574 / 880
第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々
七百話 精神が不安定なお姉さん
しおりを挟む
次の週には、共和国に外遊で向かいます。
来週には外遊も終わるので、気を引き締めます。
因みに、今日はルーシーお姉様が婚約者のジェットさんに会いに行く為に、一緒についていきます。
どよーん。
「はあ……」
共和国について会議室に入ると、ビシッとしているサンラインさんとジェットさんに加えて、全身から負のオーラを隠さないでいる外交担当のクレイモアさんがいました。
うん、誰もがクレイモアさんに注目していますね。
ここは、一番話を知っていそうなクレイモアさんの弟さんに、何でお姉さんがこうなっているのか聞いてみましょう。
「ジェットさん、お姉さんどうしちゃったのですか? どす黒いオーラが出ていますけど」
「実は、先ほど姉の部下におめでたが分かりまして。表面上は何とか持っていたのですが、やはり先を越されたショックがありまして。更に昨日は別の部下の結婚式でして、そこでも結婚相手を見つけられませんでした」
「「「あー、そういう事か」」」
うん、これはいつもの事ですね。
クレイモアさんを王国での結婚式に招待しても、いつも結婚相手を探していたっけ。
取り敢えず、話を進めちゃいましょう。
流石にクレイモアさんがしょんぼりモードなので、ジェットさんとルーシーお姉様が外務担当同士の話し合いに参加する事になりました。
ジェットさん曰く、仕事は真面目にやるので大丈夫だとの事です。
「アレク殿下も、本当にお忙しそうだ。王国の腐敗の一掃に、大活躍中だとか」
「主に動いているのは、僕じゃなくてリズ達なんですけどね。中々の効果が出たので、来年も特別調査チームを稼働させる予定です」
「リズ殿下の危機察知能力が素晴らしいのも、特別調査チームが稼働している要因ですな。我が国も、現在腐敗防止対策をしております」
リズ達の勘は、本当に凄いもんなあ。
僕じゃあ、到底見つけられない物までみつけるもんね。
ただ、共和国が進めている僕達みたいな勘に頼らない対策も絶対に必要ですね。
「実は、共和国でも闇ギルドの活動が活発になっております。末端の構成員を捕まえる事が多いのですが、奴らはどうも資金集めに奔走している様ですな」
「私達の国でも、闇ギルドが資金集めをしていました。また、貴族のコントロールをしようとしている例もありました」
「闇ギルドが資金を欲しているのは間違いないでしょう。ともかく、奴らの動きを注視しなければなりません」
共和国でも、闇ギルドが活動を活発化させているんだ。
資金を集めて何をするかが全く分からないけど、とにかく闇ギルドをどうにかしないと駄目だね。
その後も、僕はサンラインさんと色々な話をして会談は無事に終了しました。
「しかし、アレク殿下もようやく秘書をつけられたか。アレク殿下は本当にお忙しいので、キチンとスケジュール管理をしたほうが良いですよ」
サンラインさんは、チラッとローリーさんを見て秘書の話をしてきました。
ローリーさんがきっちりと僕のスケジュールを管理してくれるので、本当にありがたいです。
秘書さんの能力って凄いなあと、改めて感じました。
さてさて、問題の外交担当同士の話し合いはどうなっているのでしょうか。
僕達は、皆がいる部屋に向かいました。
「うう、どうせ私は弟にも先を越される三十路の独身ですよ……」
「「「……」」」
そこには、何故か号泣しているクレイモアさんの姿がありました。
外交担当同士の会談は全く問題なく終わり、ジェットさんとルーシーお姉様が仲良く話し始めたそうです。
すると、クレイモアさんのスイッチが再び入ってしまったそうです。
「すみません、このまま姉を連れて帰ります。多分、今日は仕事にならないかと」
「そうだな。王国との会談も終わったし、今日は帰ってよいぞ」
うん、今日のクレイモアさんは精神的に不安定だから、ゆっくりと休んだ方がいいですね。
クレイモアさんとジェットさんのお家には僕も何回も行っているので、ゲートを繋いで二人を見送りました。
「ルーシーお姉様、今日は残念でしたね。また後日、ジェットさんとゆっくりと会いましょう」
「うん、それは大丈夫なの。それよりも、クレイモアさんが私の将来のお義姉様になる方が不安になったわ」
ルーシーお姉様の遠い目が、とっても印象的でした。
何とかクレイモアさんに良い人が現れてくれないかと、僕も切に願いました。
来週には外遊も終わるので、気を引き締めます。
因みに、今日はルーシーお姉様が婚約者のジェットさんに会いに行く為に、一緒についていきます。
どよーん。
「はあ……」
共和国について会議室に入ると、ビシッとしているサンラインさんとジェットさんに加えて、全身から負のオーラを隠さないでいる外交担当のクレイモアさんがいました。
うん、誰もがクレイモアさんに注目していますね。
ここは、一番話を知っていそうなクレイモアさんの弟さんに、何でお姉さんがこうなっているのか聞いてみましょう。
「ジェットさん、お姉さんどうしちゃったのですか? どす黒いオーラが出ていますけど」
「実は、先ほど姉の部下におめでたが分かりまして。表面上は何とか持っていたのですが、やはり先を越されたショックがありまして。更に昨日は別の部下の結婚式でして、そこでも結婚相手を見つけられませんでした」
「「「あー、そういう事か」」」
うん、これはいつもの事ですね。
