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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

六百二十六話 賑やかな披露宴の始まり

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 辺境伯様の屋敷に着いたら、ジェイド様とソフィアさんの結婚式と同じく庭で披露宴です。
 今回は参加者が少ないので、僕の屋敷の庭までは開放していません。

「「「わーい!」」」

 とはいえ、庭はとても広いので、重役から開放されたちびっ子軍団は元気いっぱいに走り回っていました。

 とてちて、とてちて。

「「あうあう」」
「ケンちゃん、こっちだよー」
「レオンちゃんもおいでー」
「「あうー!」」
「「「かっ、可愛い……」

 一生懸命にお姉ちゃんのメイちゃんとリラちゃんの後を歩く弟君に、参加者の女性陣も思わず笑みを浮かべています。
 とはいえ、そろそろ披露宴が始まるから席につかないとね。

「お兄さんとお姉さんはこっちだよ」
「いっぱいお話聞くの」
「「ほっ……」」

 そして、ブーケプルズでブーケをゲットしたルシアさんの同級生は、何故かリズとエレノアに手を引かれて子どもが沢山いる所に連れていかれた。
 同級生の尋問から逃れられたと思って二人はホッと胸を撫で下ろしてきたけど、子ども席には良いものを見つけたという表情をしている王妃様とアリア様にティナおばあさまの姿があった。
 うん、同級生よりも厳しい尋問が待っている可能性が高いぞ。
 因みに、ルーカスお兄様とアイビー様にルーシーお姉様は、何故かジンさんの所にいました。
 きっと、王妃様達からの誤爆を防ぐ為だろうね。
 何はともあれ、全員が飲み物を手にしました。

「それでは、二人の末永い幸せを願って乾杯をします。乾杯!」
「「「乾杯!」」」

 何故か僕が乾杯をする事になったけど、ここは軽く切り抜けましょう。

「「「よし、行くぞ!」」」
「「「私達も行くわよ!」」」

 おお、早速同級生がジェイド様とルシアさんの所にお酒を手にしながら向かったぞ。
 しかし、そんな同級生の前に立ちはだかる人が。

「はいはい、お酒を飲ませすぎないでね。程々にね」
「おさけ、たくさんはめー!」
「おさけ、くさーいのきらーい!」

 正妻であるソフィアさんと双子ちゃんが、お酒を沢山飲ませようとする同級生に釘をさしました。
 双子ちゃんは、単にお酒が嫌いみたいだね。

「あら、あの貴族家なのね。二人の家柄なら、直ぐに結婚しても全く問題ないわね」
「こういうめでたい事は、出来るだけ早い方が良いわよ」
「いつまでも若いと思っていると、あっという間に年をとるわよ」
「「あの、えーと……」」

 そしてブーケをゲットしたルシアさんの同級生は、周りを偉い人にガッチリと固められて全く動けません。
 どうも王族と親交の深い貴族だったらしく、既に結婚式がとかの話になっています。
 そんな大人達を他所に、ちびっ子軍団はもりもりとご飯を食べていました。
 今日は、皆頑張ったもんね。

「じゃあ、ジェイド様とルシアさんの所に挨拶をしに行こうか」
「「「はーい」」」

 皆が食べ終わった所で、僕達は新郎新婦の所に向かいます。
 王妃様達とあの二人は未だに話をしているし、声はかけなくても大丈夫そうだね。

「おっ、お前らも来たか」
「「「きたよー」」」

 ちょうどジンさん達も新郎新婦の所に来たらしく、僕達に声をかけてきました。
 因みに、ルーカスお兄様は王妃様達の席を見て、何も言わずに視線を戻していました。

「「「おめでとー」」」
「皆、ありがとうね」
「良く出来ていたよ」

 まだジェイド様とルシアさんの同級生も新郎新婦の席に残っていて、僕達にルシアさんとククリさんが話しかけてきました。

「そういえば、あの二人はどうなった?」
「うーんとね、何か結婚式がどうこうとかって言っていたよ」
「王家も知っている貴族だったの」
「あー、あの二人は伯爵家だから王家も親交はあるよね」
「くそ、やはりあの二人は出来ていたか」
「私、昔からちょっと怪しいと思っていたんだよね」

 いつの間にか、話の話題は同級生二人の話になっていました。
 リズとエレノアが正直に言ったから、同級生も更にヒートアップしていました。

「ククリは、この先どうするの?」
「当面は、辺境伯家のお手伝いを続けるわよ。私が結婚するのとルシちゃんの赤ちゃんを抱くのと、どっちが早いかだね」
「うーん、あと三年か。確かに微妙なタイミングだね」

 ククリさんはルシアさんの弟のチャールズさんと婚約しているけど、チャールズさんはあと三年間は学園生だもんね。
 そうなると、確かに微妙なタイミングだもんね。

「おとーと?」
「いもーと?」
「さて、どっちだろうね」

 双子ちゃんは父親であるジェイド様に色々と聞いていたけど、どっちが生まれるかは分からないもんね。

「というよりも、あの二人の結婚式の方が早くなりそうじゃない?」
「「「確かに……」」」

 ぼそっとレイナさんがツッコんだのに、ルシアさんの同級生が深く頷いていました。
 というか、王妃様はタブレット型の魔導具を使って、どこかに連絡していないかな?
 そして、あの二人は既に諦めの境地に入っていました。
 ともあれ、披露宴は和やかな雰囲気で進んでいきました。

「「「がはは、もう一杯!」」」

 因みに誰も触れなかったけど、ぶっちぎりで煩かったのは閣僚のテーブルでした。
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