?」
「オース商会を手伝うよ」
「護衛にもなりますし、働いてみたいです」
「おお、ミケが色々教えるよ!」
どうもこの二人は、俺についてくる気満々のようだ。
少し捜査に余裕が出てきたのもあるだろうな。
そして、ここでケリー様がルキアさんに衝撃的な情報を伝えた。
「ルキア様、お屋敷にいるメイドと連絡をとっているのですが、領主様と思われる人物が地下牢にいるとの事です。メイドが交代でこっそりお世話をしているそうです」
「お父様が!」
「ただし、容体があまり良くないと聞いております。また、誕生パーティでメイドの手が足りなくなるとの事です」
「地下牢なら調査する価値もあるので、回復魔法が使えるタラちゃんとスラタロウを向かわせましょう。幸い宿屋の奥さんの容体が安定しているので、ホワイトだけでも大丈夫でしょう」
「サトー様、申し訳ないです。よろしくお願いします」
従魔の調査もワース商会と領主邸の調査に注力しよう。
事件の裏側が分かりつつあるので、ここからは慎重に動く様にしよう。
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