転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー

八百一話 捜査方針が決定です

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 捕まえた職員の引き続き尋問を続ける事にして、今日僕は学園に行って卒園式と入園式の打ち合わせをおこないます。
 僕は書類整理をして大量の書類を宰相の机の上に置いてから、ローリーさんと近衛騎士と一緒に学園に向かいました。

「いやはや、一年が経つのは早いですな。この前ルーシー殿下の体験入学で打ち合わせを行ったと思ったら、もう実際の入園式の話ですから」

 担当の職員も、一年が経つのが早いと実感していました。
 僕も、あと二年もすれば学園に入園です。
 さてさて、先に面倒くさい事を済ませましょう。

「卒園式は、特に問題点とかなさそうですね。いつも通りの、警備で問題なさそうです」
「はい、その予定でおります。入園式はルーカス殿下の時を参考にしておりますが、今のところ特に問題はないと考えております」

 体験入学の時に大騒ぎをしたのは貴族籍を外されているので、もう入園式に現れる事はありません
 なので、ルーシーお姉様に関してはほぼ問題はないとみております。
 だけど、来賓側でちょっと問題が出ています。

「あの、もしかしたら来賓にルカちゃんとエドちゃんが来るかもしれません。お姉ちゃんにおめでとうを言いたいと、ちょっと駄々をこねていまして……」
「ははは、そのくらいなら問題ないと思います。元気があって、とても良いですね」

 大好きなお姉ちゃんのお祝いをしたい気持ちはよく分かるけど、ルカちゃんとエドちゃんはまだ四歳です。
 まあ、参加するなら王妃様とアリア様が同席するはずです。
 それに、大好きなお姉ちゃんの前なら、ルカちゃんとエドちゃんも大人しくしているかも。
 来賓の問題はこっちで詰めつつ、まだ年明けなのでこのくらいにしておきます。

「アレク殿下は真面目でいらっしゃいますので、私共としてもとてもありがたいです。アレク殿下が入園後は、確実に生徒会長になられますね」
「あー、うん、どうでしょうか。お仕事もあるので、生徒会長はリズに譲ろうかと思っています」
「アレク殿下は副宰相でいらっしゃいますから、お仕事も沢山ございますな。将来は、ルーカス殿下をお支えする宰相は間違いないです」

 仕事もあるけど、生徒会長は元気いっぱいなリズが適任だと思うな。
 エレノアもいるし、この辺りは後々決めないと駄目だろう。
 こんな感じで雑談をして、僕達は宰相執務室に戻りました。

「戻りました」
「「「おかえりなさいませ」」」

 宰相執務室に戻ると、何故か宰相の姿がありません。
 うーん、シーラさんもいないから急な打ち合わせなのかな?

「あの、宰相はどこに行きましたか?」
「陛下と打ち合わせを行っております。先日捕縛した職員の件だそうです」

 となると、新たな証言が出たのかもしれない。
 僕はそんな事を思いながら、打ち合わせ結果を書面に残す為にカリカリと書き始めました。

「おーい、戻ったぞ」
「「「おかえりなさいませ」」」

 僕が帰ってから一時間後、宰相がシーラさんと共に執務室に戻ってきました。
 ジンさん達やリズ達だけでなく、辺境伯様も執務室に入ってきました。
 結構大規模な会議だったんですね。

「おっ、アレク君も戻ってきていたのか」
「打ち合わせは、直ぐに終わりましたので。報告書も書いてあります」
「流石だ。アレク君なら、手際良くやるだような」

 みんなで応接セットに座ったので、僕も自席から移動してみんなと一緒に座りました。
 話は、やっぱりあの捕まえた職員の件です。

「サギー伯爵領への調査を行う事になったぞ。まあ、これは俺達が行うから、何かあった時だけアレクに現地に来てもらうぞ」
「という事は、尋問結果も出たんですね」
「尋問した内容は、ほぼ変わらないな。どちらかといえば、押収した証拠品の分析結果でゴーサインが出た形だ」

 ジンさんがお茶を飲みながら、何があったかを教えてくれました。
 現地調査に加えて潜入調査も許可されたので、スラちゃんとマジカルラット部隊がサギー伯爵家と出向機関に潜入します。
 既に、スラちゃんは現地の下見に行っているそうです。

「そういえば、各部署の調査はどうするんですか?」
「俺とレイナ達は現地に行くが、リズ達は王城に残る。ティナ様とかが、俺達の代わりにつくって」

 ジンさん達がいなくても、ティナおばあさまがリズ達についていれば安心です。
 暫くは、この布陣で対応するそうです。

「辺境伯領としても、いつでも兵を出せる様に調整する。この分だと、国軍とともにサギー伯爵領に向かうのは間違いないだろう」

 辺境伯様も、色々と下準備をする事になりました。
 とはいっても、実際に動くのはもう少し先になりそうです。
 こうして、サギー伯爵家に対する対応が着々と決定していきました。
 そんな中、宰相が自分の机の上を見てぽつりと漏らしていました。

「時にアレク君よ、私の机の上の書類が増えておるのは気のせいか?」
「ああ、報告書を書いたら暇になったのでいっぱい書類を処理しておきました」
「アレク君は、本当に勤勉だのう……」
「「「ははは」」」

 がっくりとしている宰相の事を見て、思わずみんな笑っちゃいました。
 このくらいの大変さなら、宰相なら直ぐに乗り越えられますよ。
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