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第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー

七百九十話 新しい年の始まり

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 色々あった年も無事に乗り切り、新しい年になりました。
 僕もリズも、いよいよ十歳になります。
 ミカエルも六歳になりますね。
 一年一年を重ねると、成長も実感できます。
 最初に食堂に集まって、みんなで挨拶をします。

「皆さん、新年おめでとうございます」
「「「おめでとうございます」」」

 今年はミカエルを育ててきた侍従にも赤ちゃんが生まれるし、年々賑やかになってきたね。
 とはいえ、リズなんかはまだ子どもっぽさが抜けていないところがあるけど。

「メイちゃんとリラちゃんは、今年五歳の祝いがあるよね。楽しみだね」
「「楽しみ!」」

 リズが楽しそうにしているメイちゃんとリラちゃんに話しかけているけど、今年のお祝い対象はメイちゃんとリラちゃんです。
 二人は僕たちの五歳の祝いの時に生まれたから、大きくなるのを見ると何だか感慨深いですね。
 そんな二人も、今やお姉ちゃんとしてもうそろそろ二歳になる弟の面倒をよく見ています。
 挨拶も終わったので、お隣のジンさんを連れて王城に向かいます。
 でも僕たちの目の前に現れたジンさんは、何故かヨボヨボして目をこすっていた。

「ジンさん、何だか眠そうですね」
「おじいちゃんみたい」
「ああ、昨晩遅くまで年越しパーティーしていたんだよ。だから、すげー眠いぞ」

 王城について話を聞いたら、大人のメンバーでパーティーをしていたそうです。
 アンリちゃんも大きくなったので、アレクサさんも加わって楽しそうにしていたとの事。
 もちろん、レイカちゃんをはじめとする子ども達はぐっすりお休みしていました。
 因みにレイナさん達はまだ寝ていて、いつも通り起きたレイカちゃん達の相手をジンさんがしていたそうです。
 でも、挨拶はシャキッとしないと駄目ですね。
 という事で、今度は王城の王族専用食堂で挨拶をします。

「皆のもの、新年おめでとう」
「「「おめでとうございます」」」

 陛下の挨拶を、みんなで返します。
 流石に新年からお酒は飲めないので、ジュースとかで乾杯します。
 エリちゃんも赤ちゃん用の椅子に座っているけど、ちょうど一歳になってよちよち歩きをするようになったんだよね。
 相変わらず、飛天虎の子どもがエリちゃんの側にぴったりとついているけど。
 と、ここで王妃様がジンさんにとある事を伝えました。

「ジン、今年は大人が王城に残るから帝国への引率宜しくね」
「えっ、もしかして大人は俺一人ですか?」
「ルーカスとアイビーもいるから大丈夫よ。ああ、ついでにエリも連れて行ってね」

 去年はアリア様の出産でドタバタしていたから、今年は大人だけでゆっくりと過ごしたいそうです。
 まあジンさんなら大丈夫だと、みんな思っているのでしょうね。
 因みに、ルカちゃんエドちゃんもついてくるそうですが、一緒についてくる妹の面倒を見る気満々です。
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