転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
上 下
830 / 939
第三十章 入園前準備

九百八十九話 準備作業とローリーさんの結婚式の話

しおりを挟む
 入園試験が近づく中、僕はローリーさんと学園に行って色々と準備をしていました。
 実は、体験授業をもっとやろうという話になっているのです。

「知識だけ詰め込んで頭でっかちになっても駄目なので、様々な体験を通して考える力をつけるようにしています」

 先生も、ルーカスお兄様のクラスがやる気になっているのに手応えを感じていました。
 とはいえ学園にも問題児クラスはあるので、人選はしっかりとするそうです。
 ルーシーお姉様のクラスが辺境伯領に来て冒険者体験をするのは確定らしく、しかも来週だそうです。
 そういうことは早く言ってほしいですよ……
 取り敢えず、通信用魔導具で辺境伯様に連絡をしておきました。

「そして入園試験なのですが、今年は一般市民の参加者も多い予定です。どうも、双翼の天使様に憧れている人も多く、ぜひとも一緒に学びたいとのことです」
「あの、僕なんかと一緒にいても騒動に巻き込まれるだけだと思いますよ……」
「それだけ、多くの人に慕われているってことの証です。元々貴族の師弟も多く、二クラスくらい増えても問題ありませんので」

 なんというか、凄いことを聞いてしまいました。
 わざわざ、地方から来る人もいるそうです。
 これって、場合によっては寮とかも必要なのではと思っちゃいました。
 最悪、また競売物件になった家とかを買って対応しよう。

「試験ですが、予定通り体育館で筆記試験を行います。その後実力試験を行いますが、ジン様たちにも協力を依頼したいと思っております」
「人数も多いし、仕方ないですよね。今日は宰相のところにいるので、今のうちに連絡しておきます」
「アレク様はとても早く対応して頂き、本当に助かっております。来年以降も、引き続き宜しくお願いいたします」

 あれ?
 来年春にはルーカスお兄様が卒園するから、ルーカスお兄様を中心とした新しい体制を作るんじゃなかったっけ。
 なんだか、僕がこのまま学園担当として残るような感じになっているよ。
 良く分からないので、この辺は宰相執務室に戻ってから話をしようと。
 こうして話し合いが終わったので、僕たちは王城に戻りました。

「「戻りました」」
「おお、お帰り。報告を見たが、問題なさそうだな」

 学園から帰る前にこんなことになったと報告をしていたので、出迎えてくれた宰相ももう内容を把握していました。
 さてさて、学園のことを聞かないと駄目ですね。

「アレク君は、来年も副宰相で学園担当だ。ジンは、副宰相から外して宰相直轄の冒険者ギルド担当とする」
「俺、冒険者ギルドの会議に出るの面倒くさいんですけど……」

 ジンさんが自席で項垂れていたけど、そんな理由があったとは。
 というか、僕は副宰相のままなんですね……
 僕も、思わずがっくりしちゃいました。
 そして、話はローリーさんの件になりました。
 というのも、入園試験が終わったらいよいよローリーさんの結婚式が待っているからです。

「でも、両家の家族を呼んでこじんまりとしようと考えております」
「別日になりますが、皆さまを集めて披露宴などを計画しております」
「「「絶対に行くよ!」」」

 ナッシュさんも派手にはしたくないらしいのですけど、もう関わった人が多いのでリズたちも披露宴には参加する予定です。
 ナッシュさんの実家の屋敷で披露宴をする予定らしいので、当日はゲートを繋げてみんなを呼ぶそうです。
 その中に、海外からのゲストがいます。

「その、カレン様もぜひ行きたいと言っていました。ローリーさんの同級生の結婚式の話をしたいそうです」
「実は、先日王城でお会いした際にカレン様本人から言われてしまいました……」

 昨年のローリーさん、エマさん、オリビアさんの同級生の、亡くなった友人との結婚の話にとても感動しているそうです。
 なので、当日はエマさんとオリビアさんも呼び寄せる予定です。
 ローリーさんとナッシュさんの同級生も集まるので、結局は結構な人数になりそうだけどね。
 もちろんこの宰相執務室のメンバーも一緒に行くので、きっと賑やかな披露宴になりそうです。
 このまま昼食になったけど、人生の先輩たちが結婚生活はどうかと言っていました。
 リズたちも参加して盛り上がっていたけど、男性陣は肩身が狭い思いをしながら昼食を食べていました。
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。

しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹 そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる もう限界がきた私はあることを決心するのだった

【完結】え、別れましょう?

須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」 「は?え?別れましょう?」 何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。  ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?  だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。   ※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。 ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。