クレイモアさんを王国での結婚式に招待しても、いつも結婚相手を探していたっけ。
取り敢えず、話を進めちゃいましょう。
流石にクレイモアさんがしょんぼりモードなので、ジェットさんとルーシーお姉様が外務担当同士の話し合いに参加する事になりました。
ジェットさん曰く、仕事は真面目にやるので大丈夫だとの事です。
「アレク殿下も、本当にお忙しそうだ。王国の腐敗の一掃に、大活躍中だとか」
「主に動いているのは、僕じゃなくてリズ達なんですけどね。中々の効果が出たので、来年も特別調査チームを稼働させる予定です」
「リズ殿下の危機察知能力が素晴らしいのも、特別調査チームが稼働している要因ですな。我が国も、現在腐敗防止対策をしております」
リズ達の勘は、本当に凄いもんなあ。
僕じゃあ、到底見つけられない物までみつけるもんね。
ただ、共和国が進めている僕達みたいな勘に頼らない対策も絶対に必要ですね。
「実は、共和国でも闇ギルドの活動が活発になっております。末端の構成員を捕まえる事が多いのですが、奴らはどうも資金集めに奔走している様ですな」
「私達の国でも、闇ギルドが資金集めをしていました。また、貴族のコントロールをしようとしている例もありました」
「闇ギルドが資金を欲しているのは間違いないでしょう。ともかく、奴らの動きを注視しなければなりません」
共和国でも、闇ギルドが活動を活発化させているんだ。
資金を集めて何をするかが全く分からないけど、とにかく闇ギルドをどうにかしないと駄目だね。
その後も、僕はサンラインさんと色々な話をして会談は無事に終了しました。
「しかし、アレク殿下もようやく秘書をつけられたか。アレク殿下は本当にお忙しいので、キチンとスケジュール管理をしたほうが良いですよ」
サンラインさんは、チラッとローリーさんを見て秘書の話をしてきました。
ローリーさんがきっちりと僕のスケジュールを管理してくれるので、本当にありがたいです。
秘書さんの能力って凄いなあと、改めて感じました。
さてさて、問題の外交担当同士の話し合いはどうなっているのでしょうか。
僕達は、皆がいる部屋に向かいました。
「うう、どうせ私は弟にも先を越される三十路の独身ですよ……」
「「「……」」」
そこには、何故か号泣しているクレイモアさんの姿がありました。
外交担当同士の会談は全く問題なく終わり、ジェットさんとルーシーお姉様が仲良く話し始めたそうです。
すると、クレイモアさんのスイッチが再び入ってしまったそうです。
「すみません、このまま姉を連れて帰ります。多分、今日は仕事にならないかと」
「そうだな。王国との会談も終わったし、今日は帰ってよいぞ」
うん、今日のクレイモアさんは精神的に不安定だから、ゆっくりと休んだ方がいいですね。
クレイモアさんとジェットさんのお家には僕も何回も行っているので、ゲートを繋いで二人を見送りました。
「ルーシーお姉様、今日は残念でしたね。また後日、ジェットさんとゆっくりと会いましょう」
「うん、それは大丈夫なの。それよりも、クレイモアさんが私の将来のお義姉様になる方が不安になったわ」
ルーシーお姉様の遠い目が、とっても印象的でした。
何とかクレイモアさんに良い人が現れてくれないかと、僕も切に願いました。
277
お気に入りに追加
8,637
あなたにおすすめの小説
あれ?なんでこうなった?
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、正妃教育をしていたルミアナは、婚約者であった王子の堂々とした浮気の現場を見て、ここが前世でやった乙女ゲームの中であり、そして自分は悪役令嬢という立場にあることを思い出した。
…‥って、最終的に国外追放になるのはまぁいいとして、あの超屑王子が国王になったら、この国終わるよね?ならば、絶対に国外追放されないと!!
そう意気込み、彼女は国外追放後も生きていけるように色々とやって、ついに婚約破棄を迎える・・・・はずだった。
‥‥‥あれ?なんでこうなった?
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
聖女の姉が行方不明になりました
蓮沼ナノ
ファンタジー
8年前、姉が聖女の力に目覚め無理矢理王宮に連れて行かれた。取り残された家族は泣きながらも姉の幸せを願っていたが、8年後、王宮から姉が行方不明になったと聞かされる。妹のバリーは姉を探しに王都へと向かうが、王宮では元平民の姉は虐げられていたようで…聖女になった姉と田舎に残された家族の話し。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結24万pt感謝】子息の廃嫡? そんなことは家でやれ! 国には関係ないぞ!
宇水涼麻
ファンタジー
貴族達が会する場で、四人の青年が高らかに婚約解消を宣った。
そこに国王陛下が登場し、有無を言わさずそれを認めた。
慌てて否定した青年たちの親に、国王陛下は騒ぎを起こした責任として罰金を課した。その金額があまりに高額で、親たちは青年たちの廃嫡することで免れようとする。
貴族家として、これまで後継者として育ててきた者を廃嫡するのは大変な決断である。
しかし、国王陛下はそれを意味なしと袖にした。それは今回の集会に理由がある。
〰️ 〰️ 〰️
中世ヨーロッパ風の婚約破棄物語です。
完結しました。いつもありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。