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第三十章 入園前準備
千六話 再試験追試験の日
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こうして数日は忙しくも楽しかった日々が続いたんだけど、今日はかなり憂鬱な日です。
というのも、学園入園の再試験と追試験が行われる日になったからです。
再試験の方は普通に行えば良いんだけど、追試験の方がとても気が重いです。
リズたちは一緒についてきたかったけど、流石に断念してもらった。
「はあ、結局カンニングした面々全員追試験になったとは……」
「仕方ないじゃろう、試験の公平性が失われるのじゃからな」
「おじいちゃん、宰相引退したはずよね……」
今日は久々にニース侯爵が僕の補佐をしてくれることになったのだけど、孫のカミラさんも指名依頼としてついてくることになった。
この前の本試験の時も手伝ってくれたのだから、僕としてはとても心強いけど。
そして、活きのいい受験生がいると聞いてカーセント公爵とグロスターのおじい様までついてきた。
トドメに、ティナおばあさままでついてきたのだ。
いやあ、あのぽっちゃり君はこの圧力に耐えられるかな。
そんなことを思いながら、学園にゲートを繋いで向かいます。
「アレク様、本日は宜しくお願いいたします。皆さまにおかれても、どうぞ宜しくお願いいたします」
「いやいや、このくらいはなんてことはないぞ。むしろ、どんなものがいるかとても楽しみじゃ」
出迎えてくれた先生にニース侯爵がにこやかに挨拶をしているけど、事前に伝えたとはいえなんでこの人たちがいるんだとおもっているだろうね。
まあ愚痴を言っても仕方ないので、さっそく試験会場の大きい教室に向かいました。
今日は早めに受験生が集まっているけど、それは当日来れなくて再試験になった人だけです。
残念ながら、追試験になった面々はまだ教室に来ていません。
すると、とある男子がおずおずとニース侯爵に問題集を手にしながら質問してきた。
「あの、これはどうやって解けば良いんですか?」
「おお、これは間違いやすい問題じゃな。勇気を持って質問してくるとは感心じゃ」
ニース侯爵は、質問してきた受験生に丁寧に問題の解き方を教えていた。
そんな祖父の姿に、カミラさんが呆れながらツッコミを入れていた。
「おじいちゃん、入試前に教えても良いの?」
「問題なかろう。試験問題を教える訳では無いし、あくまでも問題集の解き方を教えるだけじゃ」
確かに、試験問題を直接教えているわけじゃないし、受験生が手にしているのは市販されている問題集です。
試験開始までまだ三十分はあるし、他の面々も受験生の質問に答えていた。
カーセント公爵曰く、やる気があって積極的に質問するなら大歓迎だそうです。
こうして再受験生は意欲的に勉強していたのだけど、試験開始五分前になっても追試験になった面々が現れない。
体育館に行っちゃったのかなとおもったけど、そうでもないという。
ガラッ。
「はあ、だるっ……」
そして、試験開始三分前になってようやく追試験の面々が現れたのです。
試験開始には間に合ったけど、集合時間には間に合っていません。
この時点で、今日集まっている偉い人たちの怒りに火をつけてしまったみたいです。
「時に先生よ、別室受験は可能か? 今頃来たところで、準備も何もないじゃろう」
「はい、そうですね。集合時間に間に合ってないですし、他の受験生の邪魔になります」
ニース侯爵から質問を受けた先生も、ちょっと怒っているみたいですね。
既に別室の準備は万端みたいだし、真面目にやっている人の邪魔になります。
そして、ニース侯爵が追試験受験者の前に出た。
「前宰相で、現宰相補佐のニースじゃ。どうやら、集合時間を色々と勘違いしている馬鹿どもがいるようじゃのう。副宰相二人もお主らの監視に当たる、今すぐ別室に移動するのじゃ」
「「「ぜ、前宰相……」」」
追試験受験者は、何でこの人が目の前にいるのって表情をしていました。
もちろん指示に従うしかなく、トボトボと後をついていきました。
「えっ、前宰相?」
「ああ、おじいちゃんはキチンとする人なら特に気にしないわよ。副宰相たちも同じね」
ニース侯爵に質問した面々もびっくりしていたけど、このくらいなら全然大丈夫だと思いますよ。
こちらにはカミラさんとティナおばあさまが残っているけど、監視強化するまでは行かないでしょうね。
因みに、プリンは張り切って追試験受験者のところに向かいました。
というのも、学園入園の再試験と追試験が行われる日になったからです。
再試験の方は普通に行えば良いんだけど、追試験の方がとても気が重いです。
リズたちは一緒についてきたかったけど、流石に断念してもらった。
「はあ、結局カンニングした面々全員追試験になったとは……」
「仕方ないじゃろう、試験の公平性が失われるのじゃからな」
「おじいちゃん、宰相引退したはずよね……」
今日は久々にニース侯爵が僕の補佐をしてくれることになったのだけど、孫のカミラさんも指名依頼としてついてくることになった。
この前の本試験の時も手伝ってくれたのだから、僕としてはとても心強いけど。
そして、活きのいい受験生がいると聞いてカーセント公爵とグロスターのおじい様までついてきた。
トドメに、ティナおばあさままでついてきたのだ。
いやあ、あのぽっちゃり君はこの圧力に耐えられるかな。
そんなことを思いながら、学園にゲートを繋いで向かいます。
「アレク様、本日は宜しくお願いいたします。皆さまにおかれても、どうぞ宜しくお願いいたします」
「いやいや、このくらいはなんてことはないぞ。むしろ、どんなものがいるかとても楽しみじゃ」
出迎えてくれた先生にニース侯爵がにこやかに挨拶をしているけど、事前に伝えたとはいえなんでこの人たちがいるんだとおもっているだろうね。
まあ愚痴を言っても仕方ないので、さっそく試験会場の大きい教室に向かいました。
今日は早めに受験生が集まっているけど、それは当日来れなくて再試験になった人だけです。
残念ながら、追試験になった面々はまだ教室に来ていません。
すると、とある男子がおずおずとニース侯爵に問題集を手にしながら質問してきた。
「あの、これはどうやって解けば良いんですか?」
「おお、これは間違いやすい問題じゃな。勇気を持って質問してくるとは感心じゃ」
ニース侯爵は、質問してきた受験生に丁寧に問題の解き方を教えていた。
そんな祖父の姿に、カミラさんが呆れながらツッコミを入れていた。
「おじいちゃん、入試前に教えても良いの?」
「問題なかろう。試験問題を教える訳では無いし、あくまでも問題集の解き方を教えるだけじゃ」
確かに、試験問題を直接教えているわけじゃないし、受験生が手にしているのは市販されている問題集です。
試験開始までまだ三十分はあるし、他の面々も受験生の質問に答えていた。
カーセント公爵曰く、やる気があって積極的に質問するなら大歓迎だそうです。
こうして再受験生は意欲的に勉強していたのだけど、試験開始五分前になっても追試験になった面々が現れない。
体育館に行っちゃったのかなとおもったけど、そうでもないという。
ガラッ。
「はあ、だるっ……」
そして、試験開始三分前になってようやく追試験の面々が現れたのです。
試験開始には間に合ったけど、集合時間には間に合っていません。
この時点で、今日集まっている偉い人たちの怒りに火をつけてしまったみたいです。
「時に先生よ、別室受験は可能か? 今頃来たところで、準備も何もないじゃろう」
「はい、そうですね。集合時間に間に合ってないですし、他の受験生の邪魔になります」
ニース侯爵から質問を受けた先生も、ちょっと怒っているみたいですね。
既に別室の準備は万端みたいだし、真面目にやっている人の邪魔になります。
そして、ニース侯爵が追試験受験者の前に出た。
「前宰相で、現宰相補佐のニースじゃ。どうやら、集合時間を色々と勘違いしている馬鹿どもがいるようじゃのう。副宰相二人もお主らの監視に当たる、今すぐ別室に移動するのじゃ」
「「「ぜ、前宰相……」」」
追試験受験者は、何でこの人が目の前にいるのって表情をしていました。
もちろん指示に従うしかなく、トボトボと後をついていきました。
「えっ、前宰相?」
「ああ、おじいちゃんはキチンとする人なら特に気にしないわよ。副宰相たちも同じね」
ニース侯爵に質問した面々もびっくりしていたけど、このくらいなら全然大丈夫だと思いますよ。
こちらにはカミラさんとティナおばあさまが残っているけど、監視強化するまでは行かないでしょうね。
因みに、プリンは張り切って追試験受験者のところに向かいました。
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