転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十章 入園前準備

千十九話 座学の始まり

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 とりあえず席も埋まったし、さっそく講習を始めましょう。
 リズに声をかけて、みんな前に来てもらいます。

「では、これから新冒険者向け講習を行います。講師のDランク冒険者のアレクサンダーです、よろしくお願いします」
「エリザベスだよ、リズって呼んでね。お兄ちゃんと同じDランク冒険者だよ!」
「サンディです、Eランク冒険者です」
「イヨ、Eランク冒険者」

 イヨは僕たちが仕事の時にたまにミカエルの冒険者活動に付き合っていたので、いつの間にかEランク冒険者になっていました。
 最近は同じ年のミリアと遊んでいることもあるし、会った時と比べるとだいぶ表情が良くなりました。
 うん、態度が悪い冒険者たちは僕たちの方を見てガキがやっていると思っていますね。

「本日は座学を行った後、場所を移動して荷物講習を行います。実技講習も行いますが、それは前にいる四名で行います」
「どんな武器が良いか、相談も受けるよ!」

 僕とリズが話し始めると、殆どの人は真剣に話を聞き始めました。
 部屋の後方でお喋りしている人がいるけど、特に気にせずに始めましょう。

「まず、一番大事なのが冒険者も一つの職業ということです。自己責任の職業とも言われていますが、実際はそうではありません。礼節や時間を守るなど、当たり前のことをするようにしましょう。自分勝手な行動をして、仲間や依頼主に迷惑をかけている人を数多く見てきました」

 どんな職業も、きちんと色々なことを守らないと大失敗します。
 貴族も、自分勝手な行動をして駄目になった人を何人も見てきました。
 成功する冒険者は、そういう基本のことを守る人なんだよね。

「冒険者はランク分けしてあります。これは、レベルに合わせて順に成長していく為です。無謀な依頼を受けて死んでいく冒険者が後を絶ちません。もちろん実力がある冒険者には、ランクに関わらず指名依頼を受けることがあります。そうなるように、自己研鑽を積んで実績を上げて冒険者ギルドから信頼を得るようにして下さい」

 僕が説明することを、新人冒険者はメモを取りながら聞いていました。
 毎回説明しているけど、このランク制度のことを勘違いしている人がいるんだよね。
 冒険者ギルドも、実力があって信頼できる人にはきちんと依頼をする。
 逆に、小さいことをコツコツと確実にできない人には、大きな依頼をすることはありません。
 そして、スラちゃんが居眠りを始めた部屋の後方にいる冒険者をリストアップして、スススっと部屋を出て受付に向かいました。
 少なくとも、寝ている人は冒険者ギルドの信頼はマイナスポイントからのスタートですね。

「僕も、こう見えて冒険者歴六年を超えました。薬草採取に怪我人の治療やお店のお掃除から始めて、害獣駆除や悪い人を捕まえたこともあります。こうして講師の依頼を受けたのも、頑張って一つずつ仕事を成功させていったからです。皆さんも、最初は戸惑うことがたくさんあると思いますが、諦めずに依頼をこなしていきましょう」

 この話をすると、いつもびっくりする声が上がるんだよね。
 今日も、おーって声が上がりました。
 リズと戻ってきたスラちゃんががドヤ顔でいるけど、そんなに威張ることでもないですよ。

「あと、大切なのが調べたり聞くことです。冒険者活動はとにかく準備が大切なので、冒険者ギルドの職員や先輩冒険者に尋ねてみましょう。人に話を聞くのは恥ではないですよ、逆に何も聞かないで自分勝手な行動をして周りに迷惑をかけることが恥です。そうならないように、十分に注意しましょう」

 その後も必要なことを手短に話して、大体二十分で座学は終了です。
 後方にいる人たちは、とても気持ちよさそうに寝ていますね。
 でも、そろそろ移動の時間なので起きて貰いましょう。
 プリンに頼んで、後方にいる面々のところに移動して貰いました。

 シュイン、ピリッ。

「「「あたっ! はっ?!」」」

 プリンがちょこっとだけピリッとするレベルの雷魔法を放つと、熟睡していた面々がビクッとしながら起きました。
 僕も含めて、全員がその様子を見守っていました。

「あの、どうかしましたか? もう座学が終わるので、訓練場に移動しますよ」
「ちっ、なんでもねーよ」

 バツが悪いのか、寝ていた面々は僕に悪態をついて部屋を出ていきました。
 うん、みんな爆笑を堪えるのに必死ですね。
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