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第二十六章 ミカエルの五歳の祝い

七百六十五話 みんなで楽しく薬草採取

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 準備完了なので、みんなでいつもの森に向かいます。
 いつもの如く大人数だけど、そこは気にせずに行きましょう。
 何よりも、ルーシーお姉様がランさんと一緒にいられて喜んでいます。
 今も、一緒に並んで仲良くお喋りしています。
 そんなランさんに、ブッチーに乗って近づいていく人が。

「ねーねー、お姉ちゃんはルーシーお姉ちゃんのお友達?」
「あっ、そうです……よ」

 ブッチーに乗ったミカエルの質問に、ランさんはちょっと戸惑いながら答えていた。
 まあ、まだ会ったのは数回だもんなあ。

「ふふふ、ミカエルちゃん。ランちゃんは私のお友達なのよ」
「おお、そーなんだ!」

 とはいっても、ルーシーお姉様は既にランさんの事を友達として見ているし、特に問題ないと思うよ。
 みんなで楽しくお喋りをしながら、目的の森に到着です。
 それぞれが、思い思いの場所に散らばって薬草採取を始めます。

 ごそごそ、ごそごそ。

「うわあ、この森は沢山の薬草が採れますね。王都の森と比較にならないです」
「えっ、そうなんだ。王都の森は行ったことがないから、王都ではどのくらい薬草が採れるんだろうか?」
「全然比べ物にならないです。こんなに群生している事はないです」

 ランさんは物凄く興奮しながら薬草採取をしているけど、辺境伯領の森は薬草が沢山採れるもんなあ。
 でも、マロード男爵領も沢山の薬草が採れるし、バザール子爵領も薬草は豊富にある。
 王都周辺の森で薬草が採れないのは、何か理由があるのかな。
 まあ、今は目の前の薬草に集中しましょう。
 因みに、ポニさんたちが張り切って周囲を警戒しているし、周囲を探索しても人が多いから動物や魔物も警戒して近づいてきません。
 今日はメイちゃんとリラちゃんも参加しているので、とても安全な状況と言えましょう。
 でも、そんな状況でも近づいてくるものがいました。

 ガサガサ、ガサガサ。

「ガゥ!」
「あー! クマちゃんだ!」
「「「クマちゃんだ!」」」

 ミカエル達の臭いが分かったのか、いつものクマが姿を現しました。
 メイちゃんとリラちゃんも、ニコニコしながらクマの元に向かっていきました。
 ミカエル達も大喜びだし、ポニさん達も全く気にしていません。

「あああ、あのあのあの、く、クマが現れました! み、ミカエルちゃんが、クマに触っています!」
「ああ、あのクマはミカエルちゃん達のお友達だから、気にしなくても良いわよ」
「は、はあ……」

 まあ、普通クマが小さな子どもの前に現れたらとんでもなく驚くだろうな。
 ランさんは未だに驚いていたけど、ルーシーお姉様は全く気にも止めなかった。
 そして、普通に薬草採取に戻っていました。
 ランさんも、チラチラとクマと遊ぶミカエル達を見ながら、薬草採取に戻りました。

「クマちゃん、またねー!」
「「「またねー!」」」
「ガウガウ」

 いつも通り午前中に沢山の薬草が採れたので、僕達は冒険者ギルドに戻ります。
 ミカエル達は、クマと挨拶をしてからポニさん達に乗りました。
 そして、毎度おなじみの結果が待っていました。

「おお、沢山の薬草を採ったな。換金額も良い物になるぞ」
「えー! こんな金額になるんですか!」

 薬草採取は単価が安くても量を採ればかなりの金額になります。
 今は様々な薬の開発も進んでいるので、薬草はいくらあっても大丈夫です。
 かなりの換金金額に、ランさんはとっても驚いていました。

「じゃあ、ギルドで昼食を食べたら、アレク君の屋敷で遊びましょうね」
「「「「はーい」」」」

 ルーシーお姉様は、楽しそうにミカエル達に話しかけていました。
 そんなルーシーお姉様を見て、またもやランさんが困惑してしまいました。

「あ、あの、ルーシー様。王族の方が冒険者ギルドでの食事を食べられるんですか?」
「ええ、ここの食事はとっても美味しいのよ。今日はお母様は来られなかったけど、お母様も各地の料理を楽しみにしているのよ」
「私、半日で王族の方に対するイメージが大きく変わりました……」

 ランさんは、王族は常に豪華な食事を食べていると思ったのだろう。
 そんな王族のイメージが、良い方向に変わってくれれば良いですね。
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