730 / 880
第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー
八百五十六話 決戦は夜
しおりを挟む
美味しい昼食後は、僕やスラちゃんのゲートを使って辺境伯領にカミラさんを送ります。
そして、僕たちは最初に教皇国の皇都に向かいました。
教皇猊下と会うためだけど、既に連絡は取っています。
その為、大教会に着いたら直ぐにシスターさんが案内してくれました。
大教会内の応接室で待っていると、直ぐに教皇猊下がやってきました。
「皆さま、お待たせして申し訳ない」
「こちらこそ、急にお尋ねして申し訳ありません」
教皇猊下に対してティナおばあさまが代表して話をしているけど、教皇猊下も連絡を受けた時はまさかだと思っていたみたいです。
でも、既に色々な対策を立ててくれていました。
「例の場所付近に、聖騎士団を派遣した。ただ、奴らに設置されない様に逸般人や冒険者を装っております」
「ご配慮頂き、感謝申し上げます」
「ピエロの件は、周辺国全ての憂いだ。とにかく、奴を叩かなければ平和は訪れぬ」
教皇猊下も、腕を組んで考え込んでしまいました。
教皇国は闇ギルドの本拠地があった影響で、特に激しい戦いがあったもんね。
とにかくこれ以上の無用な戦いを防ぐためにも、僕たちが頑張らないとならない。
教皇猊下もとても忙しいので、僕たちはこれで失礼して別の場所に向かいます。
それは、オカマさんのお店です。
ちょうど昼食の時間が終わったタイミングなので、オカマさんも時間が取れるそうです。
「ちょうど良いタイミングだわ。私もお話したいことがあったのよ」
「僕たちにお話したい事ですか?」
「そうよ。前に話したでしょう? 知り合いに話を聞いてみるって」
どうもオカマさんも、何かの情報を掴んだみたいです。
そして、その話は僕たちの得た情報に別の角度から繋がっていきました。
「どうもね、前の拠点からそう離れていない場所で何かこそこそしているんじゃないかって話よ。どうも資金集めが上手くいかなくて、結局戻ってきたって話なのよ」
「よく考えると、最近奴らの金集めのやり方が荒かった気がするな」
「そうなのよ。どうもピエロの過激な思想についていけなくなって、離脱する人も多いそうよ」
誰もいないお店の一角で、オカマさんが出してくれたジュースを飲みながら話を聞きます。
ジンさんは思わず苦笑いをするけど、オカマさんもしみじみと話をしていますね。
「ある意味ピエロはカリスマ性を持っていたのかもしれないけど、その反面過激性があるわ。戦いが長期化して、現実を知った人も多いのかもしれないわね」
「いずれにせよ、現実を知った者が多いのかもしれないな。ここはチャンスと見た方が良いだろう」
ティナおばあさまとジンさんが感想を漏らしていたけど、闇ギルドも追い詰められてきているんだ。
その間に、リズがオカマさんにとあることを聞いています。
「ねえねえ、こんな事をしているかな?」
「ええ、やっているわよ。昼も夜もやっているわ」
オカマさんの答えに、全員がうんうんと頷きました。
そして、オカマさんも僕たちの質問の意図に気が付いたみたいです。
「じゃあ、夜営業の時に来た方が良さそうだわね。ついでだから、奥の部屋で夕食を食べていってね」
「わーい」
こうして、僕たちのこの後の行動が決定しました。
少し時間があるので、僕たちは一旦王城に戻る事になりました。
「ふむ、やはりそうか。なら、今夜作戦決行だな」
「サンディとイヨは、エレノアと一緒にいれば良いわ」
陛下も、僕たちの報告を聞いてうんうんと頷いていました。
王妃様がサンディとイヨの事も決めてくれたので、僕たちもホッと一安心です。
そんな中、ジンさんがニヤリと言ってきました。
「じゃあ、アレクはいつも通り仕事だな」
「えー!」
「俺だって軍の会議に出るんだ。時間つぶしだ」
「まあ、もうそろそろ職員も増えるんだ。今のうちに出来る事をやっておけ」
がっくりとする僕の事を、ジンさんだけでなく陛下まで少し笑っていました。
こうして僕は、定時まで宰相執務室でいつも通り仕事をする事になりました。
宰相が、何で僕がここにいるのって表情をしたのがある意味印象的でした。
そして、僕たちは最初に教皇国の皇都に向かいました。
教皇猊下と会うためだけど、既に連絡は取っています。
その為、大教会に着いたら直ぐにシスターさんが案内してくれました。
大教会内の応接室で待っていると、直ぐに教皇猊下がやってきました。
「皆さま、お待たせして申し訳ない」
「こちらこそ、急にお尋ねして申し訳ありません」
教皇猊下に対してティナおばあさまが代表して話をしているけど、教皇猊下も連絡を受けた時はまさかだと思っていたみたいです。
