転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百五十八話 辺境伯領に到着です

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「「おそいよー!」」

 僕が着替えを終えてグラウンドに移動すると、案の定リズとエレノアが腰に手を当ててぷんぷんしながら僕に文句を言っていた。
 スラちゃんもリズの真似をしてぷんぷんとしているけど、こちらはどちらかというと僕の事をからかっているみたいです。
 僕も急いで着替えを終えたのでグラウンドには半分の人数も集まっていないので、まだまだ余裕はあります。
 それだけリズとエレノアが、今日の冒険者体験を楽しみにしていたということでしょう。
 そのうちに、着替えを終えた生徒と先生もグラウンドに集まってきました。
 クラスごとに並び始めたので、僕たちも自分のクラスのところに移動しました。

「それでは、これからアレク君の空間魔法でホーエンハイム辺境伯領に移動します。最初にホーエンハイム辺境伯様よりお話があるそうなので、皆さんもしっかりと話を聞きましょう。その後、冒険者ギルドに移動し各自が事前に申し込んだ依頼を受けます。どんな依頼にも依頼人がいるという事を忘れずに活動しましょう」
「「「はい」」」

 ユーリカ先生がこの後の流れを説明し、生徒も元気よく返事をしました。
 昨年のルーカスお兄様やルーシーお姉様の冒険者体験と同じく、最初に辺境伯様が生徒に話をする事になっています。
 普段会えない地方の大貴族の当主から話を聞けるので、生徒にとってもとても有意義な事になるでしょう。

「では、さっそく移動を開始します。アレク君、お願いね」

 ユーリカ先生に言われ、僕はユーリカ先生の隣に移動して学園から辺境伯様の屋敷に通じるゲート魔法を発動しました。

 シュイン、ブオン。

「では、クラスごとにゲートを潜りましょう」
「「「はい」」」

 ユーリカ先生がゲートを潜るように言ったけど、初めてゲートを見た生徒はかなりおっかなびっくりですね。
 しかし、リズやエレノア、それにゲートを潜った事がある面々が普通にゲートに入っていったので、他の生徒も少しキョロキョロとしながらゲートを潜っていきました。
 全員がゲートを潜ったところで、僕もゲートの中に入ってゲート魔法を閉じました。

「こ、ここが、ホーエンハイム辺境伯領……」
「馬車で移動するなら、何日掛かる事だろうか」
「アレク様は、天使様ではなくもはや神ではないのか……」

 一瞬でホーエンハイム辺境伯領についた生徒たちは、屋敷の中をキョロキョロと見渡しながら思わず惚けていた。
 中には思わずよく分からない事を言っている人もいるけど、僕たちにはスラちゃんやポッキーを始めとするゲート魔法を使えるものがたくさんいますよ。
 そして、直ぐに僕たちの前にホーエンハイム辺境伯家の使用人が姿を現しました。

「皆様、ようこそホーエンハイム辺境伯家へ。お館様がお待ちです、大広間にご案内いたします」
「「「はい」」」

 僕たちは使用人の後をついて行くけど、使用人の凛とした姿に一部の女子がうっとりとしていた。
 しかし、僕は少し唖然としていた。
 なんと使用人のふりをしていたのは、メイド服を着たソフィアさんだったからです。
 リズやエレノアなんかは直ぐにソフィアさんの事に気が付いたけど、殆どの生徒は使用人がまさかホーエンハイム辺境伯家嫡男のご夫人だとは思わないだろうなあ。
 ちょっとクスッと思いながら大広間に移動すると、今度は可愛らしい声が聞こえてきました。

「「「おはよーございます!」」」
「「「おはようございます」」」

 ミカエルを始めとしたちびっ子たちが大広間で僕たちのことを待っていて、元気よく挨拶をしてきました。
 笑顔のちびっ子たちに、緊張していた生徒も思わず笑顔になりました。
 でも、このちびっ子たちの中にホーエンハイム辺境伯家の将来を担う双子ちゃんがとは思わないでしょうね。
 そして、僕たちはまたまたクラスごとに並んで待機します。
 すると、程なくして辺境伯様とジンさんが姿を現しました。
 辺境伯様は、メイド服を着てニコリとしているソフィアさんを見て思わずクスッとしていました。

「ホーエンハイム辺境伯家当主のヘンリーだ。どうやら息子の嫁が皆を迎えたみたいだな」
「「「えっ!?」」」

 辺境伯様の言葉に、生徒はビックリしながら一斉にメイド服姿のソフィアさんを見ました。
 当のソフィアさんは、ニッコリしているだけですね。
 生徒にとっては、まさかのことでちょっと混乱しているかもしれません。
 僕も、みんなの気持ちは分からなくもないけどね。
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