773 / 890
第二十八章 エマさんとオリビアさんの結婚
八百九十九話 デンバー男爵家の情報
しおりを挟む
翌朝、ブライトさんたちとヘイリーさんを含めて訓練を行います。
確認したら四人とも魔法の才能があったので、剣技だけでなく魔法の訓練もすることになりました。
「ふふふ、久しぶりに教え甲斐のある人材が現れたわね」
「そうね、張り切って教えないとね」
なぜかお隣からレイナさんとカミラさんたちもやってきたけど、みんなが優秀な先生であるのは間違いありません。
ということで、早速訓練開始です。
「まてー!」
「捕まえるぞ!」
「ギャウ!」
庭の一角では、ドラちゃんを含めたちびっ子軍団の追いかけっこが始まりました。
といっても、身体能力強化を使っての鬼ごっこなので、かなり凄いことになっています。
マジカルラットも混じっているけど、一番大変なのは間違いなく大勢に追いかけられているドラちゃんでしょうね。
ガキン、ガキン!
「えい、やあ!」
「そうそう、どんどんと打ち込んでくるのよ」
「私たちを斬り殺すつもりで、真剣に打ち込んでくるのよ」
ブライトさんとヘイリーさんも、良い太刀筋でレイナさんとカミラさんに木剣を打ち込んでいます。
いきなり強くはならないと思うけど、地道に訓練を続けていきましょう。
因みに、四人は午前中はルシアさんとアレクサさんの引率でちびっ子軍団と共に薬草採取を行い、午後は勉強を行う予定です。
チセさんや侍従のお姉さんたちも問題ないと言ってくれているの、とっても心強いですね。
では、僕たちはお仕事をする為に王城に向かいます。
「四人とも真面目にやっているか。それなら問題はなさそうだな」
宰相も、僕の報告を聞いて満足そうに頷いていました。
優秀な若者が増える分なら、王国としても問題ないと思っているそうです。
ティナおばあさまも心配して様子を聞きにきたけど、一安心していました。
「エマさんとオリビアさん経由で先々代夫人に聞いたのですけど、ケイマン男爵領は湖に接していて漁業も盛んだそうです」
「ふむ、それは良い事だな。レイクランド湖からの魚の搬入計画を立てているが、そちらで取れる魚類の確認をして王都へ運ぶのもよさそうだ」
引き続き魔導船で何を運ぶかの議論を続けていて、サギー伯爵領に魔導船の中継地が作られる予定だからちょうど良いかもしれません。
宰相は前商務卿でもあるから、国内の産業が発展するのは大歓迎です。
それで、税収増にもつながる訳ですから。
そして、話はあのデンバー男爵家の件になりました。
「この件は少し問題になりそうだから、内務卿と話をする。どうやら、家督争いをしているのは間違いなさそうだ」
既に通信用魔導具で陛下や閣僚に話をしているけど、直接話した方が良いということになりました。
さっそく宰相と共に内務卿の執務室に行くけど、ついでなので決裁の終わった書類も持っていきます。
内務卿の執務室について内務卿の秘書に書類を渡し、全員ソファーに座りました。
「色々情報を集めたが、どうもきな臭い話も出てきた。デンバー男爵はいま重病らしく、そう長くないと言われている。そして、正妻の子どもは四人いるが、互いに後継者を名乗っているそうだ」
「通常は、嫡男が爵位を継ぐはずじゃないんですか?」
「どうやら、嫡男は無能だといって自分こそが爵位を継ぐに相応しいと主張しているという。嫡男は嫡男で、自分が後継者だと譲らないでいる」
うーん、何というか物凄く面倒くさい事になっているよ。
これでは、血で血を洗う事になっちゃうのではないかな。
僕の懸念は、内務卿の懸念でもあった。
「そして、お互いに犯罪者グループと手を組んでいるという情報を得た。闇ギルドではないが、闇ギルドが無くなったので別の犯罪者グループが勢力を伸ばしている。犯罪者グループにとっても、資金を得て勢力拡大をするチャンスだろう」
「屋敷内で騒動が収まってくれれば良いのだけど、町中で何かあったら住民を巻き込むことにもなる。軍務卿経由で、屋敷の監視をするようになった」
これは、思った以上に大きな問題になってきた。
場合によっては、デンバー男爵家が無くなってしまうレベルの争いになるかもしれない。
うーん、この辺の情報はブライトさんが一番詳しそうなので、帰ったら話を聞いてみよう。
確認したら四人とも魔法の才能があったので、剣技だけでなく魔法の訓練もすることになりました。
「ふふふ、久しぶりに教え甲斐のある人材が現れたわね」
「そうね、張り切って教えないとね」
なぜかお隣からレイナさんとカミラさんたちもやってきたけど、みんなが優秀な先生であるのは間違いありません。
ということで、早速訓練開始です。
「まてー!」
「捕まえるぞ!」
「ギャウ!」
庭の一角では、ドラちゃんを含めたちびっ子軍団の追いかけっこが始まりました。
といっても、身体能力強化を使っての鬼ごっこなので、かなり凄いことになっています。
マジカルラットも混じっているけど、一番大変なのは間違いなく大勢に追いかけられているドラちゃんでしょうね。
ガキン、ガキン!
