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第二章 バスク子爵領

第六十一話 違法奴隷

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「シル、今日は訓練中止にしない?」
「主よ、基礎はやるぞ。流石に軽めにするのだぞ」

 今日は強制捜査があるかもしれないから特訓中止にしないかとシルに提言したら、あっさり却下された。
 まさに鬼軍曹だよ。
 ちなみに新人のベリルは、ホワイトから色々教わっていた。
 今日は強制捜査があってもまだ参加出来ないな。
 
「ルキアさん。全面に出す形の魔法障壁が中々出来ないのですが、何かコツでもありますか?」
「うーん、例えば自分の手を中心にして出してみるといいですよ。盾を持つイメージとかどうでしょうか?」
「成程、早速やってみます」

 ルキアさんに魔法障壁のイメージを聞いて、早速やってみる。
 手を前に出して、手を中心にして盾を持つイメージ。
 お、こんな感じかな。

「流石サトー様、コツを掴むのが上手いですね」
「いやいや、ルキアさんの教え方がうまかったのもありますよ」
「そのまま魔法障壁を維持してくださいね。軽く魔法を放ちます」
「了解でーす」

 ルキアさんにチェックしてもらいながら、魔法障壁を維持し続ける。
 ルキアさんの放った魔法はしっかりと防御できた。

「うん、合格ですね。これなら問題ないでしょう」
「ルキアさん、ありがとうございます」

 ルキアさんのお墨付きを貰った所でシルが一言。

「主よ、そのまま魔法障壁を維持するのだぞ」
「へ?」

 シルの方を向いたら、久々訓練参加のタラちゃん達アルケニー組とヤキトリ達の鳥組が魔法を唱えていた。

「ちょうど並行稼働の訓練していたから、良い的になったぞ」
「あの……シルさん」
「みな、一斉に発射だぞ」
「ちょっとー!」

 ちゅどーん、ちゅどーん、ちゅどーん。

 それから暫く、従魔が放つ魔法をひたすら受け続けていた。
 シルさんや、今日は軽めの訓練じゃないのかい?

「ビアンカにエステルよ、いつもあんな訓練をしているのか?」
「アルスお兄様、いつの間に」
「今着いた所だ。今回は飛龍も無理させてない」
「あはは、前回の事はわたしも聞いているけどね」
「同じミスはおかさないぞ。それでビアンカ、これが普通の訓練?」
「今日は軽めなのじゃ。なあエステルお姉様」
「だね。わたしでも訓練後にへたり込む事があるし」
「風のうわさでお前達が強くなったと聞いたのだが、想像以上だよ」

 いつの間にか来ていたアルス王子とビアンカ殿下とエステル殿下が何か話しているが、こちらは魔法障壁を維持するのに精一杯だよ。
 こんな訓練は軍にもないだろうよ!

「アルス殿下、迎えが出来ず大変申し訳ない」
「よい。バスク卿の事情を鑑みると致し方ない。ここまで調査をしてくれた事に、逆に感謝をしなければならない」
「勿体無いお言葉です。これもサトー殿の助けがあっての事です」
「バルカス領でもサトーの調査力に助けられたが、今回もこのまま行けばサトーの手柄だろう」
「それでいて、毎日あの様な激しい訓練をしております」
「一騎当千になるためには、厳しい修行も必要なのだろう」

 テリー様にアルス王子。勘違いしているけど、俺は一騎当千なんて目指していないからね。
 普通にのんびり冒険したいだけなんだよ。
 それが何でこんな事になっているのだろうか。

「はあはあはあはあ」
「流石だなサトーよ。これ程までに激しい訓練をこなすとは」
「アルス王子、お久しぶりです。当初は軽い訓練で済ます予定でした」
「何やらバスク領の騎士や守備兵も鍛えているそうだな。王国軍も鍛えて欲しいものだ」
「ご所望でしたら是非シルとリーフに相談下さい。きっと強力な兵が生まれるかと」
「うむ、考えておこう」

 何かアルス王子が気安く声をかけてきたけど、もう今更なので軽く答えておく。
 軍隊を強くするのをご所望でしたら、シルとリーフにご相談を。
 でも、あまりお勧めしませんよ。
 と思っていたら、タラちゃんたちがちょこまかとアルス王子に近づいていった。

「あ、アルス王子だ」
「アルス殿下、久しぶりで御座います」
「いつもマスターがお世話になっております」
「あれ? 何でここにアルケニーが? 何故に名を知っている?」
「アルス王子、タラちゃんとポチとフランソワです。進化してアルケニーになりました」
「真か? サトーよ、お主らは本当に一個師団に相当する戦力を持っているではないのか?」

 アルス王子、俺もそのくらいの戦力があると思っています。
 でも、多分まだまだ強くなりますよ。

 アルス王子も朝食がまだと言う事だったので、皆で食堂で朝食。
 そのついでに、今日のうち合わせを行う。

「バスク卿、守備兵の尋問が完了次第、ワース商会の強制捜査でよいか?」
「はい、その手はずで問題ありません」
「ならサトーも準備しておくように。場合によっては早まる可能性があるぞ」
「いつでも動ける様に準備をしておきます」

