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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

六百四話 皆でご苦労様会です

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 そして五歳の祝いの式典の翌日は、皆で王城の王族用食堂に集まって薬草採取ご苦労様会です。
 ずっと薬草採取を頑張っていて、取り急ぎ治療に必要な分の薬を作れました。
 これからも薬草採取を頑張るけど、今日は皆で甘い物を食べます。

「はーい、あまーいはちみつがたっぷりかかったホットケーキですよ」
「切り分けてあげるから、沢山食べましょうね」
「「「おいしそー!」」」

 何故かメイド服のククリさんとルシアさんが、台車に乗ってきたホットケーキを配膳して切り分けていました。
 ミカエルとブリットにメイちゃんとリラちゃんは薬草採取を頑張ったので、フルーツのトッピング付きです。
 レイカちゃん達にルカちゃんとエドちゃんがフルーツ付きについて何か言ってくるかと思ったけど、そんな事は全くなかった。

「ルカもやくそーとるよ!」
「エドもとる!」
「レイカも!」

 寧ろ薬草採取イコールご褒美が貰えると勘違いしたちびっこ達が、薬草を取ると元気よく宣言していました。

「ごぶりんたおすよー!」
「エドも!」
「そう、頑張ってね」
「「うん!」」

 更にメイちゃんとリラちゃんが魔法を使ってゴブリンを倒したので、ほぼ同じ年のルカちゃんエドちゃんも王妃様に元気よくアピールしていました。
 実力からいくと、ちびっこ軍団も余裕でゴブリンを倒すだけの魔法の力があるんだよね。
 いずれにせよ、ちびっこ軍団の冒険者デビューは来年以降ですね。
 因みに面倒見が良いサンディとイヨが、ちびっこ軍団の口を拭いてあげたりしていました。
 二人とも、だいぶお姉ちゃんって感じになってきたね。

「うーん、はちみつが甘くておいしいよー」
「ほっぺたが落ちそうですの」

 一方で、リズとエレノアもとても美味しそうにパンケーキを食べていました。
 リズはともかくとして、エレノアも公務の時以外はずっと薬草採取を手伝ってくれたもんね。
 流石に夜は王城に送ったけど、僕もエレノアとこんなに長く一緒にいるのは初めてだったよ。

「いやー、久々に冒険者活動やっていたなあ。やっぱり貴族として動くのはなれないな」
「そうね。薬草採取もだけど、ゴブリン討伐もあったわね」
「個人的にはおじいちゃんから無理難題を押し付けられなくて、とっても気が楽だったわ」

 ジンさん達も甘い物が大好きだから、どんどんとパンケーキを食べています。
 昨日の五歳の祝いの式典に急遽参加したジンさんは、表情が死んでいたもんなあ。
 僕も、どちらかというと堅苦しい雰囲気は苦手だね。

「アレク君も、本当に頑張ったわね。二、三日はしっかりと体を休めないとね」
「お祖母様の言う通りね。弟くんも、ゆっくりと休まないと」

 僕はというと、ティナおばあさまとルーシーお姉様とスラちゃん達と一緒にパンケーキを食べています。
 ずーっと動いていたからか、甘い物が体に染み渡る気がするよ。
 因みに、ルーカスお兄様とアイビー様は学園なので不参加です。
 やっぱり学園が始まると、とっても忙しそうだね。

「そうだわ、今日はエレノアはアレク君の所に泊まっていきなさいな。夜は王城に帰ってきて、とても寂しそうだったからね」
「本当にいいの?」
「ええ、良いわよ」
「「「わーい!」」」

 ここでお腹がだいぶ大きくなったアリア様からの宿泊許可に、エレノアだけでなく皆も喜んでいます。
 確かにいつもバイバイする時に、寂しそうな目をしていたもんね。

「ルーシーはまたの機会にしなさいね。ルカとエドが寂しがっちゃうしね」

 ルカちゃんとエドちゃんはお兄ちゃんお姉ちゃんが大好きだから、誰もいないと寂しくて拗ねちゃうんだよね。
 ルーシーお姉様は、またの機会ですね。

 ガチャ。

「はあ、疲れたぞ。余もアレクの屋敷に連れて行ってくれ」
「やだ」

 ここで、書類整理を終えてお疲れモードの陛下が食堂に入ってきました。
 前にもあったけど、エレノアが陛下の同行を考えるまでもなく拒否したよ。

「冗談はさておき、休める時に休むのも仕事のうちだ。疾病の動向次第だが薬草採取は続ける事になるし、更には各地の状況を知る事もできる。年末までは薬草採取を続けてくれ」

 陛下の言う通り、各地に薬草採取に行っているから色々な情報が集まるんだよね。
 ただ薬草採取をするだけじゃないし、各地の領主と話をするのも勉強になるよ。

「あと、ジンは明日は仕事がある。王妃とルカとエドと共に、福祉施設への慰問だ」
「ええっ!」

 そして、ジンさんは残念ながら明日はお仕事になりました。
 きっと、ルカちゃんとエドちゃんのベビーシッター役ですね。
 これはジンさんにしかできない仕事だし、仕方ないですね。
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