「えい、やあ!」
「そうそう、どんどんと打ち込んでくるのよ」
「私たちを斬り殺すつもりで、真剣に打ち込んでくるのよ」
ブライトさんとヘイリーさんも、良い太刀筋でレイナさんとカミラさんに木剣を打ち込んでいます。
いきなり強くはならないと思うけど、地道に訓練を続けていきましょう。
因みに、四人は午前中はルシアさんとアレクサさんの引率でちびっ子軍団と共に薬草採取を行い、午後は勉強を行う予定です。
チセさんや侍従のお姉さんたちも問題ないと言ってくれているの、とっても心強いですね。
では、僕たちはお仕事をする為に王城に向かいます。
「四人とも真面目にやっているか。それなら問題はなさそうだな」
宰相も、僕の報告を聞いて満足そうに頷いていました。
優秀な若者が増える分なら、王国としても問題ないと思っているそうです。
ティナおばあさまも心配して様子を聞きにきたけど、一安心していました。
「エマさんとオリビアさん経由で先々代夫人に聞いたのですけど、ケイマン男爵領は湖に接していて漁業も盛んだそうです」
「ふむ、それは良い事だな。レイクランド湖からの魚の搬入計画を立てているが、そちらで取れる魚類の確認をして王都へ運ぶのもよさそうだ」
引き続き魔導船で何を運ぶかの議論を続けていて、サギー伯爵領に魔導船の中継地が作られる予定だからちょうど良いかもしれません。
宰相は前商務卿でもあるから、国内の産業が発展するのは大歓迎です。
それで、税収増にもつながる訳ですから。
そして、話はあのデンバー男爵家の件になりました。
「この件は少し問題になりそうだから、内務卿と話をする。どうやら、家督争いをしているのは間違いなさそうだ」
既に通信用魔導具で陛下や閣僚に話をしているけど、直接話した方が良いということになりました。
さっそく宰相と共に内務卿の執務室に行くけど、ついでなので決裁の終わった書類も持っていきます。
内務卿の執務室について内務卿の秘書に書類を渡し、全員ソファーに座りました。
「色々情報を集めたが、どうもきな臭い話も出てきた。デンバー男爵はいま重病らしく、そう長くないと言われている。そして、正妻の子どもは四人いるが、互いに後継者を名乗っているそうだ」
「通常は、嫡男が爵位を継ぐはずじゃないんですか?」
「どうやら、嫡男は無能だといって自分こそが爵位を継ぐに相応しいと主張しているという。嫡男は嫡男で、自分が後継者だと譲らないでいる」
うーん、何というか物凄く面倒くさい事になっているよ。
これでは、血で血を洗う事になっちゃうのではないかな。
僕の懸念は、内務卿の懸念でもあった。
「そして、お互いに犯罪者グループと手を組んでいるという情報を得た。闇ギルドではないが、闇ギルドが無くなったので別の犯罪者グループが勢力を伸ばしている。犯罪者グループにとっても、資金を得て勢力拡大をするチャンスだろう」
「屋敷内で騒動が収まってくれれば良いのだけど、町中で何かあったら住民を巻き込むことにもなる。軍務卿経由で、屋敷の監視をするようになった」
これは、思った以上に大きな問題になってきた。
場合によっては、デンバー男爵家が無くなってしまうレベルの争いになるかもしれない。
うーん、この辺の情報はブライトさんが一番詳しそうなので、帰ったら話を聞いてみよう。
654
お気に入りに追加
8,682
あなたにおすすめの小説
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております
兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?
志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。
そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄?
え、なにをやってんの兄よ!?
…‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。
今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。
※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。
令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜
三月べに
ファンタジー
令嬢に転生してよかった〜!!!
素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。
少女漫画や小説大好き人間だった前世。
転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。
そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが?
【連載再開しました! 二章 冒険編。】
チート転生~チートって本当にあるものですね~
水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!!
そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。
亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。
スキルポイントが無限で全振りしても余るため、他に使ってみます
銀狐
ファンタジー
病気で17歳という若さで亡くなってしまった橘 勇輝。
死んだ際に3つの能力を手に入れ、別の世界に行けることになった。
そこで手に入れた能力でスキルポイントを無限にできる。
そのため、いろいろなスキルをカンストさせてみようと思いました。
※10万文字が超えそうなので、長編にしました。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。