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第二十八章 エマさんとオリビアさんの結婚

九百二十話 辺境伯領での五歳の祝いの準備

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 そして、辺境伯領での五歳の祝いの日になった。
 安息日なので僕たちも仕事はないけど、辺境伯様の屋敷と僕の屋敷を繋げたり料理を準備したりと朝から大忙しだった。
 そんな中、この人たちも屋敷に来ていました。

「パーティー楽しみ!」
「いっぱい人がくるんだよね!」
「うん!」

 王城から、ルカちゃんとエドちゃん、それにエリちゃんも遊びに来ていました。
 お祭り騒ぎが大好きだから、きっと楽しみにしていたのでしょうね。
 引率者はティナおばあさまで、マジカルラットにネコちゃんもついてきたから戦力的にも大丈夫でしょう。
 三人はさっそくミカエルたちと遊び始めたけど、準備の邪魔にならないように庭の隅で遊んでいます。

「グカー、グカー」

 ドラちゃんは朝の訓練の後で寝ていて、いつも通り野良猫も一緒だった。
 子猫も生まれていたけど、ドラちゃんの体によじ登ったりと中々ヤンチャだった。
 その間に、五歳の祝いの対象でもあるメイちゃんとリラちゃんがこの前披露したワンピースを着てこちらにやってきた。

「「じゃーん」」
「「「わあ、可愛いね!」」」

 少し誇らしげな二人を、ミカエルたちも大絶賛です。
 髪も綺麗に整えていて、とても可愛らしい姿ですね。

「何だか、とても懐かしい気がするわ」
「五歳の祝いで生まれた娘が、今度は五歳の祝いに参加するなんてね」

 侍従のお姉さんも、ミカエルたちと混ざってニコニコしている娘を見て感慨深そうにしています。
 何にせよ、そろそろ時間なのでメイちゃんとリラちゃん、それに侍従のお姉さんは教会に移動しないと。
 僕とスラちゃんは屋敷に残るので、ポッキーがみんなを連れていきます。

「じゃあ、ポッキー頼んだよ」
「キュッ!」
「「いってきまーす!」」

 シュッ。

 みんなは、ポッキーの転移魔法で教会に向かいました。
 きっと、今頃教会で他の五歳になる子どもたちとワイワイしているのだろうね。
 では、僕たちも準備を進めましょう。

「じゃあ、お兄ちゃん着替えてくるね」

 リズたちも、メイド服に着替える為に屋敷に入っていきました。
 エレノアやメアリ、それにアリサさんも給仕をする気満々で、何故か自前のメイド服を持ってきていた。
 因みに、僕とブライトさん、それにヘイリーさんは執事服に着替えています。
 さて、そろそろもう一匹を起こさないと。

「ミカエル、そろそろドラちゃんを起こしてきて」
「分かった!」
「僕が起こすの」
「私が起こすの!」

 あらら、ちびっ子軍団全員でドラちゃんの方に走っていっちゃった。
 流石に野良猫がいるから魔法を放って起こすようなことはしないけど、それでもペシペシと叩いていますね。

「グルル……」
「「「おきたー!」」」
「クハーッ」

 ドラちゃんも分かったよと言わんばかりに文句を言いながら顔を上げたけど、まだ大あくびをしていた。
 しかも、ドラちゃんの後を三匹の子猫がついてきていた。
 親代わりというよりかは、遊んでくれる大きなお兄ちゃんって扱いでしょう。
 因みに、屋敷に住み着いている野良猫は、粗相をしたりマジカルラットとかを襲うことはありません。
 中々賢い野良猫で、僕たちも助かっています。

「じゃあ、そろそろお料理を運んでくるね」
「気をつけてね。転ばないでね」
「大丈夫だよ!」
「グルル」

 リズたちも辺境伯様の屋敷の中に入っていったけど、ドラちゃんも普通に屋敷の中に入っていった。
 この様子だと、僕たちが王城で屋敷にいない時も、ドラちゃんは屋敷の中に出入りしていそうだ。
 僕はというと、ブライトさんとヘイリーさんとともにテーブルの位置を直したり、テーブルにシーツを敷いたりしています。

「きゃはは!」
「まてー!」

 そして、ミカエルたちはエリちゃんたちとともに追いかけっこを始めていました。
 準備の邪魔にならないように、ティナおばあさまと近衛騎士が見守っています。
 プリンも一緒にいるから、きっと大丈夫でしょう。
 こうして、順調に準備は進んでいきました。
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