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第二十八章 エマさんとオリビアさんの結婚

八百七十二話 いよいよデス料理を作る日がやってきました

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 そして、いよいよレイナさんとカミラさんがテストでデス料理を作ることになりました。
 念の為に、僕とジンさん、それにスラちゃんとプリンが一緒についていきます。
 もちろん、万が一の事を起こさない為です。

「えっと、リズは一緒についてくる?」
「絶対にいや!」

 うん、リズに限らずスラム街の炊き出しに参加したメンバーは拒絶反応が凄かった。
 こういうイベントには積極的に参加するリズ達も、目の前でデス料理を見たくないのでしょう。
 更に、ローリーさんたちも一緒に行きたくないと宣言していました。
 先日のスラム街の話を聞いているので、何が起こるのかを知ってしまったのです。
 実を言うと、一緒に行く僕たちも心の中では一緒に行きたくない気持ちがあります。

「ふふふ、久々に料理ができるのね」
「料理を作って褒められるのね」

 しかし、やる気満々のレイナさんとカミラさんを見ると、ストッパーがいないと絶対に駄目です。
 こうして準備が済んだ僕たちは、一度王城に行って報告することに。
 レイナさんとカミラさんはルカちゃんエドちゃんがいる勉強部屋に行って貰い、その間に僕とジンさん、それにスラちゃんとプリンは陛下と閣僚と共に会議室に集まりました。

「いよいよ検証の当日になってしまったか。アレクとジンがいるから大丈夫かと思うが、教皇国との国際問題にするなよ」
「相手側が言ってきた事なので、きっと大丈夫かと。というか、大丈夫にしてもらいます」

 陛下の懸念を、ジンさんが苦笑しながら大丈夫だと言っていました。
 他の閣僚も、問題は起こすなよと念を押していました。
 そしてレイナさんとカミラさんを勉強部屋から呼び寄せて、教皇国の皇都にゲートを繋いで向かいました。
 因みに、ルカちゃんとエドちゃんも絶対に一緒に行きたくないと珍しい勢いで拒絶していました。
 大教会では教皇猊下が待っていて、隣には聖騎士も数人控えていました。

「教皇猊下、お待たせして申し訳ございません」
「いやいや、こちらこそ急にお願いして申し訳ない。何せ、その死刑囚の死刑執行が明後日に決まったのでな」

 教皇猊下が少し申し訳なさそうに話をしたけど、たまたま今日は予定が空いていたので僕たちも直ぐに動くことができました。
 さっそくということで、聖騎士の後をついて行って皇都郊外にある軍の施設に向かいました。
 教皇猊下はミサとかがあるので、終わったら結果を伝えることになっています。
 偉い人は、いつも忙しいですね。

「今回の死刑囚は、一家六人を惨殺したものです。現行犯で捕まえたので罪は確定しているのですが、未だに事件の真相を語りません」

 歩きながら聖騎士が何が起きているかを教えてくれたけど、現行犯なので言い逃れできる状況ではなかったという。
 そして、聖騎士団の施設に到着して、厳重な警備が敷かれている重犯罪者牢の前に到着です。
 更に奥に案内され、特別面会室に到着しました。

「よう、どうした。どうせ俺は、もうすぐ死ぬんだからな」

 そこには、逃げられないように手足を拘束している頬に大きな傷がある筋肉ムキムキな男がいたけど、当の本人は逃げる気はなさそうだった。
 特別面会室の扉が閉まり、いよいよ特別尋問が始まります。
 死刑囚の前に、二つのテーブルが置かれました。
 そして、全く同じものがセットされます。
 魔導コンロ、鍋が二つ、布巾、すり鉢、すりこぎ、薬草。
 そうです、何とポーション作りをすることになりました。
 先日デスポーションとか言っていましたが、本当の事になりました。
 というのも、レイナさんたちがみんなでポーション作りをしたのが羨ましいと言ったので、この場を設けました。
 うん、死刑囚は何が何だか分からなくてぽかーんとしていますね。
 そして、ジンさんが死刑囚に説明しました。

「ただのショーだと思えばいい、これから二人の女性と二匹のスライムがそれぞれポーションを作る。材料は聖女様が採った薬草だから、聖女様の名にかけて毒草なども入っていない」
「ほお、最後に面白いショーが見れるって訳か。こりゃ楽しみだ」

 ジンさんの説明を聞いて、死刑囚は面白そうにニヤリとしていました。
 うん、きっとスラちゃんとプリンのポーション作りは、見ていて楽しいはずだ。
 では、いよいよスタートです。
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