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第三十章 入園前準備
千一話 再試験の準備と頑張ったご褒美
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筆記試験などは先生が採点するし、ジンさんたちが手伝ってくれたので実技試験の後片付けも直ぐに完了。
その後は、今後のスケジュールを確認するために応接室に移動して先生と打ち合わせを行います。
ちなみに、ジンさんたちはポッキーが王城に送っていくそうです。
「アレク様、試験お疲れ様でした。『双翼の天使様』と言われるその力を、改めて再確認しました」
「うう、やりすぎちゃってごめんなさい。僕もリズも、久しぶりに全力で手合わせしようと張り切っちゃいました……」
「このくらいは何も問題ないですよ、結果的に怪我人も出ていなかったのですから。それよりも、再試験になった受験生の件も含めて話を詰めましょう」
いきなり僕とリズの実技試験の話が出たけど、他の先生も問題ないと言っていた。
本人を目の前にして問題があるとは言えないとも思ったけど、とりあえずそういうことにしておきましょう。
一番の問題となったのは、再試験になった受験生の件だった。
「今回問題になったのは、ガッシュ男爵家の三男となります。アレク様とリズ様の圧倒的な実力を目の当たりにしたので妙に大人しくなったのですが、それでも試験結果に変わりはありません。過去最低の結果となったため、再試験が妥当かと思われます」
「分かりました。直ぐに陛下と話をして結果をお伝えします」
「宜しくお願いいたします。仮に再試験となった場合は、本日受験できなかった人と共に実施する予定です」
元々の再試験が二週間後に行われるので、一人増えても問題ありません。
問題も予備のものを使うので、今日の試験内容が出ることはありません。
範囲は決まっているので、真面目に勉強すれば大丈夫なはずです。
ちなみに、取り巻きは魔法に変えた実技試験が普通の点数だったので、再試験は行われません。
さっそく陛下や宰相などに再試験の件を伝えると、直ぐに行うようにという指示が返ってきた。
直接話さなくて良いのかなと思ったけど、別件で話すことがあるらしい。
再試験の時にはまた僕が学園に行くので、全体の試験結果などはその際に話すそうです。
決めないといけないことも決まったので、僕はプリンと共に王城に帰った。
すると、直ぐに会議室に案内された。
「アレクとリズが圧倒的な力を見せて、結果的に良かったのだろう。誤った自信を折る結果になったのだからな」
陛下にも僕とリズの手合わせを伝えていたけど、別の意味で問題ないと言っていた。
「俺は凄い」と勘違いして、増長することを防げたという。
そして、話は別の方向に進んでいった。
「そもそも、そのガッシュ男爵自身に問題があった。いわゆる貴族主義のものなのだが、家の権威しか取り柄がなかった。そして、昨日行われた職場での職員研修での態度が酷すぎて、一ヶ月間の軍での強制訓練を命じられたばかりだ」
何となく予想がついていたけど、当主もかなり酷い人だったんだ。
でも、母親と兄二人がいるとなると、肝心の本人がどうなるかまだ分からない。
すると、陛下がこんな通知を出すと言ってきた。
「ガッシュ男爵家には、再試験で酷い点を取ったら学園の入園を認めないという通知を出す。貴族だから落ちることはないという意識が根底にあるが、今回の試験結果はあまりにも酷すぎる」
おお、親子揃って酷いことになったので、陛下もかなりおかんむりです。
でも、完全に慢心からくる自業自得なので僕もしょうがないと思っています。
これで話し合いは終わったので、僕は宰相執務室に向かいました。
すると、リズたちだけでなくティナおばあさまもいました。
「お兄ちゃん、おばあちゃんが美味しい料理を食べようって言ってくれたよ!」
「ふふ、すごい結果を出したし、試験が終わってご苦労さまを兼ねてよ。昼食に美味しいものを出すようにと頼んであるわ」
流石はティナおばあさま、僕たちのことを色々と考えて動いてくれた。
既にリズの気持ちも回復していて、いつもの元気さを取り戻していた。
