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第二十八章 エマさんとオリビアさんの結婚

八百六十四話 会議の終わりと婚姻申請の完了

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 気を取り直して、会議を再開します。
 ここからは、軍務卿が主に話をします。

「軍は、当面の間厳重警戒を敷きます。トップが捕縛された為に、構成員が暴発する可能性もあります。各辺境伯におかれましては、引き続き警戒を続けて下さい」

 軍務卿の言葉に、各辺境伯様はコクリと頷いていた。
 うーん、スラちゃんとプリンをまた国境か防壁の門に派遣して、悪い人を捕まえるバイトをして貰おうかな。
 後で、辺境伯様と相談をしよう。
 そして、王都の防衛についての話となった。

「王都も巡回を強化します。しかし、全ての不審者を捕まえるのには限界があります。そこで、スラム街の炊き出しを利用した炙りだりを継続願いたい」
「元よりスラム街の炊き出しは、継続予定です。福祉事業の一環ですので」
「たまたま不審者が炊き出しの周囲にいて、たまたま私たちが捕まえているだけですので」

 軍務卿の依頼を、王妃様とアリア様が快諾していた。
 炊き出しは僕たちも大賛成だし、ちびっ子軍団も楽しめるんだよね。
 スラム街の情報を集めることもできるし、僕たちにとっても有益です。
 直ぐに、スラム街での炊き出しを継続することが決定しました。
 今までやってきた対策を、そのまま継続する事になりますね。

「出来る事を行うというスタンスは変えない。国境に接している辺境伯においても、対策を講じて不審者の侵入を防ぐように」
「「「はっ」」」

 最後に陛下がこの場をしめて、会議は終了です。
 この後は、担当者会議に移るそうなので、僕たちは宰相執務室に戻ります。
 辺境伯様も、一緒についてきました。
 というのも、辺境伯様が王城に届けに来たエマさんとオリビアさんの婚約に書類関係があります。
 席に着くと、ちょうど書類が届いていました。
 ちゃんと確認してっと。

「宰相、書類です」
「うむ、確認しよう。ふむふむ、何も問題ない。では、この書類を内務卿に戻して完了だな」
「じゃあ、リズが届けるよ!」
「エレノアもいくの」

 あらら、待ち切れない感じの二人がダッシュで内務卿のところに行っちゃった。
 でも、これで必要な手続きは完了です。
 辺境伯様も、手続きが終わって思わずホッとしていました。

「これで、エマさんとオリビアさんの結婚も大丈夫ですね」
「流石にホッとしたよ。いわゆる上位貴族同士の結婚だから、手続きが面倒くさいんだよ」

 平民だったら教会に届けを出して終わりだけど、流石にそういう訳にはいかないもんね。
 後は、結婚式に向けて準備を進めるだけです。

 ダダダダ。
 バタン。

「出してきたよ! バッチリだって」
「そうか、リズちゃんありがとうね」

 これまたリズとエレノアが内務卿のところからダッシュで戻ってきたけど、二人ともニコニコ顔ですね。
 そういえば、結婚式はいつやるんだろうか?

「辺境伯様、三人の結婚式はいつやるんですか?」
「秋を予定している。それなりに準備も必要だからね」

 招待客も結構いるそうで、大規模になりそうです。
 サギー伯爵家の先々代夫人が、気合を入れて準備をするのは間違いなさそうです。
 更に、イザベラ様も娘の嫁入りだから張り切るのは間違いないです。

「タイミング的に、辺境伯領での五歳の祝いの前ですね」
「準備が大変だが、慶事だし頑張らないとな」
「リズも手伝うよ!」
「エレノアも手伝うの」

 こうして、宰相執務室はほっこりとした空気に包まれました。
 ピエロを捕まえた後ってのもあったし、ドクターの件もあった。
 ちょっと精神的にも疲れていたけど、こういうのは元気になるよね。

 ドン!

「宰相、宜しくお願いします」
「アレク君よ、精神的に疲れていたのでは?」

 宰相、これはこれそれはそれです。
 いつエマさんとオリビアさんの書類が届くか、ちょっとワクワクしていたんですよ。

「ははは、アレク君は相変わらずだな」
「はあ、まさしくそうだのう」

 ちょっと落ち込んだフリをしている宰相の事を、ちょっとだけ辺境伯様がからかっていました。
 明後日から新しい人も来るし、頑張らないとね。
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