上 下
662 / 880
第二十七章 ちびっ子たちの冒険者デビュー

七百八十八話 みんなの冒険者服を購入します

しおりを挟む
 武器屋さんでは、他にもちっちゃなバックラーを買ったりしていました。
 純粋な魔法使いタイプがいないので、物理攻撃を主としています。
 武器の注文が終わったら、今度は辺境伯家御用達の商会に向かいます。
 ここでも、みんな徒歩で商会に向かいました。

「「「こんにちは!」」」
「いらっしゃいませ。小さなお客様が沢山おりますね」

 商会に入ると、いつも対応してくれている店員さんが元気よく挨拶をしているちびっ子軍団を出迎えてくれました。
 さっそく、商会に来た目的を果たしに行きます。

「どんな服が良いかな?」
「カッコいい服が良いな!」
「じゃあ、みんなで選びましょうね」

 ちびっ子軍団は、女性陣に手を引かれながら冒険者服を選びに行きました。
 ルカちゃんエドちゃんはちっちゃな騎士服が用意されていたけど、騎士服の上から着るコートなどを見ていました。
 僕は、別の物を店員さんに注文します。

「すみません、初心者冒険者向けセットを八個お願いします。あと、ポーションと毒消しポーションも二つずつお願いします」
「畏まりました。直ぐにご用意いたします」

 直ぐに店員さんが、僕が頼んだ物を選ぶために動いてくれました。
 ちびっ子八人のうち、回復魔法が使えるのはルカちゃんエドちゃんだけです。
 なので、念の為にポーションを常備させておきます。
 余程のことがない限り、大怪我はしないと思うけどね。
 僕は、ジンさんと一緒に商会の中にある応接セットに座りました。
 自然の先には、あーだこーだ言いながらどんな服が似合うかをちびっ子軍団と話をしている女性陣の姿がありました。

「ジンさん、一時間で終わると思いますか?」
「大丈夫だろう。なんせ、一時間後は昼食の時間だ。それまでに、きっちりと決めるだろう」

 僕の疑問を、ジンさんがお菓子を食べながら否定していました。
 全員がご飯大好きってのもあるし、確かに決まり事があれば直ぐに決まるかもしれません。

「「「おわったよー!」」」

 そして、実際に一時間もかからずに衣装選びが完了しました。
 ちびっ子軍団もニコニコしているけど、それ以上に女性陣がやり切ったって表情をしています。
 特に、子どもの母親であるレイナさん達の表情が晴れやかですね。
 僕が頼んだ初心者冒険者向けセットとポーションも、各自のマジックバッグの中に入れます。
 これで、全員のお買い物は完了です。
 みんなで、辺境伯様の屋敷に戻ります。

「「「ただいまー!」」」
「みんな、お帰りなさい。昼食の準備が出来ているわよ」
「「「わーい」」」

 辺境伯様の屋敷に行くと、イザベラ様が僕達を出迎えてくれました。
 そしてちびっ子軍団は、一目散に食堂に向かっていきました。

「ほら、走っちゃ駄目よ」
「キュー」
「「「はーい」」」

 でも、そこはルシアさんがちびっ子に注意してくれました。
 お腹が空いているのは、僕も良く分かります。

「あーあ、私達もお腹空いたわね」
「そうね。つい夢中になって時間を忘れちゃったよ」

 レイナさんとカミラさんがお腹が空いたと話をしているけど、僕達もお腹が空いちゃった。
 そしてもりもりと昼食を食べ終えたちびっ子軍団は、双子ちゃんの部屋で仲良くお昼寝タイムに突入しました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あれ?なんでこうなった?

志位斗 茂家波
ファンタジー
 ある日、正妃教育をしていたルミアナは、婚約者であった王子の堂々とした浮気の現場を見て、ここが前世でやった乙女ゲームの中であり、そして自分は悪役令嬢という立場にあることを思い出した。  …‥って、最終的に国外追放になるのはまぁいいとして、あの超屑王子が国王になったら、この国終わるよね?ならば、絶対に国外追放されないと!! そう意気込み、彼女は国外追放後も生きていけるように色々とやって、ついに婚約破棄を迎える・・・・はずだった。 ‥‥‥あれ?なんでこうなった?

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね

章槻雅希
ファンタジー
 よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。 『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?

つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。 平民の我が家でいいのですか? 疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。 義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。 学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。 必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。 勉強嫌いの義妹。 この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。 両親に駄々をこねているようです。 私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。 しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。 なろう、カクヨム、にも公開中。

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

聖女の姉が行方不明になりました

蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。