上 下
535 / 890
第二十四章 お兄ちゃんの官僚としての忙しい日々

六百六十一話 教皇国での闇ギルドの動きは?

しおりを挟む
 僕もちょっと落ち込んでいる所に、オカマさんがとっても美味しそうな料理を持ってきました。

「はあーい、お待ちどうさま。ごゆっくりね」
「「「美味しそう!」」」

 お腹ペコペコだったリズ達は、運ばれてきた料理から香る食欲がそそられる匂いに既に大興奮です。
 次々とテーブルの上に料理が並べられていき、皆も早速食べ始めました。

「何これ、普通のステーキなのに肉汁が溢れてくる!」
「ソースもパンチがあるのに、とても良い味がしていますわ」

 ナイフで切り分けたステーキを一口食べて、エマさんとオリビアさんは物凄くビックリしていました。
 焼き加減が絶妙なので、お肉を焼いただけなのに本当に美味しいんだよね。

「何で普通のミートソースなのに、こんなにも美味しいのだろうか? 正直、王城の料理よりも美味しい……」
「一度スラちゃんが疑問に思って鑑定しても、本当に普通の料理って出てきましたよ」
「本当に不思議だ。食が進むよ」

 ルーカスお兄様も、とても美味しそうにミートソースを食べています。
 本当に変なものは入っていないし、普通の料理なんだよね。

「もぐもぐ、カレちゃん、とっても美味しいよ!」
「そうね。いっぱい食べるのよ」
「うん!」

 ミカエルは、ドリアを口いっぱいにしながらカレン様の方を向いてニコニコしていました。
 カレン様も、そんなミカエルの頭をニコリとしながら撫でていました。

「ふふ、沢山食べていますわね」
「ええ、そうですわね。とっても可愛らしいです」

 ティナおばあさまとアレクサさんも、元気よく食べているリズ達やミカエル達を温かい眼差しで見ていました。
 お二人は、早くも完食しています。

「はあ、食ったくった。ボリュームのある料理も良いな」
「ボリュームがあると大味になりがちだけど、この店の料理は大味にならないわね」

 ジンさんとレイナさんも、大盛りのピラフを食べて大満足です。
 カミラさんとルリアンさんとナンシーさんも、結構な量を食べていました。

「はあい、小さい子にはあまーいアイスをプレゼントよ」
「「「「わーい」」」」

 ここでオカマさんが、ミカエル、ブリット、メイちゃん、リラちゃんにアイスクリームをサービスしてくれました。
 リズ達が少し羨ましそうにしているけど、ここは我慢しましょうね。
 あっ、ちょうど良いからオカマさんに話を聞いちゃおう。

「オカマさん、ここの所何か話を聞いていますか?」
「いーえ、本当に何にも話を聞いていないのよ。王国で悪さをしたってのは聞いたけど、教皇国では何にも聞かないのよ」
「うーん、それって逆に怪しいですよね……」
「私もそう思うわ」

 他にもお客さんがいるのでボヤかして聞いたけど、どうも闇ギルドはまたもや教皇国で何かしている可能性もあります。
 ここは、教皇様に連絡をして調べて貰う方が良いね。

「「「アイスおいしー! あまーい!」」」」
「リズ、アイス頼む!」
「エレノアも!」
「私も頼みます」
「イヨも」
「はいはい、ちょっと待っていてね」

 うん、リズ達もアイスを我慢できなくなったのね。
 結局、全員アイスを追加注文して甘さを堪能していました。

「また、お店に来ます」
「いつでも歓迎するわ。イヨもまたね」
「じゃあ」

 全員大満足の昼食になりました。
 何人かは次は何を頼もうかなって言っているので、近い内にまたお店に来る可能性がたかいですね。
 僕達はオカマさんに挨拶をしてから、カレン様を送る為に大教会に向かいました。

「うむ、確かに教皇国では驚く程何も事件が起きてない。そう考えると、おかしいと思えるな。聖騎士の巡回を増やそう」

 直ぐに教皇様と会うことができたので、さっきオカマさんから聞いた話を伝えました。
 何だかんだいって、闇ギルドは前も教皇国に拠点を置いていたもんね。
 教皇様も、直ぐに手をうってくれました。

「アレク、また仕事が増えたな」
「これは、ジンさんやスラちゃんの執務官のお仕事ですよ」
「うーん、どちらの仕事にもなるわね。アレク君、ジン、明日早速王城で会議だそうよ」
「「ええー!」」

 そして、ティナおばあさまから仕事の押しつけをしていた僕とジンさんに、残念なお知らせが届きました。
 はあ、僕のお仕事は当面無くならないっぽいです。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします

藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です  2024年6月中旬に第一巻が発売されます  2024年6月16日出荷、19日販売となります  発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」 中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。 数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。 また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています 戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています そんな世界の田舎で、男の子は産まれました 男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました 男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります 絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて…… この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです 各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

兄がやらかしてくれました 何をやってくれてんの!?

志位斗 茂家波
ファンタジー
モッチ王国の第2王子であった僕は、将来の国王は兄になると思って、王弟となるための勉学に励んでいた。 そんなある日、兄の卒業式があり、祝うために家族の枠で出席したのだが‥‥‥婚約破棄? え、なにをやってんの兄よ!? …‥‥月に1度ぐらいでやりたくなる婚約破棄物。 今回は悪役令嬢でも、ヒロインでもない視点です。 ※ご指摘により、少々追加ですが、名前の呼び方などの決まりはゆるめです。そのあたりは稚拙な部分もあるので、どうかご理解いただけるようにお願いしマス。

令嬢に転生してよかった!〜婚約者を取られても強く生きます。〜

三月べに
ファンタジー
 令嬢に転生してよかった〜!!!  素朴な令嬢に婚約者である王子を取られたショックで学園を飛び出したが、前世の記憶を思い出す。  少女漫画や小説大好き人間だった前世。  転生先は、魔法溢れるファンタジーな世界だった。リディーは十分すぎるほど愛されて育ったことに喜ぶも、婚約破棄の事実を知った家族の反応と、貴族内の自分の立場の危うさを恐れる。  そして家出を決意。そのまま旅をしながら、冒険者になるリディーだったのだが? 【連載再開しました! 二章 冒険編。】

せっかく転生したのに得たスキルは「料理」と「空間厨房」。どちらも外れだそうですが、私は今も生きています。

リーゼロッタ
ファンタジー
享年、30歳。どこにでもいるしがないOLのミライは、学校の成績も平凡、社内成績も平凡。 そんな彼女は、予告なしに突っ込んできた車によって死亡。 そして予告なしに転生。 ついた先は、料理レベルが低すぎるルネイモンド大陸にある「光の森」。 そしてやって来た謎の獣人によってわけの分からん事を言われ、、、 赤い鳥を仲間にし、、、 冒険系ゲームの世界につきもののスキルは外れだった!? スキルが何でも料理に没頭します! 超・謎の世界観とイタリア語由来の名前・品名が特徴です。 合成語多いかも 話の単位は「食」 3月18日 投稿(一食目、二食目) 3月19日 え?なんかこっちのほうが24h.ポイントが多い、、、まあ嬉しいです!

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。