でも、既に色々な対策を立ててくれていました。
「例の場所付近に、聖騎士団を派遣した。ただ、奴らに設置されない様に逸般人や冒険者を装っております」
「ご配慮頂き、感謝申し上げます」
「ピエロの件は、周辺国全ての憂いだ。とにかく、奴を叩かなければ平和は訪れぬ」
教皇猊下も、腕を組んで考え込んでしまいました。
教皇国は闇ギルドの本拠地があった影響で、特に激しい戦いがあったもんね。
とにかくこれ以上の無用な戦いを防ぐためにも、僕たちが頑張らないとならない。
教皇猊下もとても忙しいので、僕たちはこれで失礼して別の場所に向かいます。
それは、オカマさんのお店です。
ちょうど昼食の時間が終わったタイミングなので、オカマさんも時間が取れるそうです。
「ちょうど良いタイミングだわ。私もお話したいことがあったのよ」
「僕たちにお話したい事ですか?」
「そうよ。前に話したでしょう? 知り合いに話を聞いてみるって」
どうもオカマさんも、何かの情報を掴んだみたいです。
そして、その話は僕たちの得た情報に別の角度から繋がっていきました。
「どうもね、前の拠点からそう離れていない場所で何かこそこそしているんじゃないかって話よ。どうも資金集めが上手くいかなくて、結局戻ってきたって話なのよ」
「よく考えると、最近奴らの金集めのやり方が荒かった気がするな」
「そうなのよ。どうもピエロの過激な思想についていけなくなって、離脱する人も多いそうよ」
誰もいないお店の一角で、オカマさんが出してくれたジュースを飲みながら話を聞きます。
ジンさんは思わず苦笑いをするけど、オカマさんもしみじみと話をしていますね。
「ある意味ピエロはカリスマ性を持っていたのかもしれないけど、その反面過激性があるわ。戦いが長期化して、現実を知った人も多いのかもしれないわね」
「いずれにせよ、現実を知った者が多いのかもしれないな。ここはチャンスと見た方が良いだろう」
ティナおばあさまとジンさんが感想を漏らしていたけど、闇ギルドも追い詰められてきているんだ。
その間に、リズがオカマさんにとあることを聞いています。
「ねえねえ、こんな事をしているかな?」
「ええ、やっているわよ。昼も夜もやっているわ」
オカマさんの答えに、全員がうんうんと頷きました。
そして、オカマさんも僕たちの質問の意図に気が付いたみたいです。
「じゃあ、夜営業の時に来た方が良さそうだわね。ついでだから、奥の部屋で夕食を食べていってね」
「わーい」
こうして、僕たちのこの後の行動が決定しました。
少し時間があるので、僕たちは一旦王城に戻る事になりました。
「ふむ、やはりそうか。なら、今夜作戦決行だな」
「サンディとイヨは、エレノアと一緒にいれば良いわ」
陛下も、僕たちの報告を聞いてうんうんと頷いていました。
王妃様がサンディとイヨの事も決めてくれたので、僕たちもホッと一安心です。
そんな中、ジンさんがニヤリと言ってきました。
「じゃあ、アレクはいつも通り仕事だな」
「えー!」
「俺だって軍の会議に出るんだ。時間つぶしだ」
「まあ、もうそろそろ職員も増えるんだ。今のうちに出来る事をやっておけ」
がっくりとする僕の事を、ジンさんだけでなく陛下まで少し笑っていました。
こうして僕は、定時まで宰相執務室でいつも通り仕事をする事になりました。
宰相が、何で僕がここにいるのって表情をしたのがある意味印象的でした。
670
お気に入りに追加
8,640
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、のんびり冒険したい!
藤なごみ
ファンタジー
アラサーのサラリーマンのサトーは、仕事帰りに道端にいた白い子犬を撫でていた所、事故に巻き込まれてしまい死んでしまった。
実は神様の眷属だった白い子犬にサトーの魂を神様の所に連れて行かれた事により、現世からの輪廻から外れてしまう。
そこで神様からお詫びとして異世界転生を進められ、異世界で生きて行く事になる。
異世界で冒険者をする事になったサトーだか、冒険者登録する前に王族を助けた事により、本人の意図とは関係なく様々な事件に巻き込まれていく。
貴族のしがらみに加えて、異世界を股にかける犯罪組織にも顔を覚えられ、悪戦苦闘する日々。
ちょっとチート気味な仲間に囲まれながらも、チームの頭脳としてサトーは事件に立ち向かって行きます。
いつか訪れるだろうのんびりと冒険をする事が出来る日々を目指して!
……何時になったらのんびり冒険できるのかな?
小説家になろう様とカクヨム様にも投稿しました(20220930)
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。