 打ち合わせといっても、昨日決まった事の再確認だからそこまで手間ではない。
 そう思っていたら、イレギュラー発生です。上手くいかないもんだね。

「お食事中失礼します。ブルーノ侯爵領に向かう門で、ワース商会の馬車が守備兵と揉めております」
「うむ、直ぐに対処……いや、サトー殿急ぎ向かってほしい。何か嫌な予感がする。リンとオリガも一緒に向かってくれ」
「分かりました。念の為、連絡役にサファイアとタラちゃんを連れて行きます」
「サトーさん、行きましょう」

 着替える程でもなかったので、リンさんとオリガさんにタラちゃんとサファイアを連れて一気に走り出す。
 こんなタイミングで騒ぎ起こすなんて、俺でも嫌な予感がするよ。

「ふむ、ますます息ぴったりだのう」
「前に比較しても、意思疎通がスムーズになっているな」
「ね、お兄ちゃんに言った通りでしょう」
「妾も似合いだと思うのじゃ」

 本人の知らない所で、食堂に残った人が何か言っていた様だ。

「あ、何か守備兵と揉めてますね」
「明らかに商人が強引に出ようとしています」
「臨時検査で確認しましょう」

 門に近づくと、言い争いがハッキリ聞こえた。
 商人の方が焦っている感じに見えるが。

「だから、バン兵士に話をしてください。彼の方なら全て分かります」
「そんな兵士は今はいないぞ」

 商人がとある兵士に話をしてとしきりに言っている。
 これってもしかして。

「リンさん、オリガさん。バン兵士ってもしかして」
「はい、捕まった守備兵です」
「思いっきり真っ黒ですね」

 つまり、あの商人は奴隷商人である可能性が高い。
 ついでに言うなら、あの馬車には違法奴隷を運んでいる可能性も高い。

「あ、リン様」
「げ!」

 守備兵がこちらに気がついた。
 商人も気がついたが、この反応は悪い事が見つかったという感じだ。
 もうこの反応で確定だな。

「守備兵よ、その商人を拘束せよ。拘束された兵と繋がっている。直ぐに尋問せよ」
「は!」
「臨時検査を行う。その馬車を調べるのだ」
「分かりました」

 リンさんが直ぐに指示を出し、商人は拘束され兵舎に連行された。
 そのまま馬車の検査を開始する。
 俺達も検査に参加する。
 見た目は普通の馬車の様に見えるが。

「サトーお兄ちゃん。馬車から荷物を出して床板を外して」
「ピィ!」

 と、ここでタラちゃんとサファイアが何かを見つけた様だ。
 確かに馬車の下面に対して中の床板が高い。
 ひょっとして……

 荷物を全て出し、守備兵と共に床板を慎重に外す。
 すると、大きな麻袋があった。
 何か、麻袋がもぞもぞと動いている。
 麻袋を慎重に外に運び袋を開けると、中から小さな女の子が二人出てきた。
 年齢は五歳くらいか、ミケよりも小さい。
 目隠しをされていて猿ぐつわをされており、手足は縛られていた。
 一人は銀髪で背中に天使の様な羽があり、もう一人は黒髪で角とコウモリの様な羽があった。
 誰がどう見ても違法奴隷だった。

「こんな小さな子が、酷い」
「サトー様、早く」
「うん、直ぐに解放するよ」

 リンさんとオリガさんもショックを受けているようだ。
 早く楽にしてあげないと。
 目隠しを外して猿ぐつわを外す。
 おや、目の色とか違うけど、二人の顔がそっくりだ。もしかして双子?
 それだと、ますます違法奴隷の可能性が高くなったぞ。
 手と足の紐を外し、跡になった箇所に回復魔法をかけてあげる。

 解放された双子は怯えていた。
 そりゃそうだ、こんな酷い目に遭わされたのだから。
 よく見ると、守備兵の人も激怒している。
 俺は出来る限り二人に優しく声をかけた。

「大丈夫、俺達は君たちを助けに来たんだよ」
「助けに?」
「本当に?」

 二人抱き合っているけど、何とかこちらの話を聞いてくれた。

「そうだよ、だから安心してね」
「もう叩かない?」
「奴隷にはしない?」
「大丈夫だよ」

 そう言って、二人を抱きしめてあげた。
 すると二人は抱きついてわんわん泣き始めた。

「「うわーん、怖かったよー」」
「もう大丈夫、大丈夫だからね」

 優しくあやしているけど、二人は暫く泣き止まない様だな。
 だが、もうこれでワース商会の犯罪が確定した。

「タラちゃん、サファイアに乗って直ぐにテリー様に連絡を」
「分かったよ、サトーお兄ちゃん」
「ピィ!」

 タラちゃんとサファイアも相当怒っているようだ。
 直ぐに動いてくれた。

「守備兵もお屋敷に向かって下さい」
「馬を出して直ぐに向かいます」

 リンさんの指示で守備兵も一人お屋敷に向かっていった。
 正直ここまでやっているとは思わなかった。
 リンさんもオルガさんも怒っている。
 こうなったら、ワース商会は徹底的に調べないと。
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