転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
867 / 1,258
第三十一章 五歳の祝い

千六十三話 教皇国に挨拶に行きます

しおりを挟む
 共和国での挨拶が終わったら、今度は教皇国にゲートを繋げて向かいます。
 先ずは、大教会に向かいましょう。

「あっ、たくさんの人がいるね」
「うーん、新年の説法の最中みたいだな」

 タイミングが悪いのか、僕たちが大教会に入るとたくさんの人で溢れかえっていた。
 リズたちは不思議そうにしているけど、教皇猊下の声が聞こえるからジンさんの言う通り説法の最中なのだろう。
 なので、僕たちは大教会の後方で大人しく待っていました。
 すると、説法の終わりになったタイミングで急に集まっている人が二つに割れました。
 なんだろうなと思ったら、カレン様が僕たちのところにやってきました。

「皆さま、新年おめでとうございます。どうぞ、前へお越し下さいませ」

 カレン様にニコリとしながら言われてしまうと、断るのも難しそうです。
 カレン様に先導してもらい、衆人環視の中進んでいきました。
 すると、ここでもニコニコしている教皇猊下と次期聖女様が僕たちを待っていました。

「おお、これはこれは素晴らしい方々が参られましたな。王国の王家の方々に、双翼の天使様、勇敢なる天使様、そして救国の勇者様」

 あっ、教皇猊下が僕たちの二つ名を呼んだら、一気に集まった人がざわざわとし始めた。
 中には、新年早々ありがたやと僕たちを見ながら拝んでいる人もいます。
 そして、一番前で教皇猊下の説法を聞いていました。
 どこかで聞いたことのある内容かと思ったら、幼いミカエルが襲撃者からブリットを守った内容じゃないかな……
 当の二人は、すごいねーって話をしていました。
 そして、説法の後は応接室に移動するのだけど、ここでトラブルが発生しました。

「あっ、ぐぐっ……」

 突然、お爺さんが胸を押さえながら倒れてしまったのです。
 急いで駆けつけようとしたら、既に動いているものがいました。

「おじいちゃん、大丈夫?」
「直ぐに治療するよ」

 シュイン、ぴかー!

 人混みの中を小さな体が抜けていきました。
 ミカエルとブリットに加えて、ルカちゃんとエドちゃんたちもいます。
 こういう時、大きな体だと小回りがききませんね。
 僕たちが駆けつけた時には、既にミカエルとブリットによる治療が済んでいました。
 他の子も、お爺さんに声を掛けています。

「おお、胸の苦しみが全くなくなった。二人とも、ありがとう」
「「「どういたしましてー」」」

 何故かミカエルとブリットだけでなくちびっ子たち全員が返事をしていたけど、みんないい笑顔をしていますね。
 勇敢なる天使様は、本当に勇気があると口々に言われていました。
 これ以上僕たちがいると更に騒ぎになりそうなので、足早に応接室に移動します。

「みんな、お爺さんを治療してくれてありがとうね」
「「「いーえ!」」」

 ちびっ子たちはジュースを飲みながらカレン様に返事をしているけど、やりきったって表情ですね。
 そして、教皇猊下もニコニコしながらちびっ子たちに話しました。

「ほほほ、みんなが勇敢なる天使様じゃのう。とても素晴らしいことじゃ」

 僕的には、教皇猊下は新しい説法の話のネタが出来たって思っている気がします。
 その後も、子どもたちを中心にして話が進んでいました。

「確か、結婚式は来年春の予定でしたよね? とても楽しみにしておりますわ」
「ええ、そうですわ。きっと素晴らしい結婚式になるのではと思っています」
「私の結婚式は、いったいどうなるのかな?」

 そして、ルーカスお兄様と結婚予定のカレン様とアイビー様が、同じく学園を卒園したらジェットさんと結婚予定のルーシーお姉様と一緒に結婚式について話をしていました。
 国家間の繋がりの意味も持つから、きっと壮大な結婚式になりそうだね。
 でも、話は微妙な方向に進んでいきました。

「うーん、私のお義姉様になる人が私よりも後に結婚することになるかもしれないのよ……」
「あー、あの方ですね。とてもいい方だと思うのですけど……」

 ルーシーお姉様の義姉になる人って、クレイモアさんだよね。
 カレン様もあの人と誤魔化しているけど、中々いい方向に進みませんね。
しおりを挟む
感想 297

あなたにおすすめの小説

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします

未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢 十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう 好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ 傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する 今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった

悪役令嬢の身代わりで追放された侍女、北の地で才能を開花させ「氷の公爵」を溶かす

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の罪は、万死に値する!」 公爵令嬢アリアンヌの罪をすべて被せられ、侍女リリアは婚約破棄の茶番劇のスケープゴートにされた。 忠誠を尽くした主人に裏切られ、誰にも信じてもらえず王都を追放される彼女に手を差し伸べたのは、彼女を最も蔑んでいたはずの「氷の公爵」クロードだった。 「君が犯人でないことは、最初から分かっていた」 冷徹な仮面の裏に隠された真実と、予想外の庇護。 彼の領地で、リリアは内に秘めた驚くべき才能を開花させていく。 一方、有能な「影」を失った王太子と悪役令嬢は、自滅の道を転がり落ちていく。 これは、地味な侍女が全てを覆し、世界一の愛を手に入れる、痛快な逆転シンデレラストーリー。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました

あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。 そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。 平民出身のヒロインの「善意」、 王太子の「優しさ」、 そしてそれらが生み出す無数の歪み。 感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。 やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。 それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。 なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。 これは、 「断罪される側」が最後まで正しかった物語。 そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。

君といるのは疲れると言われたので、婚約者を追いかけるのはやめてみました

水谷繭
恋愛
メイベル・ホワイトは目立たない平凡な少女で、美人な姉といつも比べられてきた。 求婚者の殺到する姉とは反対に、全く縁談のなかったメイベル。 そんなある日、ブラッドという美少年が婚約を持ちかけてくる。姉より自分を選んでくれたブラッドに感謝したメイベルは、彼のために何でもしようとひたすら努力する。 しかしそんな態度を重いと告げられ、君といると疲れると言われてしまう。 ショックを受けたメイベルは、ブラッドばかりの生活を改め、好きだった魔法に打ち込むために魔術院に入ることを決意するが…… ◆なろうにも掲載しています

追放即死と思ったら転生して最強薬師、元家族に天罰を

タマ マコト
ファンタジー
名門薬師一族に生まれたエリシアは、才能なしと蔑まれ、家名を守るために追放される。 だがそれは建前で、彼女の異質な才能を恐れた家族による処刑だった。 雨の夜、毒を盛られ十七歳で命を落とした彼女は、同じ世界の片隅で赤子として転生する。 血の繋がらない治療師たちに拾われ、前世の記憶と復讐心を胸に抱いたまま、 “最強薬師”としての二度目の人生が静かに始まる。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。