もちろんエレノアたちも機嫌がいいし、せっかくなのでティナおばあさまの提案に乗ることにした。
僕も、リズが元気になってホッとしています。
その後は、今後のスケジュールを確認するために応接室に移動して先生と打ち合わせを行います。
ちなみに、ジンさんたちはポッキーが王城に送っていくそうです。
「アレク様、試験お疲れ様でした。『双翼の天使様』と言われるその力を、改めて再確認しました」
「うう、やりすぎちゃってごめんなさい。僕もリズも、久しぶりに全力で手合わせしようと張り切っちゃいました……」
「このくらいは何も問題ないですよ、結果的に怪我人も出ていなかったのですから。それよりも、再試験になった受験生の件も含めて話を詰めましょう」
いきなり僕とリズの実技試験の話が出たけど、他の先生も問題ないと言っていた。
本人を目の前にして問題があるとは言えないとも思ったけど、とりあえずそういうことにしておきましょう。
一番の問題となったのは、再試験になった受験生の件だった。
「今回問題になったのは、ガッシュ男爵家の三男となります。アレク様とリズ様の圧倒的な実力を目の当たりにしたので妙に大人しくなったのですが、それでも試験結果に変わりはありません。過去最低の結果となったため、再試験が妥当かと思われます」
「分かりました。直ぐに陛下と話をして結果をお伝えします」
「宜しくお願いいたします。仮に再試験となった場合は、本日受験できなかった人と共に実施する予定です」
元々の再試験が二週間後に行われるので、一人増えても問題ありません。
問題も予備のものを使うので、今日の試験内容が出ることはありません。
範囲は決まっているので、真面目に勉強すれば大丈夫なはずです。
ちなみに、取り巻きは魔法に変えた実技試験が普通の点数だったので、再試験は行われません。
さっそく陛下や宰相などに再試験の件を伝えると、直ぐに行うようにという指示が返ってきた。
直接話さなくて良いのかなと思ったけど、別件で話すことがあるらしい。
再試験の時にはまた僕が学園に行くので、全体の試験結果などはその際に話すそうです。
決めないといけないことも決まったので、僕はプリンと共に王城に帰った。
すると、直ぐに会議室に案内された。
「アレクとリズが圧倒的な力を見せて、結果的に良かったのだろう。誤った自信を折る結果になったのだからな」
陛下にも僕とリズの手合わせを伝えていたけど、別の意味で問題ないと言っていた。
「俺は凄い」と勘違いして、増長することを防げたという。
そして、話は別の方向に進んでいった。
「そもそも、そのガッシュ男爵自身に問題があった。いわゆる貴族主義のものなのだが、家の権威しか取り柄がなかった。そして、昨日行われた職場での職員研修での態度が酷すぎて、一ヶ月間の軍での強制訓練を命じられたばかりだ」
何となく予想がついていたけど、当主もかなり酷い人だったんだ。
でも、母親と兄二人がいるとなると、肝心の本人がどうなるかまだ分からない。
すると、陛下がこんな通知を出すと言ってきた。
「ガッシュ男爵家には、再試験で酷い点を取ったら学園の入園を認めないという通知を出す。貴族だから落ちることはないという意識が根底にあるが、今回の試験結果はあまりにも酷すぎる」
おお、親子揃って酷いことになったので、陛下もかなりおかんむりです。
でも、完全に慢心からくる自業自得なので僕もしょうがないと思っています。
これで話し合いは終わったので、僕は宰相執務室に向かいました。
すると、リズたちだけでなくティナおばあさまもいました。
「お兄ちゃん、おばあちゃんが美味しい料理を食べようって言ってくれたよ!」
「ふふ、すごい結果を出したし、試験が終わってご苦労さまを兼ねてよ。昼食に美味しいものを出すようにと頼んであるわ」
流石はティナおばあさま、僕たちのことを色々と考えて動いてくれた。
既にリズの気持ちも回復していて、いつもの元気さを取り戻していた。
もちろんエレノアたちも機嫌がいいし、せっかくなのでティナおばあさまの提案に乗ることにした。
僕も、リズが元気になってホッとしています。
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