転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十三章 ルルーさんの結婚式と新たな命の誕生

五百七十七話 新しい夫婦の誕生とブーケプル

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 もう商務卿一家の男性陣はどうしようもないという事で、さっさと結婚式を終わらせた方が良いという結論になりました。
 司祭様の前に、三人が並び立ちました。

「おお、神よ。これから、新たな夫婦が誕生する事を報告する」

 厳粛な声が、教会内に響き渡ります。
 ランディさんも、ルルーさんも、クラヴィーアさんも、真剣な顔で司祭様を向いています。
 教会内にいる人も、勿論僕も固唾をのんで成り行きを見守っています。

「では、ランディ・フォン・ブランターク、そなたは、ルルー・フォン・クロスロード、並びにクラヴィーア・フォン・ベリーを妻とし、終生愛する事を誓うか?」
「はい、誓います」
「ルルー・フォン・クロスロード、並びにクラヴィーア・フォン・ベリーは、ランディ・フォン・ブランタークを夫とし、終生愛する事を誓うか?」
「「はい、誓います」
「それでは、互いに指輪の交換を行いなさい」

 宣誓は問題なく終わり、三人は互いに指輪の交換を行います。
 そして、一番のメインイベントがやってきました。

「では、互いに誓いの口づけを」
「「「うっ、ううう……」」」

 うん、ジンさんとレイナさんの時もそうだったけど、誓いの口づけのタイミングで商務卿一家の男性陣の号泣が更に大きくなりました。
 流石に教会の中にいる人は慣れてしまったのか、号泣する一角を完全に無視して誓いの口づけをする三人に見入っていました。

「おお、ここに新たな夫婦が誕生しました」

 ぱちぱちぱち。

「「「わあー!」」」

 ちょっと照れながら腕を組んでいる三人に向けて、大きな拍手が送られています。
 主にランディさんの同級生の男子が、ランディさんを冷やかすような事を言っています。
 それでも、号泣している一角を除いて和やかなうちに結婚式は終わりました。
 新郎新婦に続いて、僕達も教会の外に出ます。
 特に女性陣はざわざわとしているけど、この後はお待ちかねのブーケトスです。
 しかも、今回はブーケが二つもあるのでチャンスが二倍です。

「では、ブーケトスを行いますが、今回は子ども達が一生懸命に作ったブーケなのでブーケプルにて行います」

 今回使用したブーケは、リズ達が作った物です。
 既に何回かブーケを作っているので、今回は中々の出来のブーケが出来ました。
 まあ、最後にスラちゃんが手直しをしてくれたけどね。
 今回は僕達はブーケプルに参加せずに成り行きを見守る事になりました。
 そして、ブーケプルの結果はというと……

「わあ、やったー!」
「おめでとうございます!」

 先ずルルーさんのブーケが結ばれた紐を引き当てたのは、ランディさんの同級生でした。
 ルルーさんからブーケを貰って、満面の笑みになっています。
 そしてもう一つのクラヴィーアさんのブーケはというと、びっくりした人が引き当てていました。

「やたー!」
「おっと、ここでまさかのクラヴィーアさんの姪っ子ちゃんがブーケを引き当てました」
「ちょっと、レイカ。何で勝手に混ざっているのよ!」

 どうもレイナさんが目を離した隙に、レイカちゃんが女性陣に混じってブーケに繋がっている紐を持っていたみたいです。
 これには、クラヴィーアさんも思わず苦笑いです。
 でも、流石に喜びを爆発させているレイカちゃんにブーケなしとは言えず、そのままレイカちゃんにクラヴィーアさんのブーケが手渡